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JRA横山典弘マジック再び? 自身の「進言」で挑む毎日王冠(G2)でウオッカを差し切ったアノ馬の激走再来なるか?

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 10日に行われる毎日王冠(G2)は、秋の東京開催の開幕を飾る名物重賞。今年で72回を数える同重賞の歴史は古く、例年ハイレベルなメンバーが集結する。

 歴代の優勝馬は、豪華メンバーがズラリ勢揃い。1988年と翌89年は、あのオグリキャップが堂々の連覇を果たし、98年には「伝説の逃亡劇」を演じたサイレンススズカが優勝。近年もエイシンフラッシュやエイシンヒカリなどが優勝馬に名を連ねている。

 こうした稀代の名馬たちに対して、決してヒケをとらないのがカンパニーだ。

 2009年の毎日王冠ではあのウオッカを相手に、鮮やかな差し切り勝ち。次走の天皇賞・秋に続きマイルCS(ともにG1)を連勝するなど、史上初の8歳馬によるG1制覇を達成した同馬の“覚醒”のきっかけとなったのが、当時の毎日王冠である。

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 その際、カンパニーの“覚醒”を引き出したのが、今でも現役ジョッキーとして大活躍している横山典弘騎手だ。明け7歳を迎えた08年3月の中山記念(G2)で初コンビを組んだ同騎手は、積極的な先行策で快勝。直線一気の脚質が災いして、一歩及ばないレースぶりが目立った同馬の積極策は、周囲をアッと言わせた。

 同年秋のG1戦線では末脚勝負に戻って結果を出せなかったものの、翌09年の中山記念は、再度の先行策で連覇達成。同年の宝塚記念(G1)では他馬に騎乗予定があった横山典騎手から岩田康誠騎手にチェンジするも、先行策を継続。4着に好走するなど、脚質転換の効果はジワジワと表れてきた。

 そして迎えた09年の毎日王冠。道中5・6番手をキープして進んだカンパニーは、ゴール前でウオッカとの叩き合いを制して勝利。その後のG1連覇は前述の通りだが、“覚醒”の要因となったのは脚質転換であり、その“新境地”を切り開いたのは、紛れもなく横山典騎手であった。

 実は今年の毎日王冠にも、横山典騎手によって“新境地を”切り開く可能性のある馬が出走する。前走8月の朱鷺S(L)で勝利した同騎手が継続騎乗するカイザーミノル(牡5歳、栗東・北出成人厩舎)だ。

 横山典騎手が同馬に初騎乗したのは、昨年10月末のキタサンブラックM(3勝クラス)での出来事。レース後にブリンカー着用を勧めたといい、管理する北出師は「騎手の進言でブリンカーを着けてから、いろんなレースで結果を出せるようになりました」と語っている。

 実際にカイザーミノルの以降の重賞成績をみると、今年3月のオーシャンS(G3)は掲示板確保の5着、4月のマイラーズC、5月の京王杯スプリングC(ともにG2)も、それぞれ3着と好走。1200mから1600mまで自在に対応するレースぶりをみせている。

 さらに今回の毎日王冠について北出師は、「ジョッキーから開幕週の馬場で走らせてみたいということもあり、ここを使ってみる」とコメント。横山典騎手の提案によって、今回の出走を決めたという経緯もある。

 進言したブリンカー着用で、カイザーミノルの自力も強化中。さらに同騎手が開幕週の馬場を使うことを進言したとなれば、その結果は注目必至といえるだろう。馬を知り尽くしたベテラン騎手しか知り得ない独特の“感性”による進言がきっかけとなり、カイザーミノルが前述したカンパニーのように“覚醒”する可能性があるかもしれない。

 遡ること12年前、4番人気カンパニーで単勝1.3倍の圧倒的人気に推されたウオッカを撃破した当時のように、今年の毎日王冠でも伏兵・カイザーミノルでアッと言わせる騎乗ぶりをみせてくれるか。横山典騎手の「マジック」再来に期待したい。

(文=鈴木TKO)

<著者プロフィール> 野球と競馬を主戦場とする“二刀流”ライター。野球選手は言葉を話すが、馬は話せない点に興味を持ち、競馬界に殴り込み。野球にも競馬にも当てはまる「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」を座右の銘に、人間は「競馬」で何をどこまで表現できるか追求する。

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