JRA大阪杯(G1)福永祐一「責任転嫁」でファンから集中砲火!? エフフォーリア父が敗れた8年前、武豊との「二強対決」に待ち受けていた屈辱
4月3日、阪神競馬場で開催される大阪杯(G1)は、戦前から早くもエフフォーリアVSジャックドールの一騎打ちムード。G1・3勝を挙げた昨年の年度代表馬と5連勝で今年の金鯱賞(G2)を制した新星の対決は、注目の戦いとなりそうだ。
『netkeiba.com』で公開されている単勝予想オッズによると、エフフォーリアが1倍台の1番人気、対するジャックドールは2倍台の2番人気。レイパパレをはじめとした3番人気以下のオッズは2桁台となっており、ほぼ完全に2強一色となりつつある。
そこで振り返ってみると、過去10年の大阪杯で1倍台の1番人気と2倍台の2番人気が激突したのは2回ほどある。直近だとコントレイルとグランアレグリアが出走した昨年だが、レースを制したのは4番人気の伏兵だったレイパパレ。2着にも6番人気のモズベッロが入り、コントレイルは3着に敗れた。
もう一つは、エフフォーリアの父エピファネイアが1番人気に推された2014年の大阪杯である。当時はまだG2時代のことだが、この年の2番人気は武豊騎手のキズナ。3番人気に前年の牝馬G1を3勝した武幸四郎騎手(現調教師)のメイショウマンボが続いた。
クラシックで互いに鎬を削ってきたライバル2頭の対決は大いに盛り上がったが、2頭の明暗を分けたのは、武豊騎手と福永祐一騎手の考え方の違いだったかもしれない。
8頭立ての少頭数で争われた芝2000mのレースで武豊騎手とキズナのコンビは、いつも通り後方待機策を採った。
しかし、福永騎手のエピファネイアも同じく後ろからの競馬をしたことは、意外に映ったファンも少なくなかっただろう。
なぜならディープインパクト産駒の特徴でもある切れる脚を武器とするキズナに対し、シンボリクリスエス産駒のエピファネイアは、長くいい脚を使うのが特徴。2着に敗れた前年の日本ダービー(G1)で差し切られた相手に、切れ勝負を挑むメリットもないように思われたからである。
逃げたカレンミロティックが刻んだラップは1000m通過60秒5の平均的なものだったとはいえ、3番手までの前3頭と後ろの5頭の間には10馬身以上の差。逃げた馬が平均だったなら、当然それより大きく離れた後ろの馬にとっては、超スローペースも同然の流れとなった。レースを観ているファンも、2強が揃って後ろにいる展開にハラハラしたことは間違いない。
だが、武豊騎手がゴーサインを出してからのキズナは切れに切れた。4コーナーを最後方の位置から進出すると、桁違いの切れ味で前を行く馬を飲み込んでいく。一足先に抜け出していたトウカイパラダイスをあっさり交わし去り、見事な差し切り勝ちを決めた。
「いいレースが出来ました。自分のリズムとペースでレースをしたら、一番後ろからになりました」
会心の勝利を振り返った武豊騎手にしてみれば、あくまでパートナーのリズムとペースを優先した結果の後方待機策ということだろう。
対するエピファネイアは、ファンが危惧した通りの切れ負けで3着に敗れた。後方から追い上げたものの、勝ち馬との瞬発力の差は歴然。ライバルに完敗するどころか、伏兵のトウカイパラダイスにも遅れを取ってしまった。ゴール前の脚色からも、先行策なら2着は外さなかったようにも思えた敗戦だった。
レース後のコメントで「悲観はしていません」と前を向いた福永騎手だが、「メイショウマンボが動ける感じではなかったので……」と弁明したこともまずかった。
ネットの掲示板やSNSなどでは、一部のファンから「酷い自作自演」「人のせいにするな」「キズナの土俵で勝てるはずがない」といった厳しい突っ込みで集中砲火を浴びることとなった。
両雄並び立たずとは昔からよく言われるが、今年の大阪杯で人気を分ける2頭は、ファンの期待に応えることが出来るだろうか。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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