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代表産駒はサトノダイヤモンドと「5億円対決」で話題…ディープインパクトでも大物を出せなかった「歴史的名牝」が残した最後の希望

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 25日の中山4R・2歳新馬戦(ダート1200m)に横山武史騎手とのコンビで出走を予定しているメイデンタワー(牝2、美浦・稲垣幸雄厩舎)は、アゼリの「最後の希望」といえる存在だ。

 母は2002年のブリーダーズカップ・ディスタフなどG1・11勝を上げ、同年のエクリプス賞で年度代表馬に選ばれた歴史的名牝である。アメリカで3年繋養されたのち、ノーザンファームの吉田勝己代表に見出され、「アメリカ競馬殿堂入り」の名を引っさげ日本で繁殖入りした。

 当然ながら関係者の期待も大きく、初年度はゼンノロブロイ、翌年からは5年連続でディープインパクトと配合されたものの、残念ながら大物は生まれなかった。現役時代に活躍した牝馬が必ずしも成功しないとはいえ、G1級の産駒どころか重賞勝ちすらなかったのだから淋しいものである。

サトノダイヤモンドとの「5億円対決」から始まった悪夢

 産駒の中で特に印象深いのが、ディープインパクトとの初仔であるロイカバード。2013年のセレクトセールにおいて同年最高額の2億5200万円(税込)で落札され、否が応でも注目の的となっていた。

 武豊騎手を鞍上に迎え臨んだ新馬戦ときさらぎ賞(G3)ではサトノダイヤモンドとの「5億円対決」が話題となったが、どちらもサトノダイヤモンドが優勝し後塵を拝すことになる。ただ、前述のきさらぎ賞、続く京都新聞杯(G2)では3着と好走。レース内容はそれほど悪くなく、ファンからはネット上でも「そのうち重賞は勝てるのでは?」「サトノが強すぎただけ」といった楽観的なコメントも多かった。

 しかし3歳12月に元町S(1600万以下)を勝利したのが最後で、古馬になってからは惨敗が続き、これといった実績もなく引退。その血統が見込まれ種牡馬にはなれたものの、獲得賞金は落札額のおよそ3分の1というものだった。

 その後もアゼリの産駒はこれといった大物を出すことも出来ないまま、存在感は薄れていくばかり。ついには今年の出産を最後に繁殖を引退し、余生を静かに過ごす事になった。

 現役最後の配合相手に選ばれたのは、前年に新種牡馬として輸入したばかりのドレフォン。アゼリ同様、アメリカのダート界に君臨した名馬で、2016年の米ブリーダーズカップ・スプリント(G1)などG1を3勝した名馬だ。日本競馬の適性は未知数ではあったが、この選択は悪くなかったかもしれない。

 ドレフォン産駒のデビュー年となった現3歳世代はジオグリフ(牡3、美浦・木村哲也厩舎)が札幌2歳S(G2)で優勝するなどいきなり活躍。種牡馬としての評価も一気に上がり、種付け料もそれまでの300万円から今年は700万円と大幅アップした。

 メイデンタワーは、父母の血統的な背景からダート向きかもしれないが、これまでデビューしたドレフォン産駒が、芝もこなせる順応性の高さも見せていることは好材料だ。

 母が送る最後の産駒メイデンタワーだが、母の名誉回復のためにも活躍してもらいたいものである。

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