レトロパチスロ界の大物…「負けると解っていても、打たなきゃならない台がある」

　今回はレトロ台を溺愛してやまない最後の大物、そして日本初のレトロ台専門サイト『名旧会』会長である『剣（KEN777）』氏にお話を聞きました。そうです、以前お話した当サイトでもお馴染みのレジェンド『アニマルかつみ』氏とも旧知の仲というアノお方です。

　そんな剣さんのパチスロ歴は何と35年！ 実に経験豊富と察しますが0号機や1号機をリアルタイムで触れたことのある貴重な存在といえるでしょう。正に回胴界の生き証人。

　レトロ台に興味を持ち始めたのは1994年頃で、初めて旅打ちに行った地方で見つけたレトロ台に心奪われたとのこと。後でいう『みなし機』などを設置したレトロなホールの雰囲気にも、大変な魅力を感じたそうです。

　それまでは4号機ばかり打っていた剣さんでしたが、すっかりレトロ台の虜に。そしてレトロ台について色々と調べるも扱うHPが全くなく「ならば自分で作るしかない」と思いサイトを立ち上げることにしたそうです。　

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　こうして日本初のレトロ台専門サイトが生まれることになったのですが、これこそがレトロ台の偉大なる第一歩になったことは間違いありません。　

　そのサイト名に『ファイヤーバード』（旧ユニバーサルの1980年代の名機）の名前を冠したことから、アニマルかつみ氏に興味を持たれることになり『パチスロ必勝ガイド』の対談に呼ばれ記事が掲載されるという神展開が。

　そこから火がつきサイトの閲覧も一気に増え、またアニマルかつみ氏とガル憎氏のTHE MAD PACHI-SLOT BROTHER’Sとコラボするなど奇跡のような展開が次々と生じたそうです。

　同時期には旧台倶楽部・昭和名旧会を発足させ、福島や九州を中心とするレトロ台旅打ちツアーを定期的に開催。そして2000年にはレトロ台旅打ち日本一周を達成するという偉業を成し遂げたのです。

　そのために費やした金額は莫大なもので、2006年の『みなし機撤去』ギリギリまで様々なツアーやイベントを展開し旧台を打ちまくったのだそうです。

　一時期集めていた珠玉のパチスロコレクションは結婚を機に全て手放したそうですが、その中には1980年に販売された初のパチスロ機ともいわれる0号機『パチスロパルサー』も含まれていたそうで…その行方が非常に気になるところでもあります。回胴界の歴史的に見ても非常に貴重なパチスロ機ですからね。

　他にも『ファイヤーバード7Ｕ』、『アラジン』、『ウィンクル』、『バニーガール』、『マジカルベンハー』、『アメリカーナマグナム』、『コンチネンタル』シリーズ等は決して忘れることのできない思い出深いマシンなのだそうです（そういう台って皆さんにもありますよね？）。

　最近は普通のパチンコ店に行き遊技されることもないそうですが、「もし今後打ちたい台が登場すれば行くかもしれない」とのこと。休眠ユーザーを掘り起こす意味でも、そういった遊技機の登場には是非とも期待したいところです。

　活動23年目に突入した名旧会は『みなし機』が撤去された時点で実質的な活動は停止中ですが、昨今のレトロ台ゲーセンの活況のおかげで活動も復活しつつあります。「興味がある方はDMやtweetでご連絡頂ければいつでもメンバー入りが可能なのでご興味ある方はいつでも歓迎します」とのことです。　

『男には、負けると解っていても、打たなきゃならない台がある』…これをモットーに走り続けてきた剣さん。損得抜きにレトロ台を打ちまくったのが唯一の誇りとのこと。そしてこれからも、レトロパチスロ界のアイコンとして走り続ける剣さんを心から応援したいと思います。

リンク
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剣@昭和名旧会さん (@ken_seventh) / Twitter

KEN777’s FIRE BIRD　旧台倶楽部　昭和名旧会 (fc2.com)

（文＝電撃しらっち）
<著者プロフィール>
業界歴30年。遊技機販売業など様々な業種を経験し、現在はライターとしての活動にも力を入れている。レトロパチンコ・パチスロの実戦記事や、業界関係者への取材記事も担当。羽根モノや一発台を特集するなど、オールドファンにも響く内容も積極的に作成している。