
その強さ、鬼神のごとし――中山記念(G2)ドゥラメンテ完勝で、世界の頂点が見えた!

日本競馬の「エース」がどの馬なのか、誰もが理解しただろう。
28日、中山競馬場で行われた「中山記念(G2)」で、1番人気のドゥラメンテ(牡4歳 美浦・堀厩舎)が、並み居る強豪を完封して勝利。昨年の骨折から9か月ぶりの休養を挟みながらも、その強さに曇りは見られなかった。
昨年の2冠馬ドゥラメンテをふくむG1馬3頭に加え、2番人気には昨年ドゥラメンテの壁に屈した強豪・リアルスティール(牡4歳 栗東・矢作厩舎)や、同世代の素質馬アンビシャス(牡4歳 栗東・音無厩舎)など、レースのずいぶんと前から「最強のG2」として多くの注目を浴びた同レース。パドックや本馬場にはG1なみの人があふれ、売店のハンバーガーもなくなってしまうほどだった。

休養明けということもあり、ドゥラメンテの馬体重は前走の日本ダービーから+18キロ(502キロ)。本来なら”太め”と判断されるところだが、3歳からの成長分という考え、パドックでの引き締まった馬体からは違和感はなかった。
レースはカオスモス(牡6歳 栗東・森厩舎)がハナに立ち、2馬身後ろにロゴタイプ(牡6歳 美浦・田中厩舎)など3頭がつける展開で向こう正面へ。5番手につけるドゥラメンテを、リアルスティールやイスラボニータ(牡5歳 美浦・栗田厩舎)がマークする形で追走。後方ではアンビシャスなどが脚を溜めている。1000m59.4秒と、やや速めのペースとなっていた。
後半の3、4コーナー中間で、抑えきれないようにドゥラメンテが前へと進出。直線に入るころにはすでに先頭を捉える勢いだった。ピッタリとマークしたリアルスティールの鞍上・福永祐一も追い出すが、エンジンのかかったドゥラメンテに完全に置いていかれてしまう。直線半ばで先頭に立ったドゥラメンテは、そのまま後続を突き放す。最後の最後で2番手に立ったリアルスティールを外後方から伸びてきたアンビシャスが差し、ドゥラメンテにも追いすがるが、クビ差でドゥラメンテが勝利。
休養明けがウソのような、堂々たる、そして余裕ある勝利。鞍上のM.デムーロ騎手もそこまで必死にムチで叩いてもいなかったように映った。まさに「鬼神」のごとき強さ。これなら先のドバイ遠征にも安心して送り出せる。

2着のアンビシャスの切れ味は、同レースでも一番の収穫といえる。今後G1を沸かす存在になるだろう。3着のリアルスティールもがんばってはいたが、やはり一枚足りない印象が否めない。
Mデムーロ騎手は、これで騎乗機会「5連続重賞勝利」。しかもJRA通算500勝のおまけつき。2着のアンビシャスに騎乗したのがC.ルメール騎手だったので、先週のフェブラリーS(G1)に続くワンツーフィニッシュとなった。この「黒船」の勢いはどこまでつづくのだろうか。ファンの間で「宗教」すらできてしまいそうな強さである。
~レース結果~
1着:9番ドゥラメンテ(M.デムーロ)
2着:10番アンビシャス(C.ルメール)
3着:2番リアルスティール(福永祐一)
~一部配当~
単勝:9「210円」(1人気)
馬連:9-10「800円」(3人気)
馬単:9→10「1,100円」(3人気)
三連複9-10-2「920円」(2人気)
三連単9→10→2「3,780円」(5人気)
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