「素手」でも勝つスーパージョッキー・C.ルメール”最大の苦悩”……「主役」か「最強の敵」かにJRAも注目!?
ムチなし!話題沸騰中の新人アイドル騎手・藤田菜七子と共に、先日5日にJRAデビューを飾った新人・菊沢一樹騎手。
デビュー2日目の中山8レース。6番人気デルカイザーに騎乗した菊沢騎手は上々のレース運びだったが、惜しい2着。デビュー初勝利まで、あと一歩だっただけに悔しかったに違いない。
だが、そんな菊沢騎手の”最大の敗因”は、最後の勝負所で抜け出した「勝利ジョッキー」の姿を目にして「唖然とするほどのショック」を受けてしまったせいかもしれない……。
このレースをディープインパクト産駒のソールインパクトで制したのは、この週だけで9勝と”ノリノリ”だったC.ルメール騎手。
ジャパンカップや有馬記念を始め、欧州各国でも数多くの主要G1を制している世界的名手に惜しい勝負をしたのだから、敗れた新人の菊沢騎手にとって本来なら良い経験にはなっても”ショック”を受けることなどないはずなのだが……。
「おい、ルメール素手じゃないか?」
レース後、妙に関係者が騒いでいるので聞いてみると、どうやらルメール騎手がレース中にムチを落としたそう。それで最後の直線、ライバル騎手たちが必死にムチを入れて相棒を激励しているにもかかわらず、ルメール騎手は素手で馬をパンパン叩いていた様子……。
そんな一幕を近くで見ていた菊沢騎手からすれば「そんなのアリかよ!?」と思わずツッコミを入れてしまってもおかしくない。何しろデビュー僅か2日目のレースで、自分の隣で世界的名手が”そんなこと”をしているのだ。
いや、それでも勝ってしまうのが世界的名手たる所以なのかも……。
関係者の話では、その様子は「まるで歌舞伎のよう」で”ある種の美しさ”を感じてしまったという。昨年からJRA騎手として日本で騎乗しているルメール騎手が、京都に住んでいることは知っていたが、こんなところまで”和の心”を出さなくてもいいでしょうに……。
そんな”神業”でディープインパクト産駒のJRA通算1100勝目のメモリアルを飾ったルメール騎手は、その後のメインレース弥生賞(G2)も見事に勝利。今回はさすがにムチを使っていたが「3強対決」といわれていた激戦を制し、コンビを組んだマカヒキを一躍クラシックの主役に押し上げた。
しかし、ここで競馬関係者並びに全国の競馬ファン、そして誰よりもルメール騎手本人が頭を悩ませる”大問題”が発生してしまう。
実はルメール騎手には早くからサトノダイヤモンドという「クラシックはこの馬で決まり」といわれる相棒がおり、今回のマカヒキは代打的な騎乗だったのだ。ところが、そのマカヒキが、2歳王者リオンディーズやエアスピネルらを撃破し「サトノダイヤモンドの最大のライバル」となったから、さあ大変。
もちろん、こんな状況を作り出してしまったのが他ならぬルメール騎手自身なのだから、本人からすれば「自分の才能が恐ろしい」といったところか。まさに、体が2つ欲しい心境だ。
「どちらに乗るか、まだ分かりません」
とりあえず、その日のインタビューではサラリと交わしたルメール騎手。厩舎付き合いなど競馬界特有の”しがらみ”に縛られにくい外国人だけに、先約などの条件がない限りは本当にどちらでも選べる状況だ。
2月のきさらぎ賞を勝った段階で、誰もが今年のクラシックの主役と意識したサトノダイヤモンド。その評価は一部から「ディープインパクト級」ともいわれている。
対して、マカヒキは金子真人オーナーが弥生賞の前から「キングカメハメハ級」と評価。今回のレース内容で、その評価はさらに上がったのではないか。
ディープインパクトとキングカメハメハ……どちらも超ド級の強さで日本ダービー(G1)を勝利し、現在は種牡馬として日本競馬を牽引している二大巨頭。果たして苦悩のルメール騎手は、どちらを選ぶのだろうか。
選ばれた方が「主役」で、選ばれなかった方が「最大の強敵」という構図……。
やはり、今年の3歳牡馬クラシック、そしてルメール騎手の”選択”から目が離せない。
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