
【徹底考察】阪神大賞典(G2) トーホウジャッカル「『3分間の奇跡』を再び見せる時がやってきた」

「反抗」
2014年、菊花賞――。その馬は、「世代」の最強を証明した。
『抜けた! 2番、トーホウジャッカル! リードは体半分! 内から追って4番サウンズオブアース! 3番手10番ゴールドアクター!』
刻まれた日本レコードは、今なお名立たるステイヤーたちを震え上がらせる。
『トーホウジャッカル、ゴールイン! トーホウジャッカルです!』
あれから2年。3冠を分け合ったライバルたちは、その強さを証明できずにいる。人々の記憶の中から、自分たち2014年世代が繰り広げた激戦は消え去ろうとしていた。
そんな中で起こった昨年末の有馬記念。盟友ゴールドアクターとサウンズオブアースの激走に、長く燻ぶっていた魂に火が付いた。
立ち上がれ同世代よ、若き世代が超えるべき高き”壁”となるために。宿敵が強さをくれる限り、反抗を諦めるな。
サラブレッドは走ることでしか、己の存在を証明できないのだから――。
そして今、「3分間の奇跡」を再び見せる時がやってくる。最強ステイヤー・トーホウジャッカルが、”春の淀”に向けて阪神大賞典(G2)に挑む。
『考察』
2014年の菊花賞(G1)は、日本レコードを更新する強い内容。展開的にもそれほど恵まれたわけでもないので、その価値は決して低いものではない。ほぼ完ぺきに立ち回ったサウンズオブアースを下したのだから、あの時の能力さえ発揮できれば今後もG1制覇の可能性は十分にあるはずだ。
ただ、問題は当時の力が今も残っているのかどうか。
報道では、1週前の時点で馬体重が520kg(前走比+34㎏)あるとのことだが、当然このまま出走とはいかないだろう。もともと体質が弱い馬なだけに、単純に今後のコンディショニングの負荷に耐えられるかどうかも気になるところだ。
また、似たような例として、今月の中山記念で復帰したドゥラメンテの1週前の馬体重が前走比+33kgと話題を呼んだが、レースでは+18kgに絞れて快勝した。しかし、それとは馬も、厩舎も異なるので単純に「大丈夫」とはいえない。当日の馬体は要チェックだ。
前走は昨年8月の札幌記念(G2)だったが、1番人気ながら8着に大敗。好位の4番手からレースを進めたが、最後の直線では何の見せ場もなく後退している。状態面に不安があったこともあるらしいが、陣営はそれ以上に洋芝への適性の無さを敗因に挙げていることもあり、度外視することもできる。
ならば、前々走の宝塚記念(G1)を参考にするしかないが、中団からしぶとく伸びて4着した内容は上々。負けたラブリーデイは後に秋の天皇賞(G1)を、ショウナンパンドラがジャパンカップ(G1)を勝っただけに、本馬が菊花賞以来のレースだったことを考慮すれば十分な内容だったといえる。
昨年末の有馬記念(G1)で、トーホウジャッカルが菊花賞で下したゴールドアクターとサウンズオブアースが1、2着したのだから、本馬にも復活して古馬戦線を盛り上げてほしいものだ。
PICK UP
Ranking
5:30更新「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
宝塚記念(G1)団野大成「謎降板」に関西若手のエースが関係!? 武豊の不可解な登場と突然のフリー発表…関係者を激怒させた「素行不良」の舞台裏
浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 未勝利ルーキーが「深刻理由」で乗鞍激減!?度重なる失態に師匠からはお灸、エージェントも契約解除の大ピンチ
- JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
- 【阪神C(G2)展望】武豊“マジック”でナムラクレア、ママコチャを破った重賞馬が待望の復帰戦! 短距離界の有馬記念に豪華メンバーが集結
- 「世代最強候補」クロワデュノールは本物なのか?ホープフルSで下馬評を覆す最強刺客
- 天才の息子・福永祐一は何故「天才」と呼ばれないのか? 「漁夫の利」に集約されたシュヴァルグランでの「決意」に落胆