
JRA ノーザンファーム「14年ぶり」屈辱からの大逆襲! 絶対王者の底力を見せつけた快進撃…… コントレイル、デアリングタクトに降りかかる脅威

生産界の絶対王者が完全復活だ。
フェブラリーS(G1)はカフェファラオ、高松宮記念(G1)はダノンスマッシュが優勝したが、大阪杯(G1)レイパパレ、桜花賞(G1)ソダシ、皐月賞(G1)エフフォーリアと、ここへきてノーザンファーム生産馬がG1を3連勝と手が付けられない状況である。
昨年のクラシック戦線では1勝も挙げることなく、コントレイルとデアリングタクトの軍門に下ったノーザンファーム。ノースヒルズ産のコントレイル、長谷川牧場産のデアリングタクトの前に送り込んだ刺客はすべて返り討ち。毎年のように勝ち馬を送り込んでいたクラシックが未勝利に終わったのは2006年以来、14年ぶりの屈辱だった。
その一方で、反撃の狼煙はすでにジャパンC(G1)から始まっていた。
新旧三冠馬の対決が実現したことにより、空前絶後のハイレベルといわれたレースでアーモンドアイがコントレイル、デアリングタクトに貫録を見せつける勝利。現役最強馬の座を守るどころか、無敗で三冠馬となったコントレイルから年度代表馬の栄誉すら奪い去った。
今年のクラシック戦線でも盤石の態勢だったといえる。
昨年の2歳G1を優勝した阪神JF(G1)のソダシ、朝日杯FS(G1)のグレナディアガーズ、ホープフルS(G1)のダノンザキッドはいずれもノーザンファームの生産馬。桜花賞も制したソダシに対し、グレナディアガーズ、ダノンザキッドが復帰戦を敗れる誤算があったとはいえ、皐月賞を優勝したのはエフフォーリアだった。
既存の勢力図を塗り替えたのもまたノーザンファーム出身ということも層の厚さを物語っている。大阪杯でコントレイルを破ったレイパパレにしても同じ。ここまで来ると、本記事中で何回ノーザンファームが出たのかですらクイズになるくらいである。
だが、この快進撃はまだまだ続く可能性が高いのだ。
桜花賞でワンツーフィニッシュしたソダシ、サトノレイナス、皐月賞で2着馬にナリタブライアンやオルフェーヴル以来となる3馬身差をつけたエフフォーリア。この分だとオークス(G1)、日本ダービー(G1)も持っていきそうな勢いだ。
さらに注目したいのはソダシもエフフォーリアも無敗馬ということである。
このまま2頭が順当に勝ち続け、無敗の三冠馬にまで上り詰めでもすれば、昨年のコントレイル、デアリングタクトに続いて2年連続で歴史的偉業が達成という未来があっても不思議ではないだろう。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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