真剣勝負の裏にある真実に斬り込むニュースサイト・GJ
GJ
真剣勝負の真実に切り込むニュースサイトGJ
NEW
2017.10.30 08:30
武豊が「勝負の鬼」と化した天皇賞・秋。華麗さを捨て後輩騎手に”タックル”してでも勝ちに行った執念と覚悟
文=浅井宗次郎

「勝たなきゃいけない馬。そう思っています」
29日の天皇賞・秋(G1)に向けた共同記者会見の席で、キタサンブラックの主戦・武豊騎手は、そう力強く宣言した。その言葉はまるで、自分を奮い立たせているようにも見えた。
ファン投票で2009年のウオッカ以来となる10万票超えを果たすなど、圧倒的な支持を集めながら、単勝1.4倍で9着に惨敗した6月の宝塚記念(G1)。史上初の春古馬3冠と共に、夢である凱旋門賞制覇の希望が砕け散った。
あれから約4カ月間、武豊騎手にとって悪夢のようなレースの敗因は、様々なメディアによって何度も何度も蒸し返された。主戦騎手は馬が生き物である限り、明確な”答え”などない世界で、これまでしてきたように嫌な顔一つせず、何度も何度も生真面目に応え続けた。
その男は、それがスターホースに跨る者の「宿命」であることを誰よりも知っていた。
迎えた天皇賞・秋当日。降りやまない雨の中、5万2000人が詰めかけた東京競馬場のスタンドには傘の花が咲いた。キタサンブラックの単勝オッズは3.1倍。この中間、数多くの”不安説”が囁かれ、強い逆風が吹いていたものの、現役最強馬は1番人気で踏みとどまった。共同会見の「ファンの多い馬ですから。やはりファンの方に喜んでもらいたい」という言葉が思い起こされた。
「もう一度、この馬の強いところを、勝つところを絶対にまた見せなければならない」
そう誓って挑んだレースだったが”試練”はいきなり訪れた。キタサンブラックが出遅れたのだ。武豊騎手が「扉に突進して、下がった時に(ゲートが)開いてしまいました」と話した通り、人馬共に抜群のスタートセンスが売りだったコンビが、まさかの出遅れとなった。
PICK UP
Ranking
11:30更新
【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
毎日王冠(G2)リアルスティール「使い捨て」に調教師が激怒!? 「スキャンダル王」デムーロの指示無視に「いくらなんでも……」
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛- JRAデムーロ「サートゥルナーリア交代」の裏に「究極の選択」? あの名物オーナー馬との関係
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 武豊「世界レベルでやれる馬」海外重賞ウイナーと再コンビ決定! 気になる「主戦」川田将雅の動向は?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「組織力にやられた」武豊が潰された有馬記念。安藤勝己氏も指摘した「影の主役」と、日本競馬に馴染みのない文化に賛否両論
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
















