
JRA安藤勝己氏「とんでもないオーナーや」金子真人オーナーが秋華賞(G1)の話題独占!?

17日、阪神競馬場で開催された秋華賞(G1)は、4番人気のアカイトリノムスメ(牝3、美浦・国枝栄厩舎)が優勝。三冠ラストの最終章でようやく待望のG1タイトルを手に入れた。
「強いアイドルホースがいましたが、最後の一冠でこの馬に乗せてもらい嬉しかったですし、勝てて良かったです」
レース後のコメントでそう振り返った戸崎圭太騎手だが、アカイトリノムスメとのコンビは、2月のクイーンC(G3)の勝利を最後に他の騎手へと乗り替わった経緯もある。
春の二冠は桜花賞(G1)が横山武史騎手で4着、オークス(G1)ではC.ルメール騎手で2着に惜敗していたが、初G1勝利へと導いたのは3戦ぶりのタッグとなった戸崎騎手の手綱だった。戸崎騎手としてもG1レースの優勝は、昨年12月のチャンピオンズC(G1)をチュウワウィザードで制して以来。会心の勝利に喜びもひとしおに違いない。
その一方で、単勝オッズ1.9倍の断然人気に推された愛馬のソダシが10着に敗れながらも、今月に入って再開された口取り式で満面の笑みを見せたのが金子真人オーナーだ。秋華賞にソダシをはじめ、アカイトリノムスメ、ミスフィガロの3頭を送り込んだ豪運の持ち主らしく、大本命馬が敗れても秋華賞勝利の栄誉を手に入れた。
これには元JRA騎手の安藤勝己氏も自身の公式Twitterにて「ソダシが走らんでも金子さんはアカイトリノムスメの勝利で笑顔。とんでもないオーナーや」と発信。強運どころか「豪運」の持ち主ともいえる金子オーナーに驚愕していた。
アカイトリノムスメはディープインパクト×アパパネという金子オーナーゆかりの血統である。父母はいずれも三冠馬、それぞれのG1勝利数をあわせると、12冠という超良血馬。それどころか金子オーナーの所有馬だった両親から、新たにG1馬が誕生したことは、もはや運という言葉だけでは済ませられないだろう。
「日本の競馬史上でも、金子オーナーほど個人でここまで名馬を所有した人はいないのではないでしょうか。先日のマカヒキも同オーナーの所有馬でしたし、秋華賞に出走していたミスフィガロにしてもワグネリアンの全妹です。
オーナー独自の配合理論と相馬眼にはいつも驚かされます。ソダシにしても父クロフネと母ブチコは金子血統ですからね。ブリーダーとしても超一流ということになります」(競馬記者)
アカイトリノムスメの母アパパネが現役を引退して繁殖牝馬となって以降、毎年ディープインパクトが配合され、兄はモクレレ、ジナンボー、ラインベックと牡馬が出たものの、未だに重賞勝ちさえしていなかったのが現状。素人からすれば、そろそろ他の種牡馬も試したくなる頃合いだ。
それでもなお、続けて選ばれたディープインパクトから、初めて生まれた牝馬のアカイトリノムスメがこうしてG1馬となった。これから先も金子オーナーを超える成功者は、もう現れないのではないかと思えた今年の秋華賞だった。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。
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