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JRA【マイラーズC(G2)展望】カラテ中心も「エア軍団」2頭に要警戒、群雄割拠「マイル路線」を象徴する大混戦!

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カラテ 撮影:Ruriko.I

 24日、阪神競馬場ではマイラーズC(G2)が行われる。グランアレグリアが昨年引退し、次代を担うとみられたシュネルマイスターは、3月のドバイターフ(G1)で8着に敗れた。現在のマイル界は群雄割拠の時代に突入。覇権争いは混沌としている。

 今年のマイラーズCはそれを象徴するような大混戦となりそうだが、実績的に一歩リードしているのがカラテ(牡6歳、栗東・辻野泰之厩舎)だろう。

 4歳夏の時点では17戦1勝という平凡な1勝クラスの馬だったカラテ。ブレークのきっかけとなったのが菅原明良騎手とのコンビ結成だった。4歳6月に初コンビで初勝利を挙げて以降、「4-2-1-3」という好相性を誇る。

 昨年の東京新聞杯(G3)で人馬ともに重賞初勝利を飾ると、今年はニューイヤーS(L)1着、東京新聞杯3着、中山記念(G2)2着と安定した走りを続けている。

 前走後は高橋祥泰厩舎が定年によって解散。転厩先となったのは、開業2年目の辻野泰之厩舎だった。

 拠点を美浦から栗東へと移し、迎えるのは初めてとなる阪神競馬場での一戦。昨年は体調が整わずブービー負けを喫した安田記念(G1)に向けて、是が非でも取っておきたいタイトルだろう。

 実績的にはカラテに劣るが、勢いという点では負けていない「エア軍団」の2頭がなんとも不気味だ。

 エアロロノア(牡5歳、栗東・笹田和秀厩舎)は、祖母が秋華賞馬のエアメサイア、その母がオークス(G1)2着のエアデジャヴー。さらに近親には2冠馬エアシャカールや現役で活躍中のエアスピネルがいる。まさに筋金入りの“エア”血統といえるだろう。

 マイラーズCには昨年に続き2度目の出走。1年前は、3連勝中の勢いが評価され1番人気に支持されたが、スタートで後手を踏むと、直線伸びきれず5着に敗れた。

 その後は3走前のリゲルS(L)と前走の六甲S(L)を勝利しているが、2走前の京都金杯(G3)では、やはり1番人気を裏切り6着。重賞の壁が大きく立ちはだかっている形だ。突出した存在がいない今回は、この殻を突き破る絶好のチャンスだろう。

「エア軍団」のもう1頭がエアファンディタ(牡5歳、栗東・池添学厩舎)である。

 同じエア冠名でもこちらは血統表に“エア”が1頭もいないアメリカ生まれの外国産馬だ。ただし父は日本で走っていたハットトリック。2005年にマイルCS(G1)と香港マイル(G1)を連勝した一流マイラーで、引退後はアメリカで種牡馬入りし、海外各地で産駒が活躍している。日本での出世頭がこの馬である。

 同じくアメリカ生まれで2歳上の兄エアアルマス(父マジェスティックウォリアー)は、20年東海S(G2)を制するなど、芝とダートの短距離を中心に活躍。本馬はキャリア14戦中13戦で芝のマイルに特化して使われてきた。

 オープン昇級2戦目となった前走の洛陽S(L)では、実力馬ダーリントンホールをゴール直前で交わして優勝。重賞初挑戦の舞台は走り慣れた阪神芝1600mとなる。父は05年と07年のマイラーズCに出走しているが、いずれも着外に敗れている。父に代わって「三度目の正直」はなるか。

 今回と同コースで重賞勝利の経験がある4歳牡馬2頭も勝機をうかがう。

 昨年4月のアーリントンC(G3)を制したホウオウアマゾン(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)は、前走・東京新聞杯で直線伸びを欠いて12着に大敗。得意の阪神に戻って巻き返しを期す。

 2歳秋にデイリー杯2歳S(G2)を制したレッドベルオーブ(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)は、長期休養明け2戦目。前走後は体調を崩すなど、まだ状態には不安が残るが、2戦連続レコードVを果たした2歳当時のパフォーマンスを発揮できれば、ここでも勝負になるだろう。

 ファルコニア(牡5歳、栗東・高野友和厩舎)は、2走前の洛陽Sでエアファンディタの3着、前走・六甲Sはエアロロノアの2着と、上位陣との力差はほぼない。2週連続で重賞を制している川田将雅騎手の手綱さばきにも注目したい。

 この他には、昨年のスプリングS(G2)覇者ヴィクティファルス(牡4歳、栗東・池添学厩舎)、3連勝中の上がり馬ソウルラッシュ(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)、昨年の当レース覇者ケイデンスコール(牡6歳、栗東・安田隆行厩舎)などが出走を予定している。

 混沌とする古馬マイル路線に新たなマイル王候補は現れるか。注目のマイラーズCは24日の15時35分に発走を予定している。

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