
【徹底考察】スプリングS(G2) ロードクエスト「正当評価される頃には、後のマツリダ!?」

「異端児」
「もう、今年のクラシックの勢力図は見えたな」と誰かが言った。
「サトノダイヤモンド、マカヒキ、リオンディーズの3強対決だな」と誰かが応えた。
でも、彼らは知らない。ここ10年で最も皐月賞馬を送り出しているのが、スプリングS(G2)であることを。
「ロードクエスト? あれはたいしたことないよ」「共同通信杯でボロ負けのハートレーに負けたからな」
でも、彼らは見ていない。グレード制導入以降、無敗の皐月賞馬が僅か6頭しかいない事実を。失敗が人を強くするように、敗戦がサラブレッドを強くするということを。
例え、ここをロードクエストが勝ったとしても、人々の見方は変わらないだろう。一度固まってしまった評価は、そう簡単には崩れない。確固たる”真実”を目にするまでは。
その様はまるで、人々に全く評価されないまま、不当な人生を生き抜いた「狂気の天才」フィンセント・ファン・ゴッホの生涯に似ている。
だからこそ、正当に評価されるのは、皐月賞の後でいい。その時になって「後の祭りだゴッホ」と思い知ればいい。
良血揃いのクラシックに、マツリダゴッホ産駒の”異端児”ロードクエストが殴り込みをかける。
『考察』
前走ホープフルS(G2)で先着を許したハートレーが2月の共同通信杯(G3)で惨敗したせいで、微妙になっているのが本馬の評価だ。ただ、先に結論から述べると、スプリングS(G2)では頭一つ抜けたポテンシャルは持っているはずだ。
デビューは、昨年6月の東京のマイル戦。スタートで出遅れ後方からの競馬になったが、最後は大外を回って難なく差し切った。メンバー最速だった上がり3ハロン33.2秒も然ることながら、簡単にねじ伏せた2着ブレイブスマッシュが後のサウジアラビアロイヤルC(重賞)の勝ち馬。新馬戦としては極めて優秀な内容だった。
続く新潟2歳S(G3)では1番人気に推されながらも、またもスタートで出遅れ。結果的に後の阪神JF(G1)2着のウインファビラス以下を4馬身ちぎり捨てた結果は、まさに圧巻の一言。もちろん、メンバー最速の上がり3ハロン32.8秒、稍重ながら全体時計1:33.8は非常に優秀。2年前の勝ち馬で桜花賞馬のハープスターと比較しても遜色ない結果といえる。
ただし、これはゴールドシップの皐月賞のように、荒れた馬場を嫌って全馬が外を回っているところを内に突っ込んだ結果であることは押さえておきたい。つまり新潟2歳Sの内容は評価しても、過信するのは禁物であるということだ。
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