
JRA「俺たちは強い!」有馬記念(G1)チーム・タイトルホルダー気合十分!? 珍名馬の由来はバスケ漫画『SLAM DUNK』ではなく…
7日、福島競馬場で行われた5Rの新馬戦は、2番人気のオレタチハツヨイ(牡2歳、美浦・栗田徹厩舎)が勝利。菊花賞馬タイトルホルダーで有馬記念(G1)に挑むコンビが、幸先のいい勝利を挙げた。
16頭とフルゲートで行われた福島1200mのレース。スタートを決めたオレタチハツヨイだが、いきなり頭の高さを見せるなど、無理せず好位からの競馬。鞍上の横山和生騎手が上手くなだめて流れに乗った。
その成果が表れたのが最後の直線だ。外に持ち出されたオレタチハツヨイは、横山和騎手のムチが入ると一気に加速。激しい2着争いをする1番人気エンジェルシリカと3番人気タマモサウルスを