
JRAマテンロウオリオン効果で「爆上げ」からの評価急落!? フェアリーS(G3)惨敗騎手にファンから厳しい意見相次ぐ

10日の中山競馬場では、3歳牝馬の重賞フェアリーS(G3)が開催された。フルゲート16頭で争われた1勝馬ばかりの大混戦を制してクラシック候補に名乗りを上げたのは、M.デムーロ騎手の5番人気ライラック(牝3、美浦・相沢郁厩舎)だった。
「ゲートに入る前は落ち着いていましたが、中ではイライラして、出遅れました。二の脚も速くありません」
レース後、デムーロ騎手がそう振り返った通り、スタートで痛恨の出遅れ。小回り中山でマイルの舞台だっただけに、大きなビハインドとなったが、豪快な末脚を披露して、前を行く15頭すべてを差し切った。
「今回は脚を溜めていく形でしたが、流れも良く、3コーナーの手応えはものすごく良かったです。早く動きたくなかったので、外を回ることになりましたが、直線はすごい脚でした。クラシックを狙える馬だと思います」
まだまだ粗削りなところはあるものの、裏を返せばさらなる成長を見込めるということだろう。コメント通り、「クラシック」を意識できる走りで重賞初勝利を手に入れた。
これにはライラックを管理する相沢郁調教師も「1600mの馬ではありません。距離は延びるほど良いと思います。能力があるから対応できましたし、あれだけ外を回って差し切るのですから、着差以上の強さでした」と感心。かなりの手応えを感じたようだ。
デムーロ騎手で快勝したものの、師が「今後についてはローテーションや鞍上など、全て未定です」と、次走の鞍上について未定とコメントをしていたことは気になるが、順調なら春の活躍を期待できる1頭となるはずだ。
これに対し、一時は1番人気になりそうなほどの支持を集めながら、3番人気で9着と精彩を欠いたのが、エバーシャドネー(牝3、栗東・藤岡健一厩舎)である。

「スタートして仕掛けていったら少しバランスを崩して、あの位置からに。4コーナーを回って立ち上がりに少し不利を受けましたが、位置が位置でしたから。本質的にもう少し広いコースのほうがいいかもしれません」とは、鞍上・藤岡佑介騎手のコメント。
最内の1枠1番に入ったこともあり、包まれる不利を避けるには、出していくか下げるかしかない状況。藤岡佑騎手も当然そう考えていたようだが、出足がつかないまま、ポジション争いで後れを取った理由には、バランスを崩した影響があった。
最後の直線でも、内へ切れ込んだスターズオンアースに進路を塞がれ、押し込められる不利も……。ただ、コメントからは、不利がなくとも勝ち負けをイメージできる脚は残されていなかったようにも受け取れる。いずれにしても不完全燃焼に終わったことは、間違いない。

「スターズオンアース石橋脩騎手の強引な進路取りもあったとはいえ、マイル戦だけに一瞬の判断が求められる状況では、あれも勝つための手段です。勝負の世界で積極性を欠いた藤岡佑騎手にも原因がないとはいえません。
ただ気になるのは、どことなく透けて見える甘さですかね。『敗因は自分です』くらいの潔さがあれば、次こそ頑張れと思えますが、人によっては“言い訳”っぽく聞こえる敗戦の弁も時折見掛ける気がします」(競馬記者)
ネットの掲示板やSNSでも、レースを観戦した一部のファンから「重賞ではとてもじゃないが買えない」「自分の未熟さを棚上げしてばかり」「乗り替わってからが本番」といった過激な意見も出ていた模様……。石橋騎手による不利に同情するコメントもあったとはいえ、藤岡佑騎手への不満を隠せないファンもいたらしい。
「前日のシンザン記念(G3)を制したマテンロウオリオンに新馬戦で勝利したことも、エバーシャドネー人気に拍車を掛けたようです。藤岡佑騎手のいう通り、中山は合ってなさそうな雰囲気もありましたから、次走で広いコースに出走してくれば、まだまだ見限れませんよ」(同)
馬も含めてのレースだけに、敗戦の責を騎手のみに求めても仕方がない部分もある。
とはいえ、対照的な活躍を見せるデムーロ兄弟と藤岡兄弟を比べるのは、両者のこれまでの実績からしても、少々無理のある話といえそうだ。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。
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