
「超ハイレベル」だった昨年の函館記念…ブローザホーン、ローシャムパークがG1でワンツー!今年の「不気味な穴馬候補」は?

日曜函館のメインレースは、芝2000mで争われるハンデ重賞の函館記念(G3)。毎年のようにG1昇格の声が出る札幌記念(G2・札幌・8月18日)と比べると、出走メンバーの顔触れが小粒になりやすいものの、昨年はG3とは思えない超ハイレベルだった。
16頭立てで争われた一戦は、1番人気ローシャムパーク単勝4.1倍、2番人気ブローザホーン5.0倍、3番人気アラタ5.8倍、4番人気ルビーカサブランカ8.3倍までが一桁台のオッズ。これに10.3倍で5番人気だったドーブネを加えた5頭が上位人気を形成した。
G1馬とG1・2着馬が出走していた昨年の函館記念
レースはハナを奪ったユニコーンライオンが、1000m通過60秒0の淀みない流れで飛ばし、2番手にテーオーシリウスがピタリとつく展開。先行勢にとって息の入らないタイトな競馬となった。
対する上位人気馬のポジションはドーブネが好位5番手、そこから少し離れたところに外のローシャムパークと内のルビーカサブランカ、アラタと続き、ブローザホーンは鞍上の岩田康誠騎手が後方2番手につける大胆な作戦を採った。
勝負どころとなる3~4コーナーにかけて各馬の動きが慌ただしくなる中、最後の直線で最初に抜け出したのが内から伸びたルビーカサブランカ。だが、このまま押し切るかに思えたタイミングで外から桁違いの末脚を見せたローシャムパークが交わし、最内から猛追したブローザホーンも健闘したものの、3着までが精一杯だった。
もう既にお気づきだろうが、ブローザホーンは今年の天皇賞・春(G1)でテーオーロイヤルの2着に入り、宝塚記念(G1)で待望のG1初制覇を遂げた馬であり、勝ち馬のローシャムパークは大阪杯(G1)でベラジオオペラからクビ差の2着に善戦した馬である。
函館記念を2馬身差で完勝したローシャムパークは、秋のオールカマー(G2)でタイトルホルダーを撃破した際、函館記念に続いて手綱を取ったC.ルメール騎手から「G1レースへ向かうことができる馬」と評価されたほど。G1勝ちの順番こそブローザホーンに先を越された格好だが、秋にはさらなる成長を遂げて復帰してくれるはずだ。
「昨年の函館記念で注目したのは、全力を出して2着に粘り込んだルビーカサブランカの吉田隼人騎手が牝馬でよく頑張ったと評していたのに対し、ローシャムパークのルメール騎手とルビーカサブランカの岩田康騎手が気になるコメントを残していたことです。こうして2人のニュアンスを振り返ると、最初から両馬の一騎打ちだったのかもしれませんね(競馬記者)
ちなみにローシャムパークのルメール騎手は「だんだん強くなってきていますし、まだ伸びしろがあります」、ブローザホーンの岩田康騎手は「本当にエンジンがかかったのはラスト1ハロンでした。差が差だけに悔しいです」と力負けではなかったことを強調。この言葉が間違っていなかったことは、次走の札幌日経オープン(L)や今春の成績でも証明されている。
レースグレードがG3ということもあり、直近でも函館記念優勝馬がのちのG1馬となった例は、サッカーボーイが優勝した1988年まで遡る必要があるほど。そんな中で3着以内に入った2頭がG1級の活躍を演じた昨年は超ハイレベルといえるだろう。
今年もなかなか興味深い顔触れが集まったが、少し不気味な穴馬候補として注目してみたいのはトップナイフ(牡4、栗東・昆貢厩舎)。昨年の菊花賞(G1)で14着に敗れて以来の実戦となるが、3歳で挑戦した昨年の札幌記念(G2)でG1馬を含む強力メンバーを撃破した実力は侮れない。
11日現在、『netkeiba.com』が公開している単勝の予想オッズによると、8番人気前後の想定。配当的な妙味も期待できそうなだけに、狙ってみるのも面白そうだ。
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