GJ > 競馬ニュース > 立ち塞がる「三冠馬世代の宿命」とは
NEW

JRA武豊と「未完の大器」が散った負の歴史……アリストテレス、ヴェルトライゼンデ、サトノフラッグに立ち塞がる「三冠馬世代の宿命」とは

JRA武豊と「未完の大器」が散った負の歴史……アリストテレス、ヴェルトライゼンデ、サトノフラッグに立ち塞がる「三冠馬世代の宿命」とはの画像1
サトノフラッグ JBISサーチより

 24日、中山競馬場で開催される今年のAJCC(G2)の主役は、三冠馬コントレイルを相手に昨年のクラシックで活躍した明け4歳馬3頭だ。

 弥生賞ディープインパクト記念(G2)を勝って菊花賞(G1)でも3着したサトノフラッグ、日本ダービー(G1)で3着して神戸新聞杯(G2)でもコントレイルに迫ったヴェルトライゼンデ、そして菊花賞で三冠阻止にあと一歩の2着だったアリストテレス……。

 いずれも、打倒コントレイルの筆頭に名を連ねるために、ここはしっかりと結果を残しておきたい存在であることは述べるまでもない。今年のAJCCは、そんな若き次代の旗手たちによる3強対決といった様相だ。

 しかし、彼らが今後、打倒コントレイルどころか、他のビッグレースでも苦戦を強いられるであろうことは、これまでの「歴史」が物語っている。

 昨年のコントレイルを含め、競馬界にはこれまで8頭の牡馬三冠が誕生したが、クラシック戦線で歴代の三冠馬を苦しめた名脇役たちは、何故か古馬になって期待されたほどの活躍ができていない。

 実際に、皐月賞(G1)にグレード制が導入された1984年(ミスターシービー世代が4歳)以降、ミスターシービーを含め、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、ディープインパクト、オルフェーヴルらが牡馬三冠を達成したが、クラシック三冠レースで馬券になった馬が古馬になって王道路線のG1を勝った例は皆無……。

 マイル以下やダートでG1を勝つことはあっても2000m以上のG1を勝ち、同世代の三冠馬に替わって競馬界の主導権を握ったことは一度もないのが現実だ。

「有名なところではナリタブライアンが三冠を制した年に日本ダービーで2着、菊花賞でも3着したエアダブリンでしょうか。その後、ステイヤーズS(G2)、ダイヤモンドS(G3)を連勝して、ナリタブライアン不在の天皇賞・春(G1)では1番人気に推されました。

しかし、結果は5着。宝塚記念(G1)でも3着と、決してチャンスがない馬ではなかったんですが結局、G1勝利を手にすることなく引退しています。

もう1頭は、オルフェーヴル世代のウインバリアシオンでしょう。こちらも日本ダービーと菊花賞で2着するなど実力は確かでしたが、やはりG1には手が届かず。特にオルフェーヴルの引退レースとなった有馬記念(G1)では2年ぶりにワンツーゴールを達成しましたが、8馬身差というあまりにも衝撃的な幕切れでした」(競馬記者)

「可能性」という点で、上記に2頭に勝るとも劣らないのが、ディープインパクトが三冠を達成した年に皐月賞2着、日本ダービー3着と活躍したシックスセンスだろう。

JRA武豊と「未完の大器」が散った負の歴史……アリストテレス、ヴェルトライゼンデ、サトノフラッグに立ち塞がる「三冠馬世代の宿命」とはの画像2

 菊花賞で4着だったシックスセンスは、その年の香港ヴァーズ(G1)で当時の世界女王ウィジャボードに食い下がる2着。明け4歳の初戦・京都記念(G2)では、武豊騎手と新コンビで組んで単勝1.8倍に応える勝利を飾った。

 まさに、打倒ディープインパクトの筆頭に立った瞬間だったが、その後に右前の浅屈腱炎を発症……そのまま無念の引退となった。

 あれから15年が経ち、今年もクラシックで三冠馬に迫った素質馬たちが次々と始動戦を迎えている。冒頭で挙げたアリストテレス、ヴェルトライゼンデ、サトノフラッグはAJCCの勝利を飛躍の糧にして、春の主導権を握ることができるだろうか。

 数々の強豪が涙を飲んだ「三冠馬世代の宿命」を今度こそ打ち破ってほしい。

JRA武豊と「未完の大器」が散った負の歴史……アリストテレス、ヴェルトライゼンデ、サトノフラッグに立ち塞がる「三冠馬世代の宿命」とはのページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

17:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. 横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
  2. 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
  3. 武豊やC.ルメールでさえ「NGリスト」の個性派オーナーが存在感…お気に入りはG1前に「無念の降板」告げた若手騎手、過去に複数の関係者と行き違いも?
  4. 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
  5. JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
  6. 「正直なところ辟易としています」武豊が巻き込まれた29年前のアイドルホース狂騒曲…レース前に明かしていた「コンビ結成」の裏話
  7. 【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
  8. 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
  9. 「3大始祖」消滅の危機……日本で「2頭」世界で「0.4%」の血を残すべく立ち上がったカタール王族の「行動」に称賛
  10. 横山典弘「27年ぶり」ドバイ決戦へ。「自分の命と引き換えに僕を守ってくれた」盟友ホクトベガの死で止まった時間…今度こそ無事完走を