GJ > 競馬ニュース > 【天皇賞・秋(G1)展望】
NEW

JRA【天皇賞・秋(G1)展望】グランアレグリアVSコントレイルVSエフフォーリア!三つ巴決戦で「極上」の動きを見せたのは?「世代間」争いにも要注目

【この記事のキーワード】, ,

JRA【天皇賞・秋(G1)展望】グランアレグリアVSコントレイルVSエフフォーリア!三つ巴決戦で「極上」の動きを見せたのは?「世代間」争いにも要注目の画像1

 31日、東京競馬場では第164回天皇賞・秋(G1)が行われる。G1馬の出走は5頭にとどまったが、“3強”を中心にハイレベルな一戦となりそうだ。

 メンバー最多のG1・5勝を誇るグランアレグリア(牝5歳、美浦・藤沢和雄厩舎)は、自身2度目となる2000m戦で、1200m、1600mに次ぐ3階級制覇を狙う。

 同世代にクロノジェネシス、ラヴズオンリーユーなどがいて、史上最強とも言われている5歳世代の牝馬。グランアレグリアは、マイルまでの短距離路線を歩んできたが、今年4月の大阪杯(G1)で2000mに初挑戦。4つのコーナーに加え、重馬場も堪えてか、まさかの4着に敗れた。

 その後は中5週でヴィクトリアマイル(G1)を完勝。牝馬限定のマイル戦では敵がいないことを証明した。だが、さらに中2週で臨んだ春3戦目の安田記念(G1)ではダノンキングリーに僅差で敗れ、G1・6勝目は秋にお預けとなった。

 中間には一頓挫もあった。8月にノドに違和感が生じ、簡単な手術を受けた。しかし、すぐに乗り運動を再開し、予定通りぶっつけ本番で秋の大一番を迎える。

 グランアレグリア陣営にとって今年の天皇賞・秋は特別なレースとなるだろう。管理する藤沢和師はこれまでこのレースを6勝。天皇賞・秋といえば藤沢和調教師、藤沢和調教師といえば天皇賞・秋といわれるほど得意としているレースだ。来春の定年を前に7つ目のタイトル奪取はなるか。

 師の期待に応えるべく、グランアレグリアは順調に追い切りを重ねている。9月下旬にノーザンファーム天栄から美浦に帰厩。2週前追い切りでは、美浦坂路で自己ベストを大幅に更新する50秒8という好時計をマークした。1週前は美浦南Wで馬なりのまま僚馬に楽々先着。極上の動きを見せ、好調をアピールしている。

 鞍上はもちろんC.ルメール騎手が務める。大阪杯4着後には「良馬場の2000mならもつのかなと思います」と語っていたように、当日の馬場状態が気になるところだろう。パンパンの良馬場なら勝利に最も近い存在だろう。

JRA【天皇賞・秋(G1)展望】グランアレグリアVSコントレイルVSエフフォーリア!三つ巴決戦で「極上」の動きを見せたのは?「世代間」争いにも要注目の画像2

 そのグランアレグリアと人気を分け合うとみられるのがコントレイル(牡4歳、栗東・矢作芳人厩舎)だ。コロナ禍に揺れる昨年は、競馬界を大いに盛り上げた1頭である。

 ちょうど1年前の菊花賞(G1)で無敗の三冠馬に輝いたが、その後は2戦して未勝利。三冠馬3頭による世紀の一戦となった昨年のジャパンC(G1)でアーモンドアイに初黒星を喫し、大阪杯でも3着。さらに宝塚記念(G1)を回避するなど、王者の貫禄は影を潜めている。

 ただし、ジャパンCは菊花賞の激走から中4週、秋3戦目というローテーション、大阪杯は道悪といずれも敗因はあった。極端に悪い馬場にならなければ、負けたときの言い訳はできない立場での出走となる。

