
JRA 武豊「なんとかして正常化を急いでほしい」競馬界のレジェンドが物申すJRAの感染症対策 違反者には手痛い「罰則」!?
21日、須貝尚介調教師が新型コロナウイルスの接触制限違反により、JRAから貸与されていた厩舎の馬房を削除された処分は不当として、9月3付けで大津地裁へ提訴していたことが分かった。
事の発端は昨年10月に東京競馬場で行われたサウジアラビアRC(G3)をステラヴェローチェ(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)で優勝後。
JRAはG1レースに限り、調教師が優勝馬の馬主らとの口取り撮影を許可し、騎手との口取り撮影は不可とする感染対策を昨年10月上旬に通知していた。しかし須貝師は「G1レース」を「Gレース」と見間違え、騎手との撮影を原則禁止としている部分を見落とし、撮影を行った。
感染対策の通知後に原則禁止の撮影を行ったことにより、翌月にJRAから書面で「調教師としての自覚を著しく欠く行為」として、今年3月以降に馬房を2つ減らす処分を科された。
馬房は厩舎にとって命の次に大事な無くてはならない存在だ。馬房の数により入厩できる頭数が変わるのはもちろんのこと、預託契約を結ぶことのできる頭数も馬房によって決められている。
預託頭数は、馬房の2.5倍となっている。須貝厩舎は本来であれば30馬房で預託頭数は75頭だ。だがJRAの処分により28馬房であるため、預託頭数は70頭と5頭減少している。
一見、僅かな減少に見えるが須貝厩舎にとっては死活問題だったようだ。須貝師は従業員の解雇、管理馬や管理予定馬を別の厩舎に移すなどの対応をせざるを得ない状況に。3月以降に須貝厩舎から他の厩舎へ転厩となった馬の中には、重賞2勝のシュウジも含まれていた。
今回のニュースを知った競馬ファンの中には「『G1』と『G』を見間違えたというのは苦しい言い訳」と、厳しい意見を述べるファンがいる一方、「処分が重すぎる」と、須貝師へ同情する声も多数上がっている。
このような状況の中、騎手の口取り撮影の解禁を願っているのが、競馬界のレジェンド武豊騎手だ。
緊急事態宣言の解除を受け、今年10月中旬から馬主の口取り撮影参加は認められたが、騎手は未だ撮影参加を認められていない。そのことを受け、武騎手は自身のオフィシャルサイト『Take a Chance!』にて、「個人的な考えですが、なんとかして正常化を急いでほしいポイントです」と、訴えている。
武騎手は同サイト内にて「騎手の感染を極力防ぐ意味はわかります」と、JRAの感染対策に賛同しつつも、「せっかくの愛馬の晴れ舞台なのに、ご挨拶もできないというのは本当に心苦しく、申し訳ない思いでいっぱいです」と、規則により撮影に参加できないことを憂いている。
撮影は屋外で行われるため、感染症が広がるリスクは少ないが、ゼロではない。JRAもリスクを減らすため、このような措置を行っていると思われる。1日でも早く元の競馬開催に戻ることを祈るばかりだ。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
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