
JRA【富士S(G2)展望】ダノンザキッドVSソングライン!近年屈指の好メンバー集結も“最強”3歳世代がマイル界も制圧へ!?

2020年にG3からG2に格上げされた富士S(G2)が23日、東京競馬場で行われる。
注目は2018年に生まれた3歳世代だ。夏の札幌記念(G2)で牝馬ソダシが古馬を完封。スプリント路線では、ピクシーナイトがスプリンターズS(G1)を完勝するなど、早くも“最強世代”との呼び声が高い。マイル界制圧も視野に2頭の3歳馬に古馬撃破のチャンスがある。
1頭目は、今年の皐月賞(G1)で1番人気に支持されたダノンザキッド(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)だ。デビューから1800~2000mを使われてきたが、マイル路線に舵を切ってきた。
昨年暮れのホープフルS(G1)で2歳王者に輝き、世代のエース格と呼ばれたダノンザキッド。3歳初戦の弥生賞(G2)を取りこぼし、3着に敗れた。続く皐月賞では15着に大敗し、その後は日本ダービー(G1)を目指していたが、直前に骨折が判明し、休養に入っていた。
傷が癒えて迎える半年ぶりの実戦は古馬との混合戦。前半3ハロン35秒8までしか経験がないだけに、ペースアップした時に脚を溜めながら追走できるかがカギとなる。
故障明けだけに、やはり気になるのはその状態面だろう。9月中旬に栗東に帰厩後は、坂路とコースを併用して乗り込まれてきた。安田隆師は「春とは全く違う状態」と成長をアピール。実際、1週前追い切りでは、栗東CWで6ハロン79秒台という猛時計をマークしている。
ダノンザキッドは「短距離王国」安田隆厩舎の魔力でマイル王へ華麗なる転身を遂げられるか。注目の復帰戦を迎える。

2頭目の有力3歳馬が今年5月のNHKマイルC(G1)で2着に入ったソングライン(牝3歳、美浦・林徹厩舎)だ。秋華賞(G1)には目もくれず、マイル路線で再び古馬に挑戦する。
前走の関屋記念(G3)は、51kgの斤量も手伝って単勝1.8倍の断然1番人気に支持された。しかし、レース序盤の不利もあり、結果は古馬2頭に先着を許す3着。それでも勝ち馬とは0秒2差と力を示した。
重賞は未勝利だが、NHKマイルCでシュネルマイスターとハナ差の惜敗。ライバルが毎日王冠(G2)を制したなら、この馬も大威張りできる。マイル実績という点で信頼度はダノンザキッド以上かもしれない。
不安があるとすれば、2000年に距離が現行の1600mになって以降、3歳牝馬は「0-0-0-4」。すべて2桁着順と苦戦していることくらい。古馬・牡馬を破ってマイルCS(G1)の有力候補へ名乗りを上げられるだろうか。
関屋記念でそのソングラインを破ったのがロータスランド(牝4歳、栗東・辻野泰之厩舎)だ。
通算10戦5勝で、掲示板を外したのは12着の阪神JF(G1)だけという安定感を誇る。重賞3度目の挑戦となった前走は2番手から抜け出す強い競馬で勝利。テン乗りで大仕事をやってのけた田辺裕信騎手が継続して騎乗できるのも心強い。
東京コースは未経験だが、左回りの新潟コースでは2戦1勝、2着1回と結果を残している。持ち前の先行力を武器に重賞2連勝はなるか。
3年前のダービー馬ワグネリアン(牡6歳、栗東・友道康夫厩舎)にも注目が集まる。キャリア16戦目でこの距離は初めて。京都大賞典(G2)で約5年ぶりの復活勝利を挙げた同厩マカヒキに続くことはできるだろうか。

昨年のNHKマイルC覇者ラウダシオン(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、1年前のこのレースでも2着と、東京コースは得意。。唯一着外に敗れた今年の安田記念(G1)も直線で不利があっての14着大敗だった。ひと叩きされ、巻き返しがあっても驚けない。
1勝馬ながら、3度の重賞2着があるアルジャンナ(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)は、C.ルメール騎手とのコンビで2勝目を狙う。全弟コマンドラインの活躍に刺激をもらいたい。
他にはエプソムC(G3)で重賞初制覇を飾ったザダル(牡5歳、美浦・大竹正博厩舎)、フランス帰りの坂井瑠星騎手に乗り替わるバスラットレオン(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)、武豊騎手とのコンビで復活勝利を狙うマイラプソディ(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)などが出走を予定している。
3歳馬を中心に近年屈指の好メンバーが揃った今年の富士S。ここを勝ってマイルCSに進むのは果たしてどの馬か。発走は23日15時45分となっている。
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