
JRA西山茂行オーナーよもやの「物言い」に反論!? 武豊と勝浦正樹で“究極”の選択、「ガチ競馬」で分かれた明暗
2日、函館競馬場で行われた2歳・新馬戦(ダート1000m)は、ニシノシークレット(牡2、美浦・村田一誠厩舎)が1番人気に応えるデビュー勝ち。2着ワタシダケドナニカに5馬身の差をつける圧勝を飾った。
ニシノシークレットは父リーチザクラウン、母ニシノラピートという血統。同馬を所有しているのは『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)で人気のニシノフラワーやセイウンスカイなどでお馴染みの西山茂行オーナーだ。
名伯楽はオフィシャルブログにて「上から下まで西山血統。夢の広がる素晴らしい勝利でした。涙が出そう」と更新。思い入れの深い血統ということもあって、愛馬のデビュー勝ちに喜びを爆発させていた。
その一方で、このレースには西山オーナーの所有馬が2頭出走していたことでも注目を集めていた。
もう1頭は武豊騎手を鞍上に迎えたニシノシャイニング(牡2、美浦・中野栄治厩舎)。好スタートを決めて楽勝したニシノシークレットとは対照的に後方のまま6着に大敗してしまった。同じ「ニシノ」の馬でも明暗の分かれる結果だったといえる。
1番人気のニシノシークレットに対しこちらは4番人気。両馬の人気を考えれば順当な決着だったようにも感じられる。
しかし、Twitterでもファンに所有馬の情報などを発信し、ファンとフランクなやりとりをしている西山オーナーだけに、6月30日にツイートした「勝浦対武豊はどう見ても格が違う。武豊さまに任せました」という発言が思わぬ誤解を生んだのかもしれない。
その結果、一部のファンから思わぬ“物言い”がついてしまった。
勝浦正樹騎手と西山オーナーとの親しい間柄を知っていれば、“愛のあるイジり”と何となく察しも付くが、競馬界のレジェンドともいわれる武豊騎手と勝浦騎手の実績には大きな開きがある。
それだけにこの文言だけで判断してしまうと、見方によっては武豊騎手を乗せたニシノシャイニングの方に期待しているのではないかという受け取り方もできなくはない。
だが、レースでは勝浦騎手が騎乗したニシノシークレットが圧勝。先述の発言もあくまで「騎手2人」の格が違うという意味だったことが伝わる結果である。西山オーナーとしては2頭とも大事な所有馬であり、レースに出走するからにはどちらも勝利を願ってのものだったことは間違いない。
西山茂行オーナーが「物言い」に反論!?
ただ、こちらについては西山オーナーから非常にわかりやすい説明もあった。
Twitterの発言を引用すると「レース前の打合せ。1番ニシノシャイニングは出足が速いからハナに行ったら2番手か3番手に付けて逃げ切られたら仕方ない競馬を頼む。ところが1番がダッシュがつかない。そうなったら勝浦も行くしかない。印象操作もクソも無い、ガチ競馬でした(原文ママ)」とのこと。
どうやら当初のレースプランでは武豊騎手のニシノシャイニングを先に行かせて、その後ろにニシノシークレットがつけるイメージだったようである。ただでさえ、テンから飛ばしていかなければならないダート1000mなのだから、勝浦騎手としても迷っている暇はなかったはず。そう考えるとこの結果も納得がいく。
“ガチ競馬”の西山オーナーとしては、一部のファンから受けた想定外の突っ込みだったといえるだろう。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
PICK UP
Ranking
11:30更新「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
アドマイヤ軍団が「G1・45連敗」武豊と絶縁し「40億円」と引換えに日本競馬界フィクサーの”逆鱗”に触れた凋落の真相?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 有馬記念に続き東京大賞典も「記憶力」が決め手…最強フォーエバーヤングから絞りに絞った2点で勝負!
- 交通事故で乗り合わせたすべての馬が死亡……度重なる危機を奇跡的に乗り越え、最後は年度代表馬に。人知を超えた「奇跡の馬」サンデーサイレンス【前編】
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 「警報級大雨のち傘マーク」はドウデュースに試練? 「重馬場濃厚」の宝塚記念(G1)で注目したい道悪巧者
関連記事
JRA元祖「5億円ホース」に迫る“逆襲”へのタイムリミット……第2のキャリアを終えた超良血馬が叶えたい大逆転のドラマとは
JRA「どう見ても格が違う。武豊さまに任せました」西山茂行オーナーの“いじり”は愛と配慮あってこそ!? あのベテラン騎手の発奮に期待!
JRA「勝ち馬が強かった」川田将雅、武豊、福永祐一もお手上げ!? “伝説の新馬戦” を制したC.ルメールは「いい勉強になりました」と余裕綽々
JRA「弾けました」低評価を覆す豪脚一閃で先行勢を一掃! 宝塚記念(G1)激走、故・岡田繁幸さん素質見抜いた「逆輸入」種牡馬にブレイクの予感
池添謙一「圧勝ムード」からノーステッキで逆転負け…「単勝1.8倍」敗戦にファンから疑問の声