
JRA C.ルメール、エフフォーリア級「2億円ホース」をまさかのポイ捨て!? 「能力あるね」高評価も優先したのは恩師への絆か
6日の東西メインレースで重賞が行われるように、年末が近くなるにつれ2歳戦のレースが続々と増えてきた。翌7日も東西9Rに2歳1勝クラスのレースが組まれている。
特に注目したいのは東京9Rの百日草特別(芝2000m)だ。今年の天皇賞・秋(G1)優勝のエフフォーリア、古くは地方競馬の雄・コスモバルクや2007年の菊花賞馬アサクサキングスらが勝ち馬に名を連ねる出世レースとしても知られている。
今年は特別登録の段階で8頭がスタンバイ。人気確実なのは19年セレクトセール当歳にて2億7000万円で落札されたロードカナロア産駒のホウオウプレミア(牡2歳、美浦・奥村武厩舎)だろう。兄弟に目立った活躍馬はいないが、曾祖母が名牝エアグルーヴ、祖母が15年の二冠馬ドゥラメンテを出したアドマイヤグルーヴという良血である。
ホウオウプレミアはエフフォーリアと同じ8月の札幌芝2000mでデビュー。ゴール前で2着馬をクビ差交わす辛勝だったが、2分02秒6の走破時計はエフフォーリアの2分3秒3より速かった。鞍上のC.ルメール騎手も「能力があるね」と、高く評価していた。
一方、管理する奥村武師は「能力の高さは感じたが、まだ素質だけで走っている。課題は山積み」と、やや手厳しい様子。ただ、放牧から帰厩後の同馬については「見た目も含めて大人になった感じがします。走らせてもバランスを崩さずに、良くなっていますね。着実に前進している」と、スポーツ報知の取材で話している。
また、百日草特別は少頭数での開催が濃厚ながら、前走でルメール騎手が騎乗した馬がホウオウプレミアを含めて3頭いる状況だ。そのため、当日東京で騎乗予定のルメール騎手がどの馬に乗るのか注目されていた。
「注目のルメール騎手ですが、レッドラディエンス(牡2歳、美浦・藤沢和雄厩舎)に騎乗するみたいですね。対するホウオウプレミアは岩田康誠騎手が乗ると見られています」(競馬誌ライター)
もし、ホウオウプレミアがルメール騎手・陣営ともに高評価で2歳のエフフォーリア以上の可能性を秘めた馬なら、新馬戦同様にルメール騎手が乗ると思われるが、一体なぜルメール騎手は高評価の2億円を選ばなかったのだろうか。
「レッドラディエンスはルメール騎手と蜜月関係である藤沢和雄師の管理馬です。レッドラディエンスのデビュー2戦とも鞍上を務めましたが、レース後のコメントでは辛口でした。
もう1頭の前走ルメール騎手だったアンビションに関しても同様です。ですから、てっきりホウオウプレミアより下の評価かなと思いましたが……。
乗り手にしか分からない上下関係があるのかもしれませんが、表面的に見れば2億円ホースに乗るより人間関係を優先したようにも見えます」(同)
実際のところは不明だが、ルメール騎手が騎乗するからには、勝算あってのことだろう。メインのアルゼンチン共和国杯(G2)も楽しみだが、百日草特別も目が離せないレースとなりそうだ。
(文=坂井豊吉)
<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……
PICK UP
Ranking
23:30更新「素行不良」で干された若手の更生に関西の大御所が名乗り! 福永祐一を担当した大物エージェントもバックアップ…関係者から「優遇され過ぎ」の声
【NHKマイルC(G1)予想】ジャンタルマンタルは皐月賞の反動があるとみて消し! 出走唯一の連勝馬に着目
横山典弘騎手が若手騎手に「あの乗り方はやめろ」岩田康誠騎手らが実践する「お尻トントン」は、競走馬の負担になるだけ?
- 「シャフリヤールの激走はわかっていた」本物だけが知る有馬記念裏事情。そして“金杯”で再現される波乱の結末とは?
- 浜中俊「哀愁」の1年。かつての相棒ソウルラッシュ、ナムラクレアが乗り替わりで結果…2025年「希望の光」は世代屈指の快速馬か
- 「関東の問題児」がバチバチの叩き合いで痛恨の騎乗停止…被害馬の騎手からもクレーム? 降着の裁決に「迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ち」
- JRA「馬が走ってくれません」スタート直後の“レース拒否”に大反響!? 三浦皇成も打つ手なし……未勝利馬がまさかの「自己主張」で1か月の出走停止処分
- 皐月賞(G1)クロワデュノール「1強」に待った!? 「強さが証明された」川田将雅も絶賛した3戦3勝馬
- JRA「一寸先は闇」のような勢力図の激変…注目集めた若手同期の明と暗、あの「お騒がせ騎手」が佐々木大輔に続くブレイク?
- 武豊「こんな馬ではない」アルテヴェローチェ不完全燃焼!レースレベルに疑問残るも…川田将雅「4コーナーで勝つと思いました」の明暗
関連記事
JRAエリザベス女王杯(G1)もやっぱり「簡単過ぎ」から難易度急上昇!? 気付いたときにはもう手遅れ?
JRA【アルゼンチン共和国杯(G2)展望】オーソリティ連覇なら38年ぶり!C.ルメールは藤田伸二氏以来の快挙へ、強敵は「初コンビ」M.デムーロ×マイネルウィルトス
JRA【京王杯2歳S(G2)展望】「4戦4勝」C.ルメール&「距離延長はプラス」コラリンが中心!逆転視野は新種牡馬の産駒たち
JRA天皇賞・秋(G1)はあまりにも「簡単過ぎ」の声!? 二度あることは三度あった、コントレイルとグランアレグリアは鉄板級?
JRA菊花賞(G1)C.ルメール「コース誤認」危機一髪で回避!? オーソクレース好走の陰に記者のナイスアシスト