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JRA “最有望株”嶋田純次は「崖っぷち」!? 競馬学校“不運”の27期生が続々ブレークも…… ラジオNIKKEI賞(G3)アサマノイタズラで「重賞初V」なるか

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アサマノイタズラ 撮影:Ruriko.I

 7月4日に福島競馬場で行われるラジオNIKKEI賞(G3)。29日現在、『netkeiba.com』の予想オッズで5.0倍の4番人気に支持されているのがアサマノイタズラ(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。

 2走前のスプリングS(G2)で、ヴィクティファルスの2着に激走し、皐月賞(G1)の切符を獲得。本番では4~5番手の好位につける積極的な競馬を見せたが、直線で失速して16着に敗れた。そんなアサマノイタズラとともにG1初騎乗を果たしたのが嶋田純次騎手だ。

 今年3月に28歳になった嶋田騎手は、騎手生活11年目の競馬学校27期生だ。現役では横山和生、藤懸貴志、森一馬、杉原誠人という4人の同期がいる。

 27期生が競馬学校を卒業し、騎手デビューを果たしたのは2011年3月。東日本大震災が直撃したまさにその月だった。

「あの年にデビューした騎手は、初騎乗翌週の金曜日に震災に見舞われました。彼らは1年目の初っ端から競馬どころではない環境で不便を強いられました。デビュー2週目のレースは全て中止。その後は阪神と小倉の2場開催が1か月以上も続きました。ようやく関東圏でレースが行われたのは4月下旬。特に美浦所属の新人には不運ともいえる騎手人生のスタートとなりました」(競馬記者)

 そんな27期生の中で1年目最多となる18勝を挙げたのが嶋田騎手だった。2年目にも18勝、3年目には21勝を挙げ、乗り鞍の数も安定していた。しかし、落馬によるケガが嶋田騎手に襲い掛かる。2年目と3年目にそれぞれ約3か月間の戦線離脱を経験。特に3年目に負った右膝じん帯断裂の重傷は、減量特典がなくなるタイミングとも重なり、復帰後は騎乗機会を大きく減らしてしまった。

 一度狂ったリズムはなかなか戻らない。4年目をまさかの1勝で終えると、その後も年間勝利数は1桁で推移していた。そんな崖っぷちの状態で出会ったのがアサマノイタズラだった。

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 同期の活躍も刺激になっているのだろう。同じ美浦の横山和騎手は、すでに自己ベストを更新する40勝を挙げ、全国リーディングトップ10をキープしている。

 他にも栗東の同期、藤懸騎手は、先月のオークス(G1)で16番人気ハギノピリナを3着に導き、つい先日のマーメイドS(G3)で重賞初勝利を飾った。森一騎手はメイショウダッサイとのコンビで昨年の中山大障害(G1)に続き、4月の中山グランドジャンプ(G1)を制覇。27期生はそろって存在感を発揮している。

 ちなみに、横山和騎手、藤懸騎手、森一騎手の3人が1年目に挙げた勝利数はそろって4勝(杉原騎手は7勝)。18勝を挙げた嶋田騎手が同期の中では頭一つ抜けた有望株だったのは間違いない。

 決してうまく乗ったとはいえない皐月賞のリベンジを果たすためにも、嶋田騎手にとってこのレースは非常に重要な一戦となりそうだ。同期生の勢いを借りて重賞初制覇はなるだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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