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【キーンランドC(G3)展望】武豊×エイティーンガールがコンビ復活!相手は川田将雅×トウシンマカオか

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 28日、札幌競馬場では電撃の6ハロン戦、キーンランドC(G3)が行われる。武豊騎手が過去2年の屈辱を晴らせるかに注目したい。

 2年前はダイアトニックで、昨年はメイケイエールで、ともに1番人気に支持されながら、馬券圏外に沈んだ武騎手。今年は2年前の当レース覇者エイティーンガール(牝6歳、栗東・飯田祐史厩舎)とのコンビで臨む。

 この人馬がコンビを組むのは実に2年8か月ぶり。前回は19年12月のファイナルS(3勝クラス)で、鞍上が見事な手綱さばきを見せ勝利に導いた。それ以前にも何度かコンビを組んでおり、コンビ通算成績が4戦2勝、2着1回なら相性抜群といっていいだろう。

 武騎手は過去2年の当レースで苦い思いをしているが、エイティーンガールは連覇を狙った昨年も7番人気ながらレイハリアにアタマ差の2着に頑張っている。6歳を迎えたが、昨年11月の京阪杯(G3)でも豪脚が炸裂しているように嵌ったときの破壊力に衰えはない。

 展開待ちの面はあるが、エイティーンガールにとっては「二度あることは三度ある」、武騎手にとっては「三度目の正直」で上位進出を目指す。武騎手は当レース初制覇となるか。

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トウシンマカオ 撮影:Ruriko.I

 追い込み脚質のエイティーンガールに対し、自分で競馬をつくれるのはトウシンマカオ(牡3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)だ。

 デビューから6戦すべてで戸崎圭太騎手が騎乗してきたが、前走のNHKマイルC(G1)8着という結果を受け、3か月半ぶりの今回は川田将雅騎手に乗り替わる。

 キャリア2戦目の京王杯2歳S(G2)で2着に好走するなど、早くから世代上位の短距離馬として活躍してきたトウシンマカオ。朝日杯FS(G1)は6着に敗れたが、続くクロッカスS(L)でプルパレイ以下に完勝した実力の持ち主だ。

 他馬より1kg重い57kgを背負ったファルコンS(G3)では、1番人気を裏切っての5着。続くNHKマイルCは6戦目にして初めてハナを切ったが、後続にマークされる形となり、直線伸びを欠いた。それでも勝ったダノンスコーピオンから0秒8差の8着に粘っており、古馬相手に斤量に恵まれる今回は大きなチャンスといえるだろう。

 今回は初の1200m戦となるが、1600mより1400mの方が成績は安定しており、一気の距離短縮がプラスに出る可能性もありそう。血統的にも1戦を除き1200mしか走ったことがないビッグアーサーが父なので、不安より期待の方が大きい。充実の3歳秋を迎えることになるかどうか、試金石の一戦となりそうだ。

 重賞で2戦続けて人気を裏切っているヴェントヴォーチェ(牡5歳、栗東・牧浦充徳厩舎)も“三度目の正直”に燃える。

 昨夏の函館で3勝クラスを突破後は、オープンとリステッドで好走を続けてきた。3走前の春雷S(L)でオープン昇級後の初勝利を飾ると、2走前の函館SS(G3)で重賞に初挑戦。この時は2番人気に支持されたが、前半3ハロン32秒台のハイペースに巻き込まれて7着に敗れていた。

 前走・アイビスSD(G3)でも外目の好枠に収まり1番人気に推されたが、結果は9着。この時も前半3ハロンが32秒3で流れるハイペースのなか「終始左に逃げていた」「他馬を気にするところが出てしまった」という福永祐一騎手のコメント通り、まったく自分の競馬ができなかった。

 ハイペースを2度経験し、慣れが見込める今回は大駆けなるか。鞍上には今回が初コンビとなるC.ルメール騎手を起用し、重賞制覇をもくろむ。

 飛ぶ鳥を落とす勢いで昨年の当レースを制したのがレイハリア(牝4歳、美浦・田島俊明厩舎)だ。

 昨年は3歳未勝利→1勝クラス→葵S(G)→キーンランドCと、半年足らずの期間で圧巻の4連勝。古馬牡馬を撃破し、秋の飛躍も期待された。

 ところが、その後は京阪杯(G3)16着、高松宮記念(G1)17着と惨敗続き。復活を懸けた前走の函館SSで4着に入って、ようやく巻き返しに成功した。今年こそ、秋の活躍を誓って、1年前の激走を思い出したいところだ。

 昨年のレイハリアを彷彿とさせるのはウインマーベル(牡3歳、美浦・深山雅史厩舎)だ。現在、橘S(L)と葵S(G3)を連勝中で、その勝ちっぷりも目を見張るものがある。

 古馬とは初対戦となるが、斤量差を生かして、3連勝を飾れるか。前走に続いて松山弘平騎手とのコンビを予定している。

 3走前の函館SSで3着に好走も、その後の2走は2桁着順というタイセイアベニール(牡7歳、栗東・西村真幸厩舎)は、香港から来日中のC.ホー騎手が有終の美を飾れるかに注目。ペースが上がれば上位進出の可能性も十分あるだろう。

 この他には、前走・アイビスSDがキャリア45戦目で重賞初制覇だったビリーバー(牝7歳、美浦・石毛善彦厩舎)、2走前の鞍馬S(OP)で復活勝利を飾ったシゲルピンクルビー(牝4歳、栗東・渡辺薫彦厩舎)、今年4月の阪神牝馬S(G2)を勝利したメイショウミモザ(牝5歳、栗東・池添兼雄厩舎)といった牝馬勢も強力だ。

 絶対的な存在がいない今年のキーンランドCは、武騎手や川田騎手といった超一流に加え、ワールドオールスタージョッキーズ開催のため、C.ウィリアムズ騎手ら多くの外国人騎手も参戦を予定している。秋に向けて重要な一戦を制するのは果たしてどの馬になるのか。発走は28日、15時35分を予定している。

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