【ジャパンC(G1)予想】大器ヴェラアズール&ダノンベルーガは黙って消し
今回は秋の大一番、国際招待レース・ジャパンC(G1)を予想していく。
いつものようにまずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
天皇賞・秋 15頭
秋華賞 4頭
京都大賞典 3頭
凱旋門賞、アルゼンチン共和国杯、神戸新聞杯 各2頭
菊花賞、エリザベス女王杯 各1頭
となっている。秋の古馬王道ローテーションの2戦目ということもあるのか、天皇賞組が半分。次いで秋華賞(G1)からの臨戦が多いのだが、秋華賞組は前走連対が条件。G1で連対するくらいの実力があれば3歳牝馬でも通用するわけだ。天皇賞と凱旋門賞(仏G1)以外の前走大敗は割引が必要。
続いて人気順の成績を見てみよう。
1番人気 5-1-2-2
2番人気 0-2-4-4
3番人気 2-2-1-5
4~6番人気 3-3-2-22
7~9番人気 0-2-0-28
10番人気以下 0-0-1-75
となっている。1番人気は基本信用して良さそうだ。飛んだ2回は14年と19年だが、14年はジェンティルドンナが連覇を狙った1番人気で4着、19年はダービー馬レイデオロが11着に敗れている。このくらいの実績があっても負けるときは負けるので見極めは必要そうだ。2番人気は近5年毎年来ているので、数字よりアテにして良さそう。昨年、一昨年は上位人気だけで決まったが、一昨年は3冠馬3頭の対決、昨年はコントレイルの引退レースという決まって仕方なしの流れだったので、参考にはならないだろう。
これを踏まえて「◎」は15番シャフリヤールとする。
前走は天皇賞・秋(G1)。ジャックドールを前に見る格好で中団を進み、直線で追い上げを図ったが思った通りに伸びず、5着に敗れた。
戦前の段階から「本命はジャパンC」と明言されていたこともあり、いわば叩きの一戦だったと考えられる。海外遠征帰りで直行を選んだのも叩き3戦目にジャパンCが当たることを嫌ってのものと言えそうだ。
勝ったイクイノックスと斤量差が2kgあったことや、パンサラッサの逃げを想定して上手く乗られてしまった結果と言え、この1戦を以て「力不足」と断じるのはいささか早急な気がする。
陣営も天皇賞は展開も流れも向かなかったとして「ダービーを勝った舞台に戻るのを歓迎」「型どおりに良化している」という強気のコメントが出ている。今回はユニコーンライオンの逃げが予想されるが、パンサラッサの逃げとは異質のもの。目標にしてきたレースでかつ前走は負けたとは言え掲示板は確保しており、ここは本命としたい。
「○」は人気薄だが海外馬、1番シムカミルを挙げる。
前走はドウデュースが凱旋門賞の前哨戦に選んだニエル賞(仏G2)。スタートから内ラチ沿いに3番手をキープし、最後の直線で追い出すと一気に抜け出して後続をシャットアウトして勝利した。
前走は凱旋門賞と同じコースで雨こそ降っていなかったが重馬場。きっちり伸びて勝利しているが、ゴール前は一杯になったようにも映った。4走前から長距離戦を使われているが、いずれも稍重以上の渋った馬場で走っている。それで3勝しているので、重馬場が不得手というわけではなかろうが、できれば良で走らせたいのが本音ではないかと見ている。
陣営からは「輸送で神経質になりやすいところがあるが、今回は検疫で体が減ったこともなく良い傾向に見える」として「馬場が合うから参戦した」とこちらも強気のコメントが出ている。
無論、海外遠征自体が初めてな上、これまで柔らかいフランスの馬場しか経験していないので、実際のところ日本の馬場に適性があるかどうかは走ってみないとわからない。陣営のコメントも希望的観測である可能性は十分考慮すべきだろう。
だが、この馬もニエル賞が終わった段階で、凱旋門賞の前哨戦にもかかわらず早々にジャパンCへの出走を検討していると表明していた。それだけの自信があっての遠征と考えれば、ここで一発あっても不思議はない。また、1枠というこのレースと相性がいい枠に入ったことも有利に働く可能性がある。人気がないので、積極的に押さえてみたい。
「▲」も人気薄だが10番ハーツイストワールを推す。
前走はアルゼンチン共和国杯(G2)。中団に控える競馬を進め、直線で追い出しにかかったところでアクシデントの影響を受け、いい脚を使って伸びてきたが届かず2着に終わった。
