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ジオグリフの「運命」を分けた一戦。「上位の馬に伸び負けしてない」秋華賞でジェンティルドンナ、ヴィルシーナに食い下がったのは

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 今週末の27日、小倉競馬場で西海賞(2勝クラス)が行われる。

 夏の小倉を彩る名物レースとして、ディープな競馬ファンにはお馴染みの牝馬限定戦。特に3歳馬にとっては飛躍を目指す秋に向けて結果が問われるレースであり、ここで勝ち上がるか否かで、今後の将来が大きく左右されることもある。

 例えば、一昨年は2番人気のフィオリキアリがここを勝って、秋には秋華賞(G1)まで駒を進めた。一方で、1番人気で2着に敗れたボンオムトゥックはアーリントンC(G3)4着の実力がありながらも、秋も自己条件戦を強いられている。

 今年も楽しみな3歳馬5頭が登録されており、中でもアメリカンスターは好内容で1勝クラスを勝ちあがったばかりと、昇級初戦から人気を集めそうだ。春はクイーンC(G3)で大敗するなど力が及ばなかったが、ここで連勝を飾るようなら秋華賞戦線に名を連ねることになるかもしれない。

 そんな「成功例」の代表格を挙げるなら、2012年のアロマティコだろう。

「この馬らしさは十分見せてくれました。経験は他の馬より少ないですが、最後は上位の馬に伸び負けしていませんでしたよ」

 同年の秋華賞で、そう胸を張ったのは佐藤哲三騎手(現競馬評論家)だ。それもそのはず、ジェンティルドンナが史上4頭目の牝馬三冠を達成し、ヴィルシーナが桜花賞、オークス(共にG1)に続く2着に涙を飲んだ順当な一戦。そこで0.2秒差の3着に食い込んだのが、西海賞を勝った夏の上がり馬アロマティコだった。

 その後、アロマティコはG1・3着という看板を引っ提げて1600万下(現3勝クラス)を快勝し、牝馬重賞戦線で活躍。残念ながら重賞タイトルを手にすることはできなかったが、エリザベス女王杯(G1)で3着、クイーンS(G3)で2着するなど手堅い走りでファンに長く愛される馬になった。

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ジオグリフ

「アロマティコ」の名を聞いて、ピンときた競馬ファンも少なくないかもしれない。そう、今春の皐月賞(G1)を制したジオグリフの母である。

 祖母アンデスレディーから成る一族には、ステイヤーズS(G2)を3連覇したアルバート、姉弟で福島記念(G3)を勝ったオーバーザウォールとサンバレンティン、牝馬ダート重賞戦線で活躍したアンデスクイーンなど“名脇役”が数多く名を連ねているが、G1には手が届いていなかった。

 最高傑作のインティライミは日本ダービー(G1)を勝っても不思議ではない激走を見せたが、その5馬身前にディープインパクトがいた。

 ジオグリフはそんな不遇の一族の悲願を果たした新たな最高傑作だが、それも父に期待の新種牡馬だったドレフォンが選ばれたからだ。

 アロマティコは引退後、重賞未勝利だったにもかかわらずハービンジャー、エピファネイア、モーリスといった種牡馬が付けられた。本馬がキングカメハメハ×サンデーサイレンスという配合だったことを考慮すれば「最高級」のラインナップと言えるだろう。これだけを見ても関係者の高い期待が窺える。

 アロマティコがここまでの“VIP待遇”を受けたのも、競走成績に可能性を感じさせたからだ。そして、そんな競走成績の分岐となった1つが3歳で勝ち上がった西海賞だろう。「いつ」「何を勝つか」が時として競走馬の運命を大きく左右することは、競馬ファンなら誰もが知るところだ。

 ちなみに過去10年の西海賞を振り返ると、3歳馬の勝利は先述したフィオリキアリとアロマティコを含めわずか3頭と意外な苦戦を強いられている。だが、逆に言えば勝った時はそれだけの価値があるということ。

 今年は奇しくもスターズオンアースが、かつてのジェンティルドンナのように秋華賞で三冠に王手をかけている。果たして、今年の西海賞から牝馬三冠最終章を沸かせるような3歳馬は登場するだろうか。まずは飛躍の秋を目指す若駒たちの好走を期待したい。

大村克之

大村克之

稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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