 この後はジャパンCでの引退が決まっており、残り2戦に全力投球。距離適性とフレッシュな状態面を考えれば、今回の方が勝負どころとなりそうだ。

 放牧先の大山ヒルズから栗東に戻ったのは9月下旬。いつも通り坂路とコースを併用し、2週前には栗東CWで6ハロン80秒4-ラスト11秒6をマークした。1週前には同コースで3頭併せ。ダノンファラオとホウオウアマゾンという重賞勝ち馬2頭に悠々7馬身先着し、好状態でレースを迎えることができそうだ。

「先週負荷をかけたので、きょうはサラッと。息遣いも先週と全然違う。予定通りきているし、いい動きだった」と1週前追い切り後に『スポーツ報知』の取材に答えた福永祐一騎手。無敗の三冠馬の名にかけて、このままで引退するわけにはいかない。

JRA【天皇賞・秋(G1)展望】グランアレグリアVSコントレイルVSエフフォーリア!三つ巴決戦で「極上」の動きを見せたのは?「世代間」争いにも要注目の画像3
エフフォーリア 撮影:Ruriko.I

 登録16頭のうち唯一の3歳馬で、3強の一角を形成するのがエフフォーリア(牡3歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)だ。

 単勝1.7倍の断然人気に支持された前走・日本ダービー(G1)で無敗二冠を狙ったが、シャフリヤールにまさかの敗戦を喫した。8月には菊花賞回避、天皇賞・秋挑戦が決まり、満を持して古馬の壁に挑む。

 初黒星を喫した前走だが、圧倒的人気を背負った分、早めに動かざるを得なかった。着差からも悲観する内容ではないだろう。また、現3歳世代は、ピクシーナイトなどスプリント戦を中心に、古馬相手に大活躍中。中長距離でもその流れを受け継ぐことができるか。

 斤量を味方につけたい。3歳牡馬エフフォーリアが背負うのは56kg。コントレイルと比べて2kg軽く、グランアレグリアとは同じだ。一見有利な条件にも思えるが、02年シンボリクリスエスを最後に3歳馬は秋の盾を手にしていない。03年以降の3歳馬成績は「0-3-3-18」で、12年フェノーメノ、14年イスラボニータがそれぞれ1番人気を裏切っている。

 前評判では3強となっているが、あくまでもグランアレグリアとコントレイルに胸を借りる立場。ひと夏を越えての伸び代で、どこまで迫ることができるだろうか。

 エフフォーリアが美浦に戻ったのも9月下旬。いつも通りコースと坂路を併用して順調に本数を消化。2週前、そして1週前に美浦南Wで併せ馬を敢行し、春に比べてもパワフルな動きを見せ、躍動感も増した印象だ。

 19年ぶりの3歳馬による戴冠はあるか。古馬相手の重賞で快進撃を続ける今年の3歳世代。エフフォーリアと横山武史騎手はこの勢いに続くことが出来るか。

JRA【天皇賞・秋(G1)展望】グランアレグリアVSコントレイルVSエフフォーリア!三つ巴決戦で「極上」の動きを見せたのは?「世代間」争いにも要注目の画像4

 シルバーコレクターと言われて久しいカレンブーケドール(牝5歳、美浦・国枝栄厩舎)が3強に次ぐ存在だ。

 3歳時は桜花賞(G1)出走が叶わず、同世代グランアレグリアとはニアミス。その後、それぞれ違う路線を歩んだため、今回が初対戦となる。16戦すべてで掲示板を確保しているように、どんな相手、どんな条件でも常に上位争いに食い込んでいる。今回こそ悲願の先頭でゴールとなるか。

JRA【天皇賞・秋(G1)展望】グランアレグリアVSコントレイルVSエフフォーリア!三つ巴決戦で「極上」の動きを見せたのは?「世代間」争いにも要注目の画像5

 ワールドプレミア(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)は虎視眈々、17年キタサンブラック以来となる天皇賞・春秋連覇を狙う。

 レコードで駆けた天皇賞・春(G1)以来の実戦で、鞍上にはテン乗りの岩田康誠騎手が指名された。3歳秋以降は2400m以上の長い距離を使われており、距離“不足”が心配されるが、2~3歳時には1800mで2戦2勝の成績を残しており、心配はないだろう。スタミナを要する展開になれば、大駆けがあってもおかしくはない。