2月に3勝クラスを脱出してオープン入りしたばかりの馬。オープン初戦にいきなり天皇賞・春(G1)を使って大敗しているが、これは距離も長かった上にやはりG1では荷が勝っていたのだろう。
その後、札幌日経OP(L)を勝っており、適距離が2500m前後であることを証明したと言えよう。そこからの前走2着で、上がりタイムも33秒9と切れる脚を見せた。
勝ち負けとなるとG1での実績が問われるところだが、3着までとなればG1実績がなくても好走した馬はいる。東京巧者であるこの馬が大駆けする可能性は十分あろう。また、鞍上が武豊騎手なのも心強い。あるいは重賞350勝目がここになる可能性まで考慮して押さえてみたい。
「△」は3番ヴェルトライゼンデ、5番グランドグローリー、18番ボッケリーニの3頭とする。
ヴェルトライゼンデの前走はオールカマー(G2)。中団より後ろから競馬を進めていたが、直線に入って内だけ伸びる馬場に苦しめられ、伸びきれずの7着に終わった。
この馬に関してはホープフルS(G1)2着、日本ダービー(G1)3着の実績がある点が強みと言える。重賞自体は2走前の鳴尾記念(G3)を勝っているだけだが連対実績も多く、前走が案外だったせいで人気を落としている感がある。
陣営は「前走の影響はなく、順調」であることをコメントし、鳴尾記念を勝ったD.レーン騎手が再度騎乗することに期待を寄せている様子。実際、先週はセリフォスに騎乗してマイルCS(G1)を制しているほか、その前の週もエリザベス女王杯(G1)でウインマリリンを2着に持ってきており、G1で勝負強さを発揮している。馬の実績も加味して押さえておきたい。
グランドグローリーの前走は凱旋門賞。道中中団に控えていたが、直線に入って外から伸びてきて5着を確保した。
この馬に関しては昨年に続く参戦ということで、まず日本の馬場や競馬の流れについて知見を持っている強みがある。昨年も0.8秒と着差はついたが掲示板を確保する好走を見せており、昨年よりメンバーが落ちている今回はチャンスもあろう。
陣営も「今年の方が調整がスムーズだった」として「内枠を引いたので、ロスなく回れれば」と期待をかけるコメントが出ている。昨年の好走が意外に評価されておらず、馬券妙味もあるので押さえておきたい。
ボッケリーニの前走は京都大賞典(G2)で、中団より前目に位置して直線でよく伸びてきたが、外から上がってきたヴェラアズールに交わされ2着に終わった。
今年に入ってから重賞を4走しているが、いずれも馬券圏内に入る好走を見せている。2年前にオープン入りしており、重賞実績もあるのだが意外にもG1への出走実績がなく、今回が初のG1出走となる。
だが、東京は2戦2勝。距離が100m長いが2走前に目黒記念(G2)も勝っており、相性はいい。陣営からは「今週の追い切りで反応が良くなり理想的な調整ができた」という話が出ている。今年の好調さを維持できているのであれば、ここで足りないということもなかろう。こちらも人気薄で馬券妙味があるので押さえておきたい。
人気どころでは6番ヴェラアズールと14番ダノンベルーガを消し。
ヴェラアズールは前走・京都大賞典で後方待機策から直線外を伸びてきて2馬身半差をつける完勝を演じた。
前走が初重賞でいきなり強い勝ち方をしているので人気になっている面はあろうが、いくら勝っているとは言え、重賞出走経験がこの1走だけという馬がジャパンCのような格の高いG1では通用しないだろう。
加えて鞍上のR.ムーア騎手も勝ち星こそ挙げているが、重賞においてはまるで乗れておらず、この大舞台で一変するかと言われると疑問が残る。
ダノンベルーガの前走は天皇賞・秋で、後方待機策からきっちり伸びて3着を確保している。
前走もそれなりに人気になっており、それに応えるように好走したわけだが、やはり重賞1勝馬であり、春のクラシックは善戦したが皐月賞(G1)も日本ダービー(G1)もともに4着。前走こそ馬券圏内に入ったが、適距離が中距離であることが考えられ2400mでは長い可能性がある。
切れ味は確かな脚だが、キャリア5戦でジャパンCを勝ち負けできるほど、このレースは甘くないだろう。
ということで、今回は敢えて15番シャフリヤールから1番、3番、5番、10番、18番へ流しの3連複10点勝負としたい。シャフリヤール以外はいずれも人気がないので、シャフリヤールさえ走れば、どういう組み合わせでも高配当が期待できる。
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