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JRA阪神大賞典(G2)大本命ディープボンドが「孤立無援」の危機!? かつてコントレイル三冠を“絶妙アシスト”、自身は「ノーザン包囲網」突破なるか

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 20日、阪神競馬場では天皇賞・春(G1)の前哨戦、阪神大賞典(G2)が行われる。注目は連覇がかかるディープボンド(牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎)で間違いないだろう。

 3歳春にダービー前哨戦の京都新聞杯(G2)を制し、牡馬三冠クラシックを皆勤。同世代の牡馬では上位の存在だったが、ステイヤーとしてその才能を開花させたのは古馬になってから。ちょうど1年前の阪神大賞典を完勝すると、続く天皇賞・春でもワールドプレミアの2着に入り、一躍長距離界の主役候補となった。

 秋にはフランスに渡り、フォワ賞(G2)を逃げ切り勝ち。続く凱旋門賞(G1)は極悪の重馬場に泣いたが、帰国後初戦の有馬記念(G1)で2着に入り、改めて地力の高さを証明した。

 そして迎える5歳の始動戦。昨年5馬身差の圧勝劇を演じた舞台なら、簡単に負けるわけにはいかないだろう。

 ところが、3番人気だった昨年に比べ、一本被りの人気が予想される今回はそう簡単には事は運ばないという見立てもある。

「有馬記念でエフフォーリアに3/4馬身差で食らいついた実力馬ですからね。この距離で斤量も57kg。勝利に一番近い存在であることは間違いないでしょう。ただし、他馬からのマークはこれまで以上に厳しくなります。

登録馬13頭の生産牧場を見るとその理由が分かります。なんと8頭がノーザンファームの生産馬で、社台ファーム生産馬も3頭います。いわゆる非社台系はディープボンドとサンアップルトンの2頭だけです。前哨戦とはいえ、大本命馬に“ノーザン包囲網”が敷かれる可能性はかなり高いのではないでしょうか」(競馬誌ライター)

 ノーザン包囲網というキーワードで思い出されるのが、2年前のクラシック路線だ。特に印象深いのはディープボンドと同世代のデアリングタクトが勝利したオークス(G1)だろう。

 北海道・日高の小規模な牧場で生産されたデアリングタクトが牝馬クラシック2冠目をかけて臨んだ一戦。道中はノーザンファームや社台ファーム生産馬の徹底マークに遭い、位置取りはやや後方に。直線を向いたところでも狭いスペースに閉じ込められるシーンがあったが、直線半ばで何とか馬群をこじ開けると、そこから鋭く伸びて先頭でゴールイン。見事にノーザン包囲網を突破し、牝馬2冠を成し遂げた。

 そんなこともあり翌週の日本ダービー(G1)でも、コントレイルの2冠を阻止すべく、出走馬の半数(9頭)を占めたノーザンファームの包囲網が敷かれることが予想された。

 ところが、これを結果的に跳ね返す格好となったのがコントレイル、コルテジア、ディープボンドのノースヒルズ軍団だった。

 実際にはコルテジアとディープボンドの2頭がコントレイルをアシストするかのような連係を見せた。道中、コントレイルが好位のイン4~5番手を進むなか、コルテジアはそのすぐ前、ディープボンドは右斜め前方という位置取りは、まるでコントレイルを護衛するかのようだった。

 直線を向くと、前にいた2頭は、当然壁になることもなく、ビクトリーロードを演出。コントレイルの2冠獲得をアシストし、ディープボンド自身も5着に健闘した。

「もちろん、競馬ではあからさまなチームプレーは御法度です。ただ、コントレイルとディープボンドは同じ前田晋二オーナーの所有馬ですし、全力を尽くしつつも、コントレイルが不利になるような動きができないのは当然です。あのダービーでは脚質的にコルテジアとディープボンドが前に行くことは自然の流れでしたし、うまい具合に絶妙なアシストになったということでしょう」(同)

 ノーザンファーム包囲網に対してコントレイルの“アシスト役”を担ったディープボンド。あれから2年近い月日が流れ、今度は自身がノーザンファームに包囲される立場となった。3000mの長丁場で張り巡らされるであろう厳しいマークに、ディープボンドはどのように立ち向かうのだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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