武豊も納得した「福永祐一先生」の誕生、同じ決断した超大物騎手にも心境の変化

8日、JRAが発表した2023年度の新規調教師免許試験合格者。難関を突破した7名の中に福永祐一騎手の名前があった。
滋賀の栗東トレセン内で会見した福永騎手は「大変うれしく思いますし、いよいよなんだとわくわくしています」と喜びの弁。この朗報は早速、各メディアでも大々的に報じられ、ネットの掲示板やSNSでも「福永調教師」の話題で一色となり、ファンの関心の大きさを物語っていた。
現役騎手で最年長の柴田善臣騎手が56歳、第一人者の武豊騎手が53歳ということを考えれば、45歳の福永騎手の決断は少々早いようにも感じられるが、元々馬づくりに関して意識の高い人物として知られているだけに、タイミングとしては頃合いだったのかもしれない。
元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のTwitterで「おめでとうございます。いいタイミングでの転身やと思うし、向いとると思う。オレなんかと違ってね。ここまで黙っとるのも大変やったでしょ。色んなストレスから解放されて、最後に騎手としても魅せてくれるんやないかな」と好意的なツイート。その他の競馬関係者からも祝福の声が上がった。
また、福永騎手としても父・洋一さんが現役時代に果たせなかったダービー制覇の夢を19回目の挑戦にしてワグネリアン(2018年)で達成。それまで幾度も跳ね返されてきた厚い壁を克服すると、今度はコントレイル(2020年)、シャフリヤール(2021年)で連覇するという離れ業も披露している。
今年の騎手リーディングで96勝を挙げて全国6位、2年前にキャリアハイの134勝を挙げているように、騎手・福永祐一の腕に翳りを見せていた訳ではない。
それでもまだまだトップジョッキーとして活躍する内に第二の人生を選択した背景には、『日刊スポーツ』が報じたように「騎手を続けるモチベーションを調教師になる魅力が上回った」「新しい発見をすることが少なくなっていた」「調教師の話を聞いていると、いろいろ発見があって面白そうだったし、調教師になりたいという思いが強くなった」ということなのだろう。
多くの関係者から祝福の声が届いた中、弟分の福永騎手の成長をデビュー前から見守ってきた武豊騎手も一緒に乗れなくなることに寂しさを感じつつも、調教師としての成功に太鼓判。福永厩舎が開業した際には「チャンスがあれば乗りたい」と騎乗アピールも忘れなかった。
同じ決断した超大物騎手にも心境の変化

その一方、一時は調教師試験の勉強を始めたと噂されていたものの、今年の調教師試験を受けなかったのが横山典弘騎手だ。
先日のチャンピオンズC(G1)をハピに騎乗して3着に入ったが、意外にも思える親切丁寧な長文コメントで関係者を驚かせたことは記憶に新しい。
同日の中京2RでJRA通算2900勝を達成した際にも、「最近は環境を変えて関西で仕事をしていますが、色んないい刺激をもらって楽しく仕事をさせてもらっています。まだまだジョッキーを長く続けたいという気持ちが湧いてきました」とコメントしていたように、調教師への転身はあきらめた様子だった。
「何しろこれまではコメントを出さなかったり、聞きに行っても『馬は頑張ってるよ』と素っ気ない受け答えをしていた騎手が、まるで人が変わったかのような対応。横山典騎手のマスコミ嫌いは有名で、神経をすり減らした記者も少なくありません。そのため、横山典騎手絡みの馬の場合は調教師や助手などに話を聞く事が慣例になっています。現役続行の話を聞いた記者の心中は穏やかではなかったかもしれませんね。
騎乗依頼、勝ち星が激減した数年前に調教師試験を受けていたこともあり、引退間近と考えられていました。ただ、残念ながら不合格となってしまい、近しい人には『俺にはやっぱり勉強は無理だ。もう受けないし、騎手一本で最後まで行くから』と漏らしていたようですから、あの“別人”のようなインタビューとなったのでしょう」(競馬記者)
記者によると、トレセンにいる時や機嫌のいい時には笑顔で接してくれるので、距離が縮まったように感じても、競馬ではまるで人が変わったようになるので非常に接し方が難しいとのこと。拠点を関西に移したことで、接する機会の減った関東の記者たちは胸を撫で下ろしているようだが、関西の記者にとっては頭の痛い話かもしれない。
チャンピオンズCのレース後コメントのような“リップサービス”を、これからも続けてくれればいいのだが……。
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