
JRA皐月賞の「穴馬」ガロアクリークは日本ダービーも「買い」!? キンシャサノキセキ産駒の「異端児」が好走できる理由
19日に行われた皐月賞(G1)はコントレイルがサリオスとの叩き合いを制し、無敗の皐月賞馬誕生となった。2頭の白熱したマッチレースに続いて、3着でゴールした8番人気ガロアクリークに驚かされたファンも多いのではないだろうか。
11月に芝2000mの新馬戦を勝利したガロアクリーク。続く2戦目はホープフルS(G1)に挑戦するも、G1の壁に跳ね返され11着に沈んだ。その後、芝2200mの水仙賞(1勝クラス)でも4着に敗れてしまう。
皐月賞トライアルのスプリングS(G2)では、近走の成績不振から6番人気の低評価。だが、それをあざ笑うかのように、ヴェルトライゼンデ、サクセッションといった人気馬を退け勝利し、皐月賞の切符を手に入れた。
そして迎えた本番・皐月賞。ガロアクリークはトライアル優勝馬にもかかわらず、またしても8番人気の低評価だったのだ。
「この低評価の原因は、まずはフロック視されていたことにあります。それに加えて、『血統』も影響しています。父キンシャサノキセキの産駒は父同様に短距離馬が多いため、ガロアクリークのスプリングSから200mの距離延長はマイナスと捉えられていました。その結果、スプリングSで下したヴェルトライゼンデよりも人気が低かったわけです」(競馬記者)
実際にキンシャサノキセキ産駒のこれまでの芝2000mの勝率は、19日現在でわずか4.4%しかない。また芝1800m以上の距離では、ガロアクリークを除くとこれまで重賞で馬券に絡んだ馬は1頭もいないのだ。この産駒の傾向からすれば、皐月賞で軽視されていたことにも頷けるだろう。
皐月賞で低評価を覆し3着に入ったガロアクリークは、次走に日本ダービー(G1)を予定している。こちらでも軽視は禁物かもしれない。
「ガロアクリークはキンシャサノキセキの産駒としては、突然変異として捉えた方が良さそうです。同産駒としては珍しく距離をこなせることを皐月賞で完全に証明しました。さらにスプリングSでスローの切れ味勝負のレースを制しており、皐月賞では力のいる馬場で好走しました。展開、馬場不問に思えるため、日本ダービーでも侮れない存在です」(別の記者)
またキンシャサノキセキの父フジキセキ産駒でも、過去に同じようなことが起こっている。
フジキセキ産駒はキンシャサノキセキやストレイトガールに代表されるように、活躍馬の多くは短距離が中心だ。しかし、同産駒のドリームパスポートは皐月賞で2着、日本ダービーで3着と人気薄の低評価を覆す好走をした。また皐月賞馬イスラボニータも、日本ダービーで2着と結果を出している。
キンシャサノキセキの産駒では、初めて芝レースの重賞で距離をこなしたのがガロアクリークだ。祖父フジキセキの産駒がダービーで好走していることは、大きな後押しになるだろう。
皐月賞の馬券で悔しい思いをしたファンは、日本ダービーではおさえておいた方がいいかもしれない。
PICK UP
Ranking
17:30更新横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 「正直なところ辟易としています」武豊が巻き込まれた29年前のアイドルホース狂騒曲…レース前に明かしていた「コンビ結成」の裏話
- 【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
- 横山典弘「27年ぶり」ドバイ決戦へ。「自分の命と引き換えに僕を守ってくれた」盟友ホクトベガの死で止まった時間…今度こそ無事完走を