ジャパンCでも日本VSドイツ…ナリタブライアン、ヒシアマゾン一蹴の再現あるか

日本時間の23日夜は、サッカーのFIFAワールドカップ・カタール大会でドイツ代表を相手に2-1で日本代表が勝利。PKで1点を先制される苦しい前半戦から、相手に疲れの見え始めた後半に2点を奪う逆転勝利は世界中で大きな驚きを呼んだ。
ジャパンCでも日本VSドイツ…
この歴史的な快挙が話題を独占するとともに、競馬ファンの間では早くも今週末に東京競馬場で行われるジャパンC(G1)に出走するテュネス(牡3、独・P.シールゲン厩舎)の逆襲に期待する声も出始めている。こういったサイン探しも競馬の楽しみの一つ、サッカーで勝って競馬で負けるということも、ありえない話ではないだろう。
ただ、凱旋門賞(仏G1)のタフな馬場をいかに克服するかが、遠征する日本馬にとっては永遠のテーマでもあり、これまでも多くの挑戦者が苦戦を強いられてきた。今回ホームで外国馬を迎え撃てる日本馬に対し、欧州の馬場で実績を残している外国馬はアウェーへと立場が変わる。
特に重馬場の凱旋門賞は過酷な斤量を背負わされるドイツのG1を好走した馬の相性がいいレースでもある。
ジャパンC来日が幻に終わった今年の優勝馬アルピニスタも牝馬のみで58.5キロを背負ったバイエルン大賞(独G1)を制しており、昨年の覇者トルカータータッソも60キロで昨年のバーデン大賞(独G1)を勝っていた。そんな欧州馬に対し、今度は軽くてスピード重視の高速馬場を走り慣れている日本馬にアドバンテージが大きいのがジャパンCの舞台だ。
とはいえ、ドイツ馬にもジャパンCを優勝した例が過去にもある。それは遡ること27年前、ランドが優勝した1995年のジャパンCだ。
この年の日本馬は、なかなかの好メンバーが揃っていた。1番人気に支持されたのは前年の三冠馬ナリタブライアン。春の阪神大賞典(G2)を7馬身差で圧勝したあとに右股関節炎を発症し、7か月ぶりに復帰した天皇賞・秋(G1)で1番人気を裏切る12着に大敗していたが、叩き2戦目の良化と武豊騎手との初コンビが人気を後押しした。
2番人気に推されたのは女傑ヒシアマゾン。前年の有馬記念(G1)でナリタブライアン相手に真っ向勝負を挑んで2着に入り、この秋のオールカマー(G2)と京都大賞典(G2)を連勝していた。
対するランドは、先述のバーデン大賞を連覇していたように重い馬場を得意とするタイプの馬。しかも直前のレースで3連敗を喫しており、前走のブリーダーズCターフ(米G1)も12着と振るわなかった。
とはいえ、それまでの実績と凱旋門賞4着を買われ、6番人気に留まったランドが、異国の地でナリタブライアンとヒシアマゾンという日本の最強クラスを相手に驚きの走りを披露したのだから、日本のファンに衝撃が走ったのも無理はない。
タークパサーが取り消して14頭立てでレースはスタート。スローペースを嫌ってタイキブリザードがハナに立ち、注目の武豊騎手とナリタブライアンは中団やや後ろ。これをマークする位置取りで外目にランド、ヒシアマゾンは平常運転の追込み策で最後方から追走する。
各馬の動きが慌ただしくなる勝負どころの3コーナーから4コーナーに懸けて外からランドが進出。それから少し遅れてナリタブライアンが上がって行くが、好調時のような手応えはなく、追い出された時には既にヒシアマゾンが大外から伸びていた。
だが、それより早いタイミングで抜け出しを図っていたランドが、タイキブリザードを交わして先にゴール。追い縋るヒシアマゾンに1馬身1/2の差をつけての完勝を演じたのだった。ラストランの舞台を見事な勝利で飾ったランドはジャパンCを最後に引退、同年のドイツの年度代表馬にも選出された。
まだ3歳という年齢からランドの実績には届かないが、前走のバイエルン大賞を10馬身差で楽勝したテュネスの実力は折り紙付き。血統的にも昨年の凱旋門賞馬トルカータータッソの半弟にあたる超良血馬だけに、日本の馬場さえこなせれば力は足りているはず。
戦前の下馬評は、それほど高くはないものの、サッカーと違って今度はドイツが競馬で番狂わせを起こす番かもしれない。偉大な先駆者から27年ぶりとなるドイツ馬の勝利を挙げられるだろうか。
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