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ゴールドシップ、テイエムオペラオー、ダイワメジャーらが撃沈……福永祐一の日本ダービー(G1)3連覇はいばらの道

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ジオグリフ

 いよいよ今週日曜に東京競馬場で競馬の祭典・日本ダービー(G1)が開催される。

 世代の頂点を決める大一番に、唯一3冠の挑戦権を持って臨むのが皐月賞(G1)を制したジオグリフ(牡3歳、美浦・木村哲也厩舎)だ。

 同馬は、昨年9月に札幌2歳S(G3)を勝利し早々に重賞ウィナーとなる。ただ、続く朝日杯FS(G1)、共同通信杯(G3)を連敗した事で、皐月賞(G1)は5番人気での出走となった。しかし、初コンビとなった福永祐一騎手を背にイクイノックスやドウデュースら世代屈指の実力馬を下してクラシック初戦を見事勝利で飾っている。

 そして、クラシック第2戦となる日本ダービーを勝利すると、同じく福永騎手が主戦だったコントレイル以来となる2冠達成、さらには3冠への切符を手にする。

 ただ、これまで数多くの皐月賞馬が日本ダービーでは辛酸を舐めており、ジオグリフの偉業達成はそう簡単ではなさそうだ。

ジオグリフの二冠達成は16%?

 

 これまで皐月賞と日本ダービーの2冠を達成したのは過去24頭。その中にはナリタブライアンやディープインパクトなど錚々たる面々が名を連ねる。これらの馬の多くが皐月賞、ダービーで1番人気に支持されており、これがジオグリフにとっては高い壁になりそうだ。

 過去の傾向を見てみると、皐月賞を単勝2番人気以下で勝利し、続く日本ダービーに挑んだ馬は延べ24頭いる。その内、日本ダービーも制して2冠馬となれたのはドゥラメンテやオルフェーブルなど僅かに4頭のみ。その勝率は16%と狭き門となっている。

 一方で皐月賞を1番人気で勝利した馬の、日本ダービーでの勝率は66%と前者とは大きな開きがあり、やはり皐月賞の時から既に高い支持を受けている馬の方が2冠を達成できる確率が高いことがわかる。
 
 2番人気以下の支持で皐月賞を勝ちながら日本ダービーでは敗れてしまった馬の中には、G1を6勝しファンから絶大な人気を誇ったゴールドシップもいる。

 同馬は前哨戦の共同通信杯(G3)で後にG1馬となるディープブリランテ、スピルバーグを下し優勝。本番の皐月賞では4番人気でレースに挑んだ。レースでは、4コーナーで各馬が馬場の荒れたインコースを嫌って外へ進路をとる中、1頭だけ内側を突く、まるで”ワープ”のような内田博幸騎手の好騎乗が今でも語り草だ。しかし、日本ダービーでは共同通信杯で下したディープブリランテの後塵を拝し2冠達成とはならなかった。

 また、その他にも当時の歴代獲得賞金世界記録、国内G1最多勝記録に並んだテイエムオペラオー。さらにM.デムーロ騎手、安藤勝己元騎手とのコンビでG1・5勝を挙げたダイワメジャーなども、同じく下馬評を覆し皐月賞を制しながら日本ダービーでは敗れている内の1頭だ。

 ジオグリフは、これらの馬達でも成し得る事が出来なった高い壁を突破することが出来るのか。同馬が歴史に名を連ねる程の馬になれるかが試される1戦になる。同馬のポテンシャルと、福永騎手の手腕に大いに期待したい。

(文=椎名佳祐)

<著者プロフィール>
 ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。

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