武豊との「北米クラシック挑戦」色あせず……ベルモントS3着の偉業、ラニが引退、種牡馬入り
ラニ(JBISサーチ公式サイトより)武豊とともに昨年の米クラシック三冠を完走、最終戦のベルモントSでは3着に入ったラニが、引退することがわかった。
ラニは2015年9月に競走デビューを飾り、4戦2勝で2歳戦を終える。3歳に入るとヒヤシンスS5着を挟んで、ドバイのUAEダービーに挑戦。出遅れながらもユウチェンジを抑え勝利。これにより、米クラシックのケンタッキーダービー出走を手にする。
陣営は最初から米国参戦を見据えていたようで、武豊騎乗でケンタッキーダービー挑戦を決定。本番では米国ダートのスピードに苦しめられながらも、後方からの伸びを見せ20頭中9着。
続くプリークネスSでも同様のレースを見せ11頭中5着と善戦。使うごとに状態がよくなる馬で「ここが一番合う」と米クラシック最長距離、2400mのベルモントS参戦を決めた。
ベルモントSでは、これまでと同じように後ろからのレースとなったが、他馬が伸び悩む中、最後の直線での脚色は鋭く、あわやの3着。現地実況も同馬の名前を叫ぶなど、見せ場十分のレースぶりで米クラシックの旅を終えた。
その後は国内で6戦、ドバイでも2戦を使うが勝利を得ることはできず、今年のブラジルC5着を最後に引退となった。
ラニのアメリカ挑戦は、北米ダートと日本ダートの「距離」をしっかりと見据える上で非常に歴史的な出来事であり、日本からケンタッキーダービー挑戦の可能性を上げる「JAPAN ROAD TO THE KENTUCKY DERBY」の設立にも寄与。何より、競馬ファンに北米クラシックを当事者的に楽しませてくれた初めての馬でもある。持ち前のタフさ、北米寄りの血統がなせる業だったのかもしれない。
今後ラニに続く挑戦者がどんどん現れてほしい。武騎手との印象的なコンビは、競馬史にしっかりと刻まれるはずだ。今後は北海道新ひだか町のアロースタッドで種牡馬入りするとのことだ。
PICK UP
Ranking
11:30更新
「正直なところ辟易としています」武豊が巻き込まれた29年前のアイドルホース狂騒曲…レース前に明かしていた「コンビ結成」の裏話
「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
JRA調教師の目標は「餌やり」からの卒業!? 競馬界の「影の王」ノーザンファーム外厩大成功に存在意義ズタズタ……- エアスピネル降板に武豊騎手は「何」を思う……8年前、すべてを手にしてきた天才騎手が”最大級”の屈辱を味わった「ウオッカ事件」とは
- JRA有馬記念(G1)「伝説の逃走劇」はキタサンブラックでも、ダイワスカーレットでもなく、あの馬!? 前走4馬身圧勝から狙うレジェンドの再現
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 高知競馬10年間で「売上10倍」の快挙! かつてハルウララ騎乗の武豊騎手が「悲惨」と憂いた競馬場が「時代の風」に乗る
- JRA「パワハラ裁判」木村哲也調教師が復帰。大塚海渡騎手への暴言、暴力行為による調教停止処分から約3か月…若手実力派調教師の汚名返上に期待
- 【香港C(G1)展望】BC制覇の偉業から1か月、ラヴズオンリーユー有終の美へ!レイパパレはC.スミヨンと新コンビ、最大のライバルは最高レーティングの英国馬
- 天才の息子・福永祐一は何故「天才」と呼ばれないのか? 「漁夫の利」に集約されたシュヴァルグランでの「決意」に落胆
















