
JRA テーオーケインズ、マルシュロレーヌのライバルは「豪運」の持ち主!? サウジC(G1)に出走予定の2度も「負けた」のに逆転勝利した馬とは
日本時間の26日から27日にかけて、サウジアラビアのキングアブドゥルアジーズ競馬場でサウジCデーが行われる。計6Rに日本馬12頭が出走する見込みとなっている。
中でも注目は、やはり同日の主役を飾るサウジC(G1)だろう。優勝賞金1000万ドル、日本円に換算して約11億5000万円は世界最高峰で、今年から晴れてG1レースの仲間入りを果たした。
日本からはテーオーケインズ(牡5歳、栗東・高柳大輔厩舎)とマルシュロレーヌ(牝6歳、栗東・矢作芳人厩舎)が参戦予定だ。
前者は昨年12月のチャンピオンズC(G1)で6馬身差の圧勝を収め、後者は昨年11月にBCディスタフ(G1)を制して日本馬初のブリーダーズC優勝の快挙を成し遂げた。2頭とも世界最高峰の賞金レースでの健闘が期待されている。
しかし、サウジCは世界の強豪が高額賞金を狙って集まるハイレベルなレースだ。一筋縄ではいかず、これまで行われてきた2度とも日本馬は惨敗を喫している。
2020年の第1回目は当時無敗のクリソベリルとG1・4勝馬ゴールドドリームが出走したが、いずれも着外に沈んだ。翌年もチュウワウィザードが挑むも9着と、世界の壁は厚い。
今年も日本馬の行く手を阻む強豪馬が集った印象がある。連覇を目論む欧州馬ミシュリフをはじめ、ダートの本場である北米からも猛者4頭が出走予定だ。
その中でも筆頭格はマンダルーン(牡4歳、米国・B.コックス厩舎)だろう。本馬は実力もさることながら、強運の持ち主であることが知られている。
「マンダルーンは9戦7勝で、着外になったレースも6着の1度のみと安定感が光る米国馬です。そして、この馬は何かと“持っている”んですよね。
昨年は、日本でもお馴染みのケンタッキーダービー(G1)に出走し2着に敗れていますが、後に優勝馬が血液検査で禁止薬物の陽性反応が検出されました。1着馬は先日、失格処分となり、マンダルーンが繰り上げで優勝。約9ヶ月越しのダービー制覇となりました。
ケンタッキーダービーから2ヶ月後に挑んだハスケルS(G1)でも、似た事象が起こりました。マンダルーンはここでも2着に惜敗してしまうのですが、1着に入線した馬が進路妨害で降着となり、またも繰り上がりでG1制覇を果しています。
どちらのレースも1着入線馬に然るべき制裁が下った当然の結果ですが、北京オリンピックなどを見ていますと、誰もが納得する公正なジャッジを実現することは簡単ではないと改めて実感しました。そう考えると、マンダルーンはやはり強運なのではないでしょうか」(競馬誌ライター)
高い能力に加えて強運の持ち主ともいえるマンダルーン。ケンタッキーダービー繰り上げ優勝も21日に発表されたばかりと、勢いも十分で日本馬2頭にとって手強いライバルとなりそうだ。果たして11億円はどの馬に渡るのか。発走は日本時間27日の2時35分を予定している。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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