 ヒシイグアス(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)は、昨年4月に2勝クラスを勝つと、今年2月の中山記念(G2)まで4連勝。途中7か月の休養明けでも勝利しており、今回の8か月の休み明けも陣営のプラン通りで、マイナス材料にはならない。遅れてきた大器が強豪相手に一泡吹かせることはできるか。

JRA【天皇賞・秋(G1)展望】グランアレグリアVSコントレイルVSエフフォーリア!三つ巴決戦で「極上」の動きを見せたのは?「世代間」争いにも要注目の画像6

 コントレイルと同世代のポタジェ(牡4歳、栗東・友道康夫厩舎)は通算「5-4-2-0」と堅実さが売り。5戦5勝と好相性の川田将雅騎手とのコンビ復活で、上位勢に食らいつきたい。

 3頭いる7歳世代からは、復活の兆しを見せているペルシアンナイトが面白い。前走・札幌記念(G2)は見せ場たっぷりの競馬で、1着ソダシと0秒1差、2着ラヴズオンリーユーとは同タイムのアタマ差3着と健在ぶりを見せた。

 大阪杯2着のモズベッロ(牡5歳、栗東・森田直行厩舎)は、道悪になれば浮上。近2走充実のトーセンスーリヤ(牡6歳、美浦・小野次郎厩舎)も侮れない。

 3強の争いとなった昨年のジャパンCは人気通りの決着となったが、今回の3強はどのような決着を見るのか。注目の一戦は31日15時40分に発走予定だ。

JRA【天皇賞・秋(G1)展望】グランアレグリアVSコントレイルVSエフフォーリア!三つ巴決戦で「極上」の動きを見せたのは?「世代間」争いにも要注目のページです。GJは、競馬、, , の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。ギャンブルの本質に切り込むならGJへ!

Ranking

11:30更新
  • 競馬
  • 総合
  1. “ルメール依存症”が日本ダービーにも影響?春のG1シーズンで思わぬ誤算…「28連敗」の敏腕トレーナーに試練のトライアル
  2. 【天皇賞・春】関東クラシック馬タスティエーラ、ドゥレッツァVS関西テーオーロイヤル、ディープボンドら最強ステイヤー軍団。激戦の鍵を握る“第3の刺客!?”
  3. 「オーナーの逆鱗」に触れた原優介が突然のクビ宣告!? 帝王賞でウィルソンテソーロ降板も決定済み…気になる「鞍上交代」はやっぱりアノ人?
  4. JRA「出禁」になったO.ペリエ「税金未払い」騒動!? L.デットーリ「コカイン使用」K.デザーモ「アルコール依存症」過去の”外国人騎手トラブル”に呆然……
  5. 【天皇賞・春】横山典弘「前ポツン」にファンは狂喜乱舞? 20年前の逃亡劇再現あるか……マテンロウレオ陣営も不気味なコメント
  6. JRA「一寸先は闇」のような勢力図の激変…注目集めた若手同期の明と暗、あの「お騒がせ騎手」が佐々木大輔に続くブレイク?
  7. 【天皇賞・春】菱田裕二「師弟コンビ」で悲願の初G1制覇へ! 川田将雅、C.ルメール不在もチャンス、「勝率5割」のデータが人馬を後押し
  8. C.ルメール「ダービーは絶対大丈夫」復帰いよいよ秒読み! ドウデュース武豊と同じく騎乗数セーブ予想も…春G1で復活インタビューとなるか
  9. 本命馬が出遅れたら「自分の勘を疑うべき」なのはなぜか?キャプテン渡辺が考える「今日はダメだサイン」2つ【徒然なる神のくず競馬トーク】
  10. 【天皇賞・春(G1)】武豊×ドウデュースの復活勝利も霞むC.ルメールの神騎乗! 「死枠」克服を完璧に読み切った古馬王道路線の鬼が降臨