
JRA横山和生「指示無視」英才教育でジャックドール弟が菊花賞(G1)へ急浮上!? 故・タイキシャトルが贈った1/365の奇跡
20日、札幌競馬場で行われた札幌日刊スポーツ杯(2勝クラス)は、1番人気のディナースタ(牡3歳、栗東・辻野泰之厩舎)が勝利。兄に今週の札幌記念(G2)出走を控えるジャックドールを持つ良血馬が、秋の菊花賞(G1)へ名乗りを上げた。
「苦しい戦いになるだろうと感じていました」
レース前に行われた返し馬で、ディナースタと馬場の感触を確かめた横山和生騎手は「間違いなくプラスには働かない」と重くなった(発表は稍重)札幌の馬場に敗戦まで覚悟していたという。
しかし、相棒がレースで見せたパフォーマンスは、いい意味で主戦騎手の予想を裏切った。
14頭立てで行われた芝2600mの長丁場は、スタート直後にナオミラフィネが躓いて斎藤新騎手が落馬する波乱の幕開けだった。課題のスタートを決めたディナースタは、無理せず中団やや後方からの競馬。同条件を勝ち切った前走同様、しっかりと折り合いもついていた。
そんな落ち着いた走りができるからこそ、あれだけのまくりが打てるのだろうか。向正面で外に持ち出されたディナースタは早めの進出を開始。一気に先頭へ躍り出ると、そのまま後続を振り切って2連勝を飾っている。
「非常に内容のある競馬だったと思います。発表こそ稍重ですが、今年の札幌は元々が時計の掛かる重めの馬場だけに2600mの長丁場ともなれば、相当なスタミナが要求されたはずです。それを向正面から先頭に立って押し切ってしまうのですから、ディナースタにステイヤーとしての高い資質を感じずにはいられません。
印象的だったのは、横山和騎手が初めてディナースタの手綱を取った4月の未勝利戦。実は陣営から先行するよう指示が出ていたのですが、返し馬の感触を重視した横山和騎手はあえて中団やや後方からの競馬。見事に勝ち切った後には『長くいい脚を使えそうなイメージだったので(あのような競馬になった)。イメージ通りの競馬ができた』とかなりの好感触を得た様子でした。
そこから主戦に定着した横山和騎手ですが、一貫して後方から早めに進出するまくりの競馬をしていますが、ここに来ての連勝は“英才教育”の賜物でしょう。主戦騎手も(辻野)調教師も口をそろえて『良くなるのは来年以降』と言っていますが、これで2勝クラスを突破した以上、まずは秋の菊花賞(G1)で見たい馬です」(競馬記者)
記者がそう期待するのも当然か。菊花賞といえば、古くから強烈なまくりを決めた馬が活躍しているレース。折り合いに不安がない分、道中で自在に動ける馬が好成績を残しているのは、長丁場のレースにおいて顕著な傾向でもある。ましてやディナースタは、昨年の菊花賞を5馬身差で圧勝したタイトルホルダーと同じドゥラメンテ産駒である。
故・タイキシャトルが贈った1/365の奇跡
「いいものを持っているのは再確認できた。もっと体とか気持ちが完成してくるのは、先々という感じがあります」
先日他界した名マイラーに敬意を表し「タイキシャトル追悼競走」と副題が付いた今年の札幌日刊スポーツ杯。実は横山和騎手の誕生日3月23日は、先日他界したタイキシャトルと同じ。横山和騎手が生まれたちょうど1年後にタイキシャトルが生を受けた間柄だ。
レース後に掛かった虹は、まるで人馬の今後の吉兆を告げているかのようだった。
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