札幌記念「単勝1.6倍」大本命まさかの敗戦も、ノーザンファームの「思惑」は…
毎年「真夏の祭典」として、大きな注目を集める札幌記念(G2)。
今年も昨年の最優秀3歳牝馬ソダシを筆頭に、ドバイターフ(G1)を勝ったパンサラッサ、大阪杯(G1)で2番人気に支持されたジャックドールなど、秋のG1戦線を見据えた豪華メンバーが集った印象だ。
そんなG1級の有力馬たちが顔をそろえた一方で、このレースに懸ける「本気度」という意味で一日の長があるのが、夏競馬の風物詩サマー2000シリーズ制覇を狙う格下の馬たちだ。
今年もハヤヤッコを筆頭にサンレイポケットなど、同じ北海道シリーズの函館記念(G3)の出走馬が毎年のように転戦している。
サマー2000シリーズの優勝賞金5000万円は、「億」が珍しくない競馬の世界で特別目立ったものではない。だが、例えば札幌記念の1着賞金7000万円と合わせれば1億2000万円になるように、G1ではやや厳しいと見られている格下の馬の陣営にとっては、非常に魅力的なチャンスと言えるだろう。
無論、ハンデ戦のG3函館記念と比べて別定戦のG2札幌記念ではメンバーレベルが大きく上がるため2006年のシリーズ創設以降、両レースを連勝したのは2013年のトウケイヘイローだけという厳しい現実がある。
しかし、そんな「本気度」の差が、時として誰も想像していなかった「大番狂わせ」を起こすことがあるのが競馬だ。2016年の札幌記念(G2)は、まさにその典型的なレースとして、多くのファンの記憶に残っているに違いない。
この年の札幌記念の主役は、間違いなくモーリスだった。
2015年の年度代表馬であり、15年から16年に掛けてG1・4連勝を含む怒涛の7連勝。海外帰りで状態がイマイチだった前走の安田記念(G1)で連勝が止まったが、貫禄の2着は「負けてなお強し」といった印象だった。この札幌記念でも、単勝1.6倍という圧倒的な支持を集めていた。
そして、そんな絶対王者にまさかの苦杯を舐めさせたのが、ネオリアリズムだ。後に香港のクイーンエリザベス2世C(G1)を勝つような実力馬だけに、今から振り返ると決してあり得ない勝利ではない。
だが、当時は完全に格下の存在。重賞未勝利どころか、4走前に3勝クラス(当時1600万下)を卒業してからは中山金杯(G3)7着→小倉大賞典(G3)3着→函館記念(G3)6着と重賞の壁にぶち当たっていたような馬だったのだ。
ましてや、札幌記念はハンデ戦ではない。モーリスとネオリアリズムが同じ57kgで走って後者が勝つシナリオを描けたのは、全国の競馬ファンでも本当にごく少数だったのではないだろうか。
しかし、その一方でこの歴史的波乱のあった札幌記念でネオリアリズムに「◎」を確信の大本命とし、三連単2万2060円を的中させた猛者がいる。
それが業界屈指のプロ予想家集団『ホースメン会議』である。
一体何をどうすれば、前年の年度代表馬を相手に、完全に格下といえたネオリアリズムを本命にすることができたのか。『ホースメン会議』の関係者に当時を振り返ってもらった。
「懐かしいですね。確かにあの時、弊社はモーリスではなく、ネオリアリズムを本命に据えたことで、お客様からも大きな反響がありました。ただ、その声の多くはお褒めの言葉ではなく、どちらかと言えば『本当にモーリスじゃなくて大丈夫なのか』という不安の声が多かったように思います。中には『真面目に予想してくれ』といったお叱りの言葉も……(笑)。
お客様としては弊社の予想に期待して投資してくださっている以上、あまりにも突拍子もない結論だったということでしょう。それだけ、当時のモーリスは絶対的な存在だったということです。
ただその分、レース後の反響はさらに大きかったですね。弊社の情報から良い的中が出た際は、よくお客様から感謝のメールやお言葉を頂戴していますが、その時はスタッフが対応しきれないほどで……。札幌記念には、いい思い出が多い印象です」(ホースメン会議関係者)
当時の絶対王者モーリスに逆らっただけでなく、本命に挙げたネオリアリズムが2馬身差で完勝したのだから『ホースメン会議』の予想に乗った人たちから大きな反響があったことは容易に想像できる。
それにしても、何故ネオリアリズムを本命に考えることができたのだろうか。
「前年にネオリアリズムが札幌の自己条件で2連勝していたように、高い洋芝適性があったことは、皆さんもご存知だと思います。その上で弊社が本馬を本命視した大きな理由は2つ。1つは陣営の『期待の高さ』、もう1つはこのレースに懸ける『本気度』でした。
実は、モーリスとネオリアリズムは同じ堀宣行厩舎の管理馬だった上に同世代なのですが、前者がキャリア16戦目でこの札幌記念を迎えた一方で、後者も15戦目。5歳という年齢を鑑みれば両馬とも非常に大事に使われていますし、それはすなわち陣営の期待度の表れでもあります。
言い換えれば、当時まだ重賞さえ勝ってないネオリアリズムは、すでに年度代表馬になっていたモーリスと同じくらい大事にされていたということです。
その期待が正解だったのかは、後のネオリアリズムの活躍を見れば明らかですよね。モーリスもそうですが、キンシャサノキセキや、ジャガーメイルなど堀厩舎は素質のある馬は大事に育てて古馬になってから開花させる傾向があります。最近では宝塚記念(G1)で2着したヒシイグアスなんかも堀厩舎らしい馬だと思いますね。
また、当時のネオリアリズムからは札幌記念に懸ける『本気度』がヒシヒシと伝わっていました。例えば、伏兵の1頭に過ぎないにもかかわらずC.ルメール騎手に依頼したこと、そして函館記念から約1か月の出走にもかかわらず、馬体重を大幅に絞ってきた(-18kg)ことなどは、わかりやすい理由ではないでしょうか」(同関係者)
関係者の話を聞けば聞くほど、今更さらながら当時のネオリアリズムが「絶好の狙い時」だったことがわかる。しかし、それがモーリスに勝てる理由にならないことは言うまでもないだろう。相手はG1を4連勝した前年の年度代表馬である。
「実は、弊社はモーリスがネオリアリズムを高い確率で捕らえ切れないであろうことを事前に掴んでいました。
先ほどお話しした通り、ネオリアリズムの充実ぶりも然ることながら、モーリスにとってこの札幌記念は秋の天皇賞を見据えた、言わば2000mの試走。キャリア最低着順(7着)に敗れた京都新聞杯(G2)以来となる2000m以上への挑戦でした。
つまり、単純に勝ちに行くだけなら、早めにネオリアリズムを捕まえに行けばいいだけですが、モーリス陣営にとって最大の目的は勝つことではなく、この距離でしっかり折り合えるかということだったというわけです。
あとは余談ですが、モーリスとネオリアリズムが同じ厩舎で、かつ同じノーザンファーム系に属する馬だったという点も、この結論に至る材料になっています」(同関係者)
確かにレース後、まんまと勝ちをさらったルメール騎手が「ペースメーカーがいないなと思って、逃げてリラックスして走れればと思っていた」「モーリスはマイル向きの瞬発力があるので、そのあたりも考えたペースで運びました」と言えば、モーリスに騎乗していたJ.モレイラ騎手は「折り合いはついていましたし、スムースな競馬は出来ました」と得るものがあったことを強調している。
また関係者が話す通り、ネオリアリズムはノーザンファーム系の一口馬主クラブ・キャロットファームの所属馬であり、モーリスもノーザンファームの吉田勝已代表の妻にあたる吉田和美氏の所有馬。こういった背景も、両馬の作戦に微妙な影響を与えていたということだろう。
これらはあくまで当時の札幌記念で『ホースメン会議』が把握していた情報の一部に過ぎないのだろうが、これだけを見ても「ネオリアリズム→モーリス」という組み合わせが“鉄板”のように思えてくるのは筆者だけだろうか。正直、あの時にタイムスリップしたい気分だ。
ただ今後、つまりは今年の札幌記念が行われる今週末からでも、我々が『ホースメン会議』の見解を知ることができるのは、朗報以外の何物でもないだろう。何故なら、現在『ホースメン会議』は、新規の方に限り「無料」で札幌記念の買い目を人数限定開放するからだ。
「今回は競馬ファン拡大の特別企画として、特別に【札幌記念・プロの3点勝負】の買い目を無料で公開することになりました。我々も競馬関係者の立場であり、競馬人気の向上に協力できればと考えています。是非この機会に、創業41年ホースメン会議の実力を知っていただければ幸いです」(同関係者)
『ホースメン会議』は、かつて「競馬の神様」と呼ばれ、競馬予想の礎を作ったと言っても過言ではない大川慶次郎氏が創設した競馬予想会社の老舗中の老舗だ。今年で社歴41年という一般的にも膨大な歴史を持つ会社だが、それだけ長く健在であるのは当然、これまで「それだけの実績」を積み上げてきたからだろう。
ネオリアリズムとモーリスを管理する堀調教師は当時マスコミ嫌いと言われていた。だが、創業41年の『ホースメン会議』クラスになれば関係ないということだ。
今年の札幌記念は、かつてのモーリスのような抜けた馬はいないものの、その分予想が難解であり、そして「当たった際の配当」が期待できる。自力で予想するのが競馬の大きな醍醐味の1つだが、「無料」でプロの情報をゲットできるチャンスを逃すのも癪というものだ。
なんだか「裏技」のようで、真面目に予想している全国の競馬ファンに悪い気もするが、たまにはプロの力を借りて的中の快感を味わってみるのもいいかもしれない。
CLICK→無料公開!【札幌記念・プロの3点勝負】ホースメン会議
※本稿はPR記事です。
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