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ハープスターの衝撃から9年、昨年セリフォスを輩出も…新潟2歳Sが直面する危機

ハープスターの衝撃から9年、昨年セリフォスを輩出も…新潟2歳Sが直面する大ピンチの画像1
セリフォス 撮影:Ruriko.I

 28日、新潟競馬場では2歳世代最初のマイル重賞・新潟2歳S(G3)が行われる。

 昨年はセリフォスがこのレースで重賞初制覇を成し遂げると、つづくデイリー杯2歳S(G2)も勝ってデビューから3連勝。その後は勝ち鞍こそないものの、朝日杯FS(G1)は2着、NHKマイルC(G1)が4着で、安田記念(G1)でも古馬の強豪にまじって4着と、マイル界の新星として活躍を見せている。

 この他にも、2018年の勝ち馬・ケイデンスコールは翌年のNHKマイルCで2着に入り、2015年の勝ち馬・ロードクエストも翌年のNHKマイルCで2着。さらに2013年の勝ち馬はハープスターで、こちらは翌春に桜花賞(G1)を制し、オークス(G1)でもクビ差2着と、数々のスターを輩出している注目の一戦である。

 今年も7月30日に同舞台で行われた新馬戦を快勝したリバティアイランドという大物候補の参戦が注目を集めていたが、8月12日に出走の見送りを表明。一度は入厩して調教も行っていたが、一旦放牧に出て秋に向けた調整を行っていくという。

新潟2歳Sが直面する危機とは…

 これにより、今年の登録馬は現段階で11頭。うち1頭は地方馬で、さらに未勝利馬も1頭。新馬戦を勝ってここに臨む馬も4頭しかおらず、それも1頭は福島のダート1150m戦での勝利という異質なメンバー構成となっている。

 かつては6月の東京や阪神といった早い段階で新馬戦を勝ち上がった期待株が、このレースで賞金を加算し、そこからローテーションを逆算して3歳春の大舞台を目指していくというのが主流だった。

 しかし、リバティアイランドを管理する中内田充正厩舎が「まだ成長途上。前走速い時計で走って、続けて同じような負担がかかると今後に響く可能性もある。大事に進めたい」と回避について語ったように、まだ成長しきっていない段階で夏の間に2戦使うことを避けるケースも多々見られるようになった。

 特に近年の酷暑は競走馬に与える影響も大きく、馬主や調教師がこの時期に無理することを敬遠する流れが広まっている。

 また、その流れに拍車をかけるのが、3年ぶりの開催となる「ワールドオールスタージョッキーズ」(以下、WASJ)の存在だ。

 今年は8月27日と28日の2日間にわたって行われるジョッキーたちの祭典。外国騎手と地方競馬代表騎手による「WAS選抜」とJRA代表騎手による「JRA選抜」の2チームが、各レースの順位によって得られるポイントを競う対抗戦である。

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武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 今年は日本ダービー(G1)を制した武豊騎手、昨年度の「MVJ」を受賞したC.ルメール騎手に加え、勝利数の東西トップに立つ横山武史騎手と川田将雅騎手、さらには顕著な活躍を見せた騎手として柴田善臣騎手、福永祐一騎手、松山弘平騎手の3名を加えた7名がJRA選抜として参戦。ということは、この週末はほとんどの有力騎手が札幌に集結しているということだ。

 すなわち、今週の新潟はほぼ完全な“裏開催”ということになる。大舞台を意識するような逸材であればあるほど、デビューからトップジョッキーが手綱を取るもの。前述したリバティアイランドも、初戦は川田騎手が新馬勝ちに導いていた。

 賞金を早めに確保しておくというメリットはありつつも、2歳の若駒のうちに短いスパンで、それも過酷な気候条件の下で2戦するリスクに加え、事情により主戦騎手が手配できない可能性もあると考えると「無理して出走させる必要はない」という結論に至りがちなのは仕方がないことなのかもしれない。

 すでに「史上最弱レベル」などと囁かれている今年の新潟2歳Sだが、今後も同時期に「WASJ」が開催されるということであれば、この問題は毎年つきまとう。集まるのは早くからマイル以下の短距離路線に絞った馬たちで、クラシックを目指す馬は翌週の札幌2歳S(G3)へ……というパターンが定着してしまう可能性もありそうだ。

 まずは今年の結果と、ここを使った馬たちの歩む道がどうなるか。来年の8月まで、継続して注視したい。

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