今村聖奈、藤田菜七子も驚きの「大胆騎乗」に絶賛の嵐! 永島まなみが魅せた「作戦」が競馬の常識に一石
16日、新潟競馬場で行われた7R・3歳以上1勝クラスは、15番人気のセルレア(牝5歳、美浦・深山雅史厩舎)が勝利。2着に3番人気ユナイテッドハーツ、3着に5番人気ラナキラが入線し、三連単は145万7050円の大波乱となった。
「開幕週ですし、内枠を引いたら外にこだわらずに競馬をしたいです」
レース前、『スポーツ報知』の取材にそう意気込みを語っていたセルレアの主戦・永島まなみ騎手が引いたのは、あろうことか最内枠の1枠1番……。舞台となる新潟直線1000mで前回この1番枠が勝利したのは2017年5月まで遡る、まさに“死の枠”だ。
そんなデータもあってか、セルレアは18頭中15番人気。単勝97.6倍で「ほぼ単勝万馬券」という低評価だった。
永島まなみ騎手が魅せた「作戦」が競馬の常識に一石
18頭立てのフルゲートで行われたレース。スタート直後から各馬が新潟千直のセオリー通りの外ラチ添いへ殺到する中、永島騎手のセルレアが目指したのはまったく真逆の内ラチだった。
「ただ1頭、1番のセルレア。最内に進路を取っています」という耳慣れない実況と大胆な作戦は、多くの競馬ファンを驚かせたに違いない。だが、本当に驚かせたのは、ここからの驚異的な粘り腰だった。
「1頭でも集中して走ってくれました」
レース後、永島騎手からそう称えられたセルレアは粘りに粘って最後まで先頭を譲らずにゴール。まさに有言実行の作戦勝ちとなった勝利には、競馬ファンからもSNSや掲示板などで「えっ、勝っちゃうの!?」「これは凄いわ」「永島まなみ、天才か?」と言った絶賛の声が続々……。“セオリー”を打ち砕き、145万馬券の立役者になった。
「藤田菜七子騎手や今村聖奈騎手との女性ジョッキー対決になったこのレースですが、まさか『永島騎手が勝ってしまうとは』というのが正直な感想です。追い出すのが少し早いかと思ったのですが、驚異的な粘りでしたね。
新潟の芝1000mで1枠1番が勝ったのは5年ぶりになりますが、その時に勝ったウランゲルはセオリー通りに外へ行ってのもの。そういう意味でも、今回のセルレアと永島騎手の勝利は画期的ですし、千直の常識に一石を投じるものになったと思います」(競馬記者)
永島騎手も話していたがポイントとなったのは、やはり今週が新潟の「開幕週」だったという点だろう。ちなみに夏の新潟が舞台となる千直の頂上決戦アイビスサマーダッシュ(G3)も、同じく開幕週だ。
「昨年のアイビスサマーダッシュで、やはり1枠1番だったバカラクイーンと菅原明良騎手が内を突いて3着に粘り込んだことが話題になりました。
今回のセルレアは15番人気と人気薄の馬ですが、バカラクイーンも単勝130倍の14番人気。少し力が足りないと思われる馬だからこそできた大胆な作戦だと思いますが、今後同じように“内狙い”の騎手が増えてくるかも……。
来週の新潟も千直のレースは開催されますし、まだまだ内側の馬場コンディションも良いでしょうから、内枠を引いたジョッキーは“二匹目のドジョウ”を狙ってくるかもしれませんよ」(別の記者)
実際に、今年のアイビスサマーダッシュでは1枠と2枠の4頭がセオリーに逆らうように内ラチ沿いに集結。残念ながら揃って玉砕という結果になったが、8枠の馬が1、2、4着と上位を占める中、13番人気だった2枠のスティクスが5着に善戦している。
「1番枠だったので、腹をくくって内ラチで勝負しようと決めていました」
レース後、そう語った2年目の永島騎手は、これが今年10勝目。第一人者の藤田騎手やルーキーの今村騎手が注目を集めている中、どちらかと言えば目立っていないが、実は先週までの単勝回収率は女性ジョッキーでNo.1。一部の競馬ファンからは熱烈な支持を集めている穴ジョッキーの1人だ。
今回の勝利で、さらに単勝回収率が上がった永島騎手。見事な作戦勝ちは、どんなに望み薄な馬でも真剣に向き合っている何よりの証拠だろう。穴党は彼女の“おっかけ”になってみるのもいいかもしれない。
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