JRA岩田康誠の神騎乗に「これは観戦料」いつまで? 23万馬券演出の“裏”でプロに食い物にされる「競馬で負け慣れた」人々
秋が到来し、今週末のスプリンターズS(G1)でG1戦線も開幕を迎える。
また、フランスのパリロンシャン競馬場では世界最高峰の戦い凱旋門賞(G1)が開催され、日本からタイトルホルダーやドウデュースが挑戦するなど、いよいよ秋競馬が熱を帯びてきた印象だ。
秋は競馬ファンにとって待望の季節だ。毎年、セントウルS(G2)と京成杯オータムH(G3)の2重賞で開幕を迎えるが、開幕週に競馬ファンを唸らせたのが23万馬券を演出した岩田康誠騎手だったのではないだろうか。
レース直前にシュリが出走取消となり、13頭で迎えた京成杯AH。ミッキーブリランテは12番人気と、ほぼすべての競馬ファンにとって眼中にない存在と言っても過言ではなかった。
それもそのはず、ミッキーブリランテのここ3走はすべて二けた着順。特に直近2走はリステッド競走で大敗しており、さらにメンバーが強くなる重賞で「出番なし」と考えるのは、当然の心理と言えるだろう。
だがミッキーブリランテは、そんなファン心理をあざ笑うかのように2コーナーで早々に先頭に立つと、最後の直線でも勝ったファルコニアに激しく抵抗。クビ差の接戦に持ち込んで、三連単23万5180円という大波乱を演出した。レース後には、鞍上の岩田康騎手の積極策が大きく称賛されたことは言うまでもない。
また各メディアだけでなく、ネット上の競馬ファンからも「神騎乗」「さすが岩田康騎手」といった称賛の声が続々……。自分の馬券をハズしてしまったファンの「これは仕方ない」「まさかあんな競馬をするとは」「岩田康騎手を甘く見てました」といった“白旗ムード”も、鞍上への賛辞の裏返しだろう。
だが、本当にそれでいいのだろうか?
もし競馬が純粋なスポーツであれば、岩田康騎手の騎乗が絶賛されるべき好レースだったということで、誰もが幸せになれたはずだ。しかし、競馬にはギャンブルという側面があり、大波乱が起こったということは、それだけ大多数の馬券購入者が損失を被ったということになる。
「仕方ない」「これは観戦料」といった声を否定するつもりは毛頭ないが、厳しい言い方をすれば、こういった声が出る人々は「競馬で負け慣れている」からに他ならない。
自分の馬券がハズレて、ハズレて、またハズレ……。いつの間にか負けることが当たり前になり、馬券代が本当に観戦料や授業料になってしまってはいないだろうか。
ただ漫然と自分のお金を損なうことではなく、「勝つこと」こそギャンブルの本来の目的だ。ましてや競馬はパチンコなどといった制御された機械が直接の相手ではなく、同じ馬券購入者という人間が相手。あまり意識はないかもしれないが、馬券を購入するということは競馬ファンによる金の奪い合いに参加していることに他ならない。
大多数の競馬ファンは、国の無意味な税金の利用には目くじらを立てて非難するが、競馬で負けることによって自分の資金が他人に搾取されることに対しては、ほぼ無意識……いや、無抵抗と言っても過言ではないほど、あっさりと認めてしまっている。
「自己責任で馬券を買っている以上、仕方がない」と言いながら、また同じように馬券を買ってしまうのは、客観的に見れば愚の骨頂と言われても仕方のない行為ではないだろうか。
厳しい言葉を並べてしまったが、心当たりのある読者も少なくないはずだ。何故、こういった話をしているのかというと、今回『スマート万馬券』という競馬情報サイトに所属する「プロの馬券師」のSさん(仮称)に話を聞くことができたからだ。
馬券で飯を食っている彼らは、言うまでもなく競馬の勝者である。逆に言えば、馬券絡みで生計を立てているからこそ、プロとして成り立っているのだ。
そんな彼らにとって、最大の“得意先”……つまりは、自分たちの利益を提供している存在こそ、先述したような負け慣れているファンに他ならない。何故なら、競馬は「馬券的中者」が賭け金を山分けするオッズゲームであるからだ。
一体、彼らはどうやって競馬で勝ち続けているのだろうか。我々のような素人とは何が違うのか。あくまで「話せる範囲で」ということながら、京成杯AHを12番人気で激走したミッキーブリランテについて話をうかがってみた。
「ミッキーブリランテが人気になっていなかった理由の1つが、京成杯AHの舞台である中山・芝1600mの戦績が目立ったものではないことだと思います。
ニューイヤーSを勝ち、東風Sで2着と悪くない成績ですが、あくまでリステッド競走。重賞なら過去2回とも惨敗しており、多くの方が『重賞では通用しない』と考えられていたのだと思います。
ただ、そういった力の劣る馬が勝ち負けできるようにするのが、京成杯AHのようなハンデキャップ競走です。
ミッキーブリランテの近2走はリステッド競走で大敗していましたが、58キロを背負わされてのもの。ただ、これらの敗戦があったからこそ56キロで出走でき、重賞でも好走できたともいえます。
JRAのハンデキャッパーの“腕”は世界でも認められていますし、このレースでも1着から最下位までがわずか1.1秒差で決着しているように、各馬の能力を見極め、力が拮抗するようなハンデを定める力は、本当に正確です。
だからこそ馬券を買う上で、ハンデキャッパーの“眼”を信頼することは非常に有効な手段の1つです。
ミッキーブリランテはこの春、同じ中山マイルのハンデ重賞・ダービー卿チャレンジT(G3)で56キロを背負って8着に惨敗しています。しかし、それでも今回再び同じハンデだったということは、JRAのハンデキャッパーが『56キロでも勝負になる』と判断したからに他なりません」(スマート万馬券・関係者Sさん)
実際に、ミッキーブリランテのダービー卿CTは着順だけ見れば8着だが、勝ち馬とは0.5秒しか離れていない。また、レース後に内田博幸騎手が「枠がもう少し内なら……」と嘆いていたように、中山・芝1600mで不利とされる外枠発走の上、スタートで出遅れるという非常に厳しいレースだった。
大波乱の立役者となった京成杯AHでは岩田康騎手の好騎乗ばかりがクローズアップされ、あたかも「好騎乗のおかげで好走できた」というような風潮だが、岩田康騎手も「今日はよく頑張ってくれた」と相棒を称えたように、そもそも馬に好勝負できる下地がなければ、騎手の力だけでは限界があるのが競馬である。
「ミッキーブリランテが関西馬であることにも注目してほしいですね。管理する矢作芳人厩舎は競馬界を代表する名門ですが、今週の凱旋門賞にもステイフーリッシュを遠征させるなど、馬の力を最大限に引き出せるよう適性を見極めて、チャンスがあれば積極的に遠征する厩舎です。
ミッキーブリランテも関西に限らず様々な競馬場へ遠征していますが、中でも多いのが京成杯AHの舞台である中山・芝1600mの参戦です。今回を含め通算で6度も出走していますが、これは地元・関西の主要である京都よりも多く、阪神の7回に迫る数字です。
つまり言い換えれば、矢作厩舎はミッキーブリランテに中山・芝1600mへの高い適性を感じていたということになります」(同)
当たり前の話だが、競走馬にとって長距離輸送はリスクでしかない。つまり遠征してでも得られる「リターン」が見えないと、そもそも遠征する意味がないのだ。
ミッキーブリランテは関西馬であるにもかかわらず、中山に35戦中8戦も遠征しているが、その内6回が芝1600mである。また、同じ関東の東京には、わずか2度しか出走していない。
また、牝馬限定戦を除く古馬オープン以上の中山マイル戦は、1月からニューイヤーS、東風S、ダービー卿CT、京成杯AHと4つのレースが存在するが、ミッキーブリランテはすべてに出走履歴がある。繰り返しになるが、関西馬であるにもかかわらずだ。
「ニューイヤーSを勝ったのだから適性があるのは当然」という見方もできるが、実はこの勝利に至るまでミッキーブリランテは立志S(3勝クラス)で12着、京成杯AHで11着と大敗を繰り返していた。それでも陣営が「中山・芝1600m」に拘ったのは何故なのか――。
答えは「リターン」が見込めるからに他ならず、そんな矢作厩舎の狙いが結実したのが、今回の京成杯AHだったというわけだ。
後になって振り返ってみれば、ミッキーブリランテの激走には様々な理由があったことがわかる。だが、その一方でこれだけチャンスがあった馬が13頭中12番人気に甘んじていたことが現実であり、プロの馬券師はこのギャップを見極めて大きな利益を稼ぎ出しているのだ。
実際にSさんが所属する『スマート万馬券』も、この京成杯AHで三連単23万5180円をわずか16点(1点300円推奨)的中させ、合計70万円を超える結果を報告している。1番人気のファルコニアが勝ったレースだけに、ミッキーブリランテの激走を予期できていれば、的中のチャンスは十分にあったことだろう。
その一方で、読者の中に自分も京成杯AHを当てたという人が何人いるだろうか。
大多数の競馬ファンが、その資金を的中者に献上するハメになったはずだ。言ってしまえば、またしても勝者に搾取されてしまったということになる。
繰り返しになるが、競馬はオッズゲームであり、馬券購入者による金銭の取り合いに他ならない。つまり、馬券を買い続ける限りSさんのような一流のプロ……言わば“モンスター”を相手にし続けなければならないということだ。
もし、これが1対1の戦いなら、あなたは再び立ち向かおうと思うだろうか。競馬では幸か不幸か、他にも大多数の敗者がいるため敗戦の実感はあまりないが、残念ながら、それとまたも消えてしまった自分のお金とは何の関係もないはずだ。
勝てない相手……つまりSさんのような強敵と対峙してしまった場合、有効な選択肢は主に2つある。1つは、勝負そのものを回避するということ。つまり勝ち目のない馬券の購入は控えるということだ。
そして、もう1つがSさんを味方につけるということである。
幸い、『スマート万馬券』は現在会員を募集しており、会員にさえなればSさんのような一流プロと「同じ馬券」を我々のような素人でも簡単に手にすることができる。
また、本来必要であるはずの登録料や会費は現在無料であり、ランニングコストはゼロ。さらに、新規の会員に限り週末の重賞情報が「無料」で提供されるというのだから、これは紛れもないチャンスと言えるのではないだろうか。
はっきり言って競馬に限らず、素人はプロにはまず勝てないし、そもそも挑むにはリスクが高過ぎて勝負すること自体が愚行ともいえる。だが、そんなプロを味方につけることができれば、自分の「未来」の展望が大きく開かれるはずだ。
※本稿はPR記事です。
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