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武豊が「勝負の鬼」と化した天皇賞・秋。華麗さを捨て後輩騎手に”タックル”してでも勝ちに行った執念と覚悟

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武豊が「勝負の鬼」と化した天皇賞・秋。華麗さを捨て後輩騎手にタックルしてでも勝ちに行った執念と覚悟の画像1

「勝たなきゃいけない馬。そう思っています」

 29日の天皇賞・秋(G1)に向けた共同記者会見の席で、キタサンブラックの主戦・武豊騎手は、そう力強く宣言した。その言葉はまるで、自分を奮い立たせているようにも見えた。

 ファン投票で2009年のウオッカ以来となる10万票超えを果たすなど、圧倒的な支持を集めながら、単勝1.4倍で9着に惨敗した6月の宝塚記念(G1)。史上初の春古馬3冠と共に、夢である凱旋門賞制覇の希望が砕け散った。

 あれから約4カ月間、武豊騎手にとって悪夢のようなレースの敗因は、様々なメディアによって何度も何度も蒸し返された。主戦騎手は馬が生き物である限り、明確な”答え”などない世界で、これまでしてきたように嫌な顔一つせず、何度も何度も生真面目に応え続けた。

 その男は、それがスターホースに跨る者の「宿命」であることを誰よりも知っていた。

 迎えた天皇賞・秋当日。降りやまない雨の中、5万2000人が詰めかけた東京競馬場のスタンドには傘の花が咲いた。キタサンブラックの単勝オッズは3.1倍。この中間、数多くの”不安説”が囁かれ、強い逆風が吹いていたものの、現役最強馬は1番人気で踏みとどまった。共同会見の「ファンの多い馬ですから。やはりファンの方に喜んでもらいたい」という言葉が思い起こされた。

「もう一度、この馬の強いところを、勝つところを絶対にまた見せなければならない」

 そう誓って挑んだレースだったが”試練”はいきなり訪れた。キタサンブラックが出遅れたのだ。武豊騎手が「扉に突進して、下がった時に(ゲートが)開いてしまいました」と話した通り、人馬共に抜群のスタートセンスが売りだったコンビが、まさかの出遅れとなった。

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