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武豊が「勝負の鬼」と化した天皇賞・秋。華麗さを捨て後輩騎手に”タックル”してでも勝ちに行った執念と覚悟

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 当時の桜花賞が行われた旧阪神も、今回の天皇賞・秋も、共にスタートして間もなくコーナーに入るインが有利なコース。結果的にキタサンブラックの最大の勝因となる今回の進路取りも、武豊騎手にとっては豊富な経験が導き出した咄嗟の正着手だったのだろう。

 また、武豊騎手がキタサンブラックをインコースに潜り込ませたことには「2つ」のメリットがあった。

 1つは、ここ数日の雨により馬場が悪化していたため、各馬が内を避け、馬が渋滞していなかったこと。そして、もう1つは最も警戒すべき最大のライバル・サトノクラウンが、1枠2番から内々を回る公算が高かったことだ。

 言い換えれば、サトノクラウンについて行けば「自然に進路が生まれる」可能性が高かったということだ。実際に武豊騎手は、最後の直線に差し掛かる直前までサトノクラウンを執拗にマークし続けている。

 出遅れたにもかかわらず、最後の直線入り口では先頭に並び掛けているキタサンブラックの”ワープ”のカラクリは、ここにあった。少なくとも筆者は「キタサンブラックが『追い込んできた』」という実況をこれまで聞いたことがなかった。

 だが、この最後の直線入り口で、武豊騎手にすれば珍しく強引な進路取りを試みている。ちょうど先日の富士Sを制したエアスピネルのように、走りやすい馬場を求めて外側に進路を取るのは当然だ。だが、その際に隣を走っていたグレーターロンドンと馬体が接触しているのだ。

 無論、レース後に田辺騎手が「早めに動きましたが、直線は脚がありませんでした」と語ったようにグレーターロンドンの手応えはすでに怪しくなっており、この”タックル”が最大の敗因というわけではない。

 しかし、まさに「エスコート」と呼ぶに相応しい、巧みな進路取りを身上とする武豊騎手にしては珍しい。それだけ追い詰められており、例え華麗さを捨て、勝負の鬼になってでも「勝つ」という、このレースに懸ける意気込みの強さが伝わってくるシーンだった。

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