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JRA皐月賞(G1)最有力ダノンベルーガ「鞍上問題」に終止符!? 「G1で活躍できる騎手にならないと」皐月賞馬屈辱の降板劇から約5年…またも無念の乗り替わり

JRA皐月賞(G1)最有力ダノンベルーガ「鞍上問題」に終止符!? 「G1で活躍できる騎手にならないと」皐月賞馬屈辱の降板劇から約5年…またも無念の乗り替わりの画像1
松山弘平騎手とダノンスコーピオン

 10日、先週の弥生賞ディープインパクト記念(G2)で4着だったジャスティンロック(牡3歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)が、松山弘平騎手とのコンビで皐月賞(G1)へ向かうことが分かった。

 デビューから3戦手綱を取っていた松山騎手だが、前走は川田将雅騎手が騎乗。敗れはしたものの、京都2歳S(G3)を勝つなど3戦2勝の主戦騎手が戻ってきたことは、陣営にとっても心強いに違いない。

松山弘平「僕はつかまっていただけ」

「松山騎手が(弥生賞で)騎乗しなかったのは、陣営がサウジアラビア遠征の影響を鑑みたからですね。結局、隔離期間が短縮されて松山騎手は騎乗可能でしたが、大事を取って川田騎手に依頼しました。松山騎手は(ジャスティンロックの)三木(正浩)オーナーのお気に入りですし、順当な乗り替わりではないでしょうか」(競馬記者)

 ただ、ここで浮上するのが、皐月賞の最有力候補に名を連ねているダノンベルーガ(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)の鞍上問題だ。

 2月に行われた稍重の共同通信杯(G3)を、上がり3ハロン最速の33.7秒で豪快に差し切ったダノンベルーガ。これでデビュー2戦2勝となり、共同通信杯の勝ち馬は昨年のエフフォーリアを筆頭に近10年で5頭が皐月賞馬に輝いているだけに、周囲の期待も非常に高い存在だ。

 実は、そのダノンベルーガに騎乗していたのが松山騎手である。

「凄いものを持っています。良馬場だともっと良いパフォーマンスが出来ると思うし、これからまだまだ成長できる馬。大きい舞台に行っても楽しみです」

共同通信杯後、いつもは慎重なコメントの松山騎手にしては珍しく手放しで絶賛していただけに、頭には当然ダノンベルーガと挑む皐月賞があったのではないだろうか。実際に、結果的にはサウジアラビア遠征の影響が理由だったものの、弥生賞の同日に重賞のない阪神で騎乗していたことには、一部のファンから「クラシックはダノンベルーガに決めたのか」という声もあった。

「その話もあるにはあったんですが、どうやらダノンベルーガは川田将雅騎手との新コンビで皐月賞へ向かうことになりそうです。

というのも当初、ダノックスの一番手は朝日杯フューチュリティS(G1)で3着したダノンスコーピオンでした。主戦は当然、川田騎手。ところが、主戦騎手が『まだ戻っていない』という調整過程で出走した共同通信杯のダメージが思ったよりもあったようで……。陣営はまだ調整を続けていますが、安田隆行調教師からは『春全休になるかも』という話も聞かれています。

そこで一番手に浮上したのがダノンベルーガ。そうなればオーナーサイドは最も信頼を置ける川田騎手を選択しますし、今回の松山騎手のジャスティンロックはその煽りを受けた形になりますね」(別の記者)

 ダノックス×川田騎手と言えば高松宮記念(G1)を勝ったダノンスマッシュや、朝日杯FSのダノンプレミアム、ホープフルS(G1)のダノンザキッド、昨年引退したダノンファンタジーなど、成功例を挙げれば枚挙に暇がないほどの蜜月関係だ。

 かつてC.ルメール騎手が世界的な馬主集団ゴドルフィンの主戦騎手だったように、海外ではオーナーによって専属的な騎手契約が行われている。ダノックス×川田騎手の関係はそういった形に近いと言えるだろう。

「それにしても気の毒なのは、松山騎手ですよね。皐月賞といえば、自身にとっては9番人気の伏兵アルアインとのコンビで初G1を飾った思い出の舞台。しかし、続く日本ダービー(G1)で5着に敗れると、すぐに乗り替わりになってしまいました。その後、松山騎手がアルアインに再び騎乗したのは約2年7か月後の有馬記念(G1)。すでにピークアウトしていた本馬にとっては、“思い出作り”のような寂しい乗り替わりでした。

当時、取材を受けた松山騎手は『G1の舞台でも活躍できるジョッキーにならないと』と話していましたが、その翌年にはデアリングタクトとのコンビで牝馬三冠を達成。まさに有言実行の大活躍でしたが、それだけに今回の決定に思うところはあるでしょう。もちろん、騎手の決定が馬主サイドにあるのは誰もが承知していますが……」(同)

 無論、吉岡調教師が「本番で逆転したい」と意気込んでいるように、ジャスティンロックも皐月賞でチャンスがある1頭だ。

 5年前のアルアインの菊花賞(G1)では騎乗馬なしという寂しい状況だった松山騎手だが、捨てる神あれば拾う神あり。重賞ホースとのコンビで本番へ挑戦できることは、ここ5年間の成長の証といえるだろう。5年前のような乾坤一擲の騎乗を期待したい。

 

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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