JRA【京成杯(G3)展望】アライバル「血の後押し」で距離延長克服へ!? オニャンコポンはホープフルS(G1)惨敗から巻き返しなるか
16日、中山競馬場では京成杯(G3)が行われる。皐月賞(G1)と同じ芝2000mが舞台で、2010年にはここをステップに皐月賞を使われたエイシンフラッシュがダービー馬に輝いたこともある。
今年の主役候補は、新潟2歳S(G3)2着以来の実戦を迎えるアライバル(牡3歳、美浦・栗田徹厩舎)だ。
昨年6月のデビュー戦では、プルパレイに2馬身半差で快勝。続く新潟2歳Sでは1番人気に支持されたが、内を突いたセリフォスの末脚に屈して2着に敗れた。
秋はノーザンファーム天栄で過ごし、12月中旬に美浦に帰厩。ここを目標にじっくり調整されてきた。唯一先着を許したセリフォスはのちに朝日杯FS(G1)で2着に好走しており、実績的には頭一つ抜けた存在といえるだろう。
カギは前走から一気に2ハロン延長となる初の2000mという距離だろう。過去10年で前走がマイルだった馬は、2頭しか馬券圏内に入っていない。
ただし、鞍上を務めるC.ルメール騎手はデビュー戦勝利後に「距離はもう少し長くても、1800mや2000mでも大丈夫」と話しているように、2000mならぎりぎり許容範囲内だろう。
血統的にも距離克服の可能性は高い。母のクルミナルは桜花賞(G1)2着後のオークス(G1)で3着に健闘。不安視された距離の壁を越えている。
また、ハービンジャー産駒は15年ベルーフと16年プロフェットがこのレースを勝っており、相性は悪くない。あとは初となる右回りをこなせるかどうかだが、ルメール騎手の手腕に期待したい。
オニャンコポン(牡3歳、美浦・小島茂之厩舎)は、前走大敗からの巻き返しを期す。
その愛らしい馬名で話題が先行しがちだが、デビューから2連勝を飾った実力は本物。前走のホープフルS(G1)は11着に敗れたが、内有利な馬場で終始外々を回らされたのも響いた。
前走から中2週と間隔はやや詰まっているが、5日に早くも坂路入り。7日には4ハロン55秒7と速い時計を出している。2度のコース経験を強みにアライバルと2強を形成するか。
父は12年前の京成杯覇者エイシンフラッシュ。産駒はいまだ重賞勝利に届いていないが、オニャンコポンが父に悲願をもたらすことはできるか。
伸び代という点ではヴェールランス(牡3歳、栗東・藤岡健一厩舎)が一番かもしれない。
父は菊花賞(G1)を皮切りにG1通算7勝を挙げた名馬キタサンブラック。初年度産駒からクラシック候補を出しており、本馬もその内の1頭になり得る存在だ。母は16年の桜花賞馬ジュエラーというクラシック血統でもある。
10月中京のデビュー戦は4番人気という評価だったが、好位3番手追走から直線抜け出して勝利。続くエリカ賞(1勝クラス)でも同じく4番人気に甘んじたが、サトノヘリオスとクビ差の2着に入って力を示した。
好位につける先行力を父から、切れ味を母から受け継いでいれば、両親が遂げたクラシック制覇も現実味を帯びてくるだろう。
テンダンス(牡3歳、栗東・中竹和也厩舎)は、前走の東京スポーツ杯2歳S(G2)でイクイノックスの3着という実績がある。半兄のカデナは3歳春に弥生賞(G2)を勝ち、皐月賞でも3番人気に支持された。兄に続き牡馬クラシック路線に乗るためにもここは試金石となりそうだ。
19年の当歳セレクトセールで2億9160万円(税込)という高値で落札された期待馬のホウオウプレミア(牡3歳、美浦・奥村武厩舎)。デビュー2戦目の百日草特別(1勝クラス)では好位追走のオニャンコポンをとらえきれず2着に敗れたが、ここでリベンジを果たせるか。
この他には、伯父に国内外のG1を3勝したアドマイヤムーンがいる良血馬のロジハービン(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)、新馬戦でホウオウプレミアとクビ差の2着だったサンストックトン(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)、美浦坂路で好時計を連発しているディープインパクト産駒のフジマサフリーダム(牡3歳、美浦・菊川正達厩舎)などにも注意が必要だ。
ここを勝ってクラシック路線に名乗りを上げるのは果たしてどの馬か。発走は16日15時45分を予定している。
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