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大チャンスでも、やはり「壁」は高い? 悲願の凱旋門賞制覇を目論む日本馬を阻む「欧州最強」ポストポンドの強大さ

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 仏・イスパーン賞を圧倒的な強さで制したエイシンヒカリ。英ブックメーカーでも勝利した直後、エイシンヒカリが今年の凱旋門賞でオッズ1番人気に躍り出るなど、日本のみならず今や世界からも注目される存在だ。

 エイシンヒカリは次走、英プリンスオブウェールズSを使うことが決まっているが、その結果次第で今後の動向が決まるに違いない。鞍上の武豊騎手も同馬の凱旋門賞挑戦を熱望しており、プリンスオブウェールズSを勝てば、挑戦の可能性も大きなものとなるのではないか。

 日本馬は今年、現状で11頭が登録(エイシンヒカリは現状登録なし)。皐月賞馬ディーマジェスティは秋は菊花賞を目指すことが決まっているが、ドゥラメンテや今年のダービー馬マカヒキなど、十分に制覇を期待できる強豪が出走の可能性を表明している。史上空前の厚い層での挑戦もあり得るだろう。

 今年はロンシャンではなく、日本馬にとっても適性が高いとされる(エイシンヒカリが圧勝したことでその思考は強くなった)シャンティ競馬場での開催。いよいよ日本馬が欧州最高の栄誉を手にする時がきたのでは……そう考えるファンも多いに違いない。

 しかし、やはり世界の壁は高く、厚い。それを嫌でも感じさせたのが、4日の英コロネーションC(G1)を快勝したポストポンドである。

 今年のドバイ遠征・ドバイシーマクラシックにおいて、昨年の2冠馬ドゥラメンテに完勝し、「欧州中長距離最強馬」の力を見せつけた同馬。ドゥラメンテが例え落鉄していなくとも勝てたかどうか……。今後は英最高峰レース、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)連覇を狙うようだが、凱旋門賞挑戦の可能性も当然ある。

 タイムフォームレイティング、いわば「民間レーティング」では、エイシンヒカリが133、ポストポンドが132と1ポイントリードしているものの、レースの衝撃度は甲乙つけがたい。凱旋門賞オッズでエイシンヒカリを抜きトップに立ったのもその証明だろう。番手から鋭く抜け出して後は突き放す一方のレースぶりには、どこの国で走っても結果を残せる強固な安定感を感じさせた。

 近年の凱旋門賞において「欧州4歳以上牡馬」の成績は決して芳しいものではなく、例えポストポンドが凱旋門賞に出走したとしてご多聞に漏れず、となる可能性はある。しかし、世界最強クラスの能力を有しているのは現実。日本馬の夢にとって、現状「最大の障壁」となり得る存在といえるだろう。

 欧州では仏ダービー勝利馬アルマンゾールや英ダービーを制したハーザンドなど、各国3歳の頂点の立つ馬たちも続々と登場している。日本競馬の悲願は、やはりそう容易くはなさそうだ。

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