シリーズ最強クラスの「ゲキ甘ボーダー」を実現！ 待望のビッグタイトル最新作、その優秀すぎるスペックが逆に足かせに？

　2月6日、『大海物語』シリーズの正統後継機としてSANYOから『P大海物語5』(以下大海5)が導入されます。スペックはこれまでの海シリーズの中でもトップクラス。個人的な感想は「過去最高のスペック」「カスタムも搭載で文句なし」といったところです。

　そんな優秀スぺックを実現した『大海5』。ただ、私の予想としては「長期的な稼働を維持していくのは難しいのではないか」と思っています。理由を述べる前にまずはスペックを見てみましょう。

進化を遂げた安定スペック

■大当り確率：約1/319.6→約1/31.9
■確変割合：60％
■カウント・ラウンド：10カウント・10ラウンド
■時短　100回転
■大当り出玉：ALL1500個
「振り分け」
・1500個＋確変：60％、1500個（通常）：40％

〇〇〇
　スペックは1/319のミドルタイプで確変の割合が60%。残りの通常40%を引いても時短100回が付与され、出玉はALL10R1500発というお馴染みの安定スペックとなっています。

　先代『P大海物語4SP』との違いは、確変の割合が52%から60%にアップ、電サポでの通常大当り時の時短が120回から100回にダウンしたこと。そして遊タイムの廃止です。　　　　　

　そんなスペックに対し、ユーザーからは「確変の割合が60%は強い」「遊タイムがないのは個人的に嬉しい」などポジティブな意見が多くあがっていますが…。

甘い＝稼働に繋がるわけではない

　冒頭で述べた「稼働を維持するのは難しい」と思う理由、それはボーダーの甘さにあります。『大海4SP』が等価ボーダー20回転前後に対して、今回の『大海5』は17回転弱だと言われています。

　最近導入されたサンセイR&Dの『Pゴッドイーター神がかりVer.』もボーダー約16回転という激アマスペックを実現していますが、もうすでにホールでは空き台が目立っています。ネット上では「通常時がシンプルで良い」「スペックは現行機最強レベル」などと好評の声もあがっていますが、それでも稼働が伸びない原因はやはり「回らない」からでしょう。もちろん、大都技研の大ヒット機種『P Re:ゼロから始める異世界生活 鬼がかりver.』といったような例外もありますが、基本的にボーダーが低い機種は長期稼働しにくい傾向にあるのです。

　実際、ホールで打ち続けられている機種はビスティの『新世紀エヴァンゲリオン ～未来への咆哮〜』や、SANKYOの『Pフィーバー 機動戦士ガンダムユニコーン』など、ボーダーが18回転前後というホールが扱いやすいスペックがメインです。皆さんも、ボーダーより下でも17回転ぐらい回るのであれば、まだ打ち続けられますよね。逆に、ボーダーが17で、1000円で14とか15ぐらいしか回らない台は打つ気が失せてしまうことでしょう。

　新台の『大海5』を前作『大海4SP』と同じように甘く運用すれば、ホール側の大きな赤字は目に見えますし、だからといって利益を優先にしてしまうとユーザーが離れていきます。利益を確保しつつ如何に稼働を維持させるか、ここがホールの腕の見せ所ではありますが、実際は相当厳しいのでは？というのが、「稼働を維持するのが難しい」と思う理由です。

「販売台数の少なさ」が自信のなさを表している？

『大海5』は約30000台販売予定とのことですが、累計６0000台以上販売したとされる『大海4SP』と比べると、その台数は2倍以上減っているのです。スペックは過去最高クラスですが、メーカーが「これを扱えるホールが少ない」と判断してのこの台数なのでしょうか。あるいは、昨今の半導体不足が影響しているのか…。

打つなら導入週しかない!?

　いずれにせよ、業界が誇る絶対王者『海物語』のシリーズ最新作ですから、導入週から“抜きまくる”なんてことはさすがにしないでしょう。ホールは扱いが難しいとは思いますが、少しでも長く稼働してくれることを願っています。

　なお、ホール導入日は2月6日を予定。とりあえずは、導入週に一撃万発を目指して打ちに行きたいと思います。