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JRA松山弘平、川田将雅でも「お約束」の返り討ち……、C.ルメールが「出遅れ」ても止められなかった日本人騎手の外国人コンプレックス

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JRA松山弘平、川田将雅でも「お約束」の返り討ち……、C.ルメールが「出遅れ」ても止められなかった日本人騎手の外国人コンプレックスの画像1
C.ルメール騎手 撮影:Ruriko.I

 10日の開催が終わり、5日から始まった今年の中央競馬もはや4日を終了。そこでまだまだ気が早いのは承知の上だが、年始からのリーディングジョッキー争いに注目してみたい。

 近年の全国騎手リーディングは、5年連続でC.ルメール騎手が君臨しているものの、昨年は関東の若手・横山武史騎手が一気にブレイク。年間のG1勝利数でルメール騎手と同じ5勝と躍進した。

 シンザン記念(G3)を鮮やかな騎乗で勝利した横山典弘騎手や武豊騎手など、ベテラン勢もまだまだ健在。これに加え、世代交代を目論む若手の成長も見どころとなりそうだ。

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松山弘平騎手 撮影:Ruriko.I

 まず、開幕初日に4勝を挙げてトップに躍り出たのは、関西の松山弘平騎手。新年初騎乗となった中京1Rを制して幸先よくスタートすると、10Rから最終12Rまで圧巻の3連勝を決めた。騎乗馬も1番人気は1頭のみで、6番人気や7番人気も含まれていたのはさすがである。

 2日目の8日に好調だったのは、川田将雅騎手だ。この日の全4鞍すべて1番人気と2番人気とはいえ、2勝3着1回。9鞍に騎乗しながら全敗に終わった松山騎手と同じ4勝で並び、2着の数で上回ってトップに立った。

 しかし、彼らにとっての問題は、実はここから。なぜなら正月休みから復帰するC.ルメール騎手が、9日から騎乗を始めるからだ。

 眠れる獅子が目を覚ます前に、出来ることならセーフティリードを取っておきたい。エンジンが掛かれば、勝ち星を荒稼ぎすることが珍しくない大本命は、やはり警戒したい相手だろう。

 そんな各騎手の思惑を知ってか知らずか、ある意味では“いつも通りだった”のはルメール騎手。初日の9日は5連敗で未勝利に終わり、続く10日も中山8Rで今年初勝利を挙げ、10Rでも好騎乗で2勝目を挙げた。

 だが、肝心のメインレース・フェアリーS(G3)では、2番人気エリカヴィータで10着に大敗。結局、2日間で計13鞍に騎乗しながら2勝止まりと平凡な成績に終わった。

 大本命が出遅れたことも、日本人騎手にとっては好都合。一気に突き放す絶好のチャンスとなるはずだったのだが、世の中そんなに甘くはない。

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C.デムーロ騎手 撮影:Ruriko.I

 最終的に10日の開催終了時点でリーディングに立っていたのは、先述した松山騎手でも川田騎手でもなく、両者を凌ぐ8勝を挙げたC.デムーロ騎手だったのだから……。

「昨秋、C.デムーロ騎手の来日による乗り替わりについて、池添謙一騎手がTwitterで『世知辛い時代に再突入』と嘆いていましたが、この結果を見せつけられると世界的名手の手腕を認めるしかなさそうです。

弟の活躍に刺激を受けた兄のM.デムーロ騎手もフェアリーSを好騎乗で優勝し、一時期のスランプから脱しつつある状況です。日本人騎手にも意地を見せて欲しかったのですが、やはりというか……。もうワンパンチ欲しいところですね」(競馬記者)

 確かにC.デムーロ騎手は、日本が誇る天才・武豊騎手でさえ手が届いていない凱旋門賞優勝の実績を持つ超一流騎手。もしJRA所属となるようなら、ルメール騎手の独裁政権すら終わらせる可能性もあるだろう。

 ただ、期間限定で騎乗する短期免許のライバルに、年間通じて騎乗している日本人騎手が「歯が立たない」現状はもどかしい。近い将来、そんな外国人コンプレックスを払拭してくれるのは、横山武騎手かそれ以外か。

 ニューヒーローの誕生を待ちたい。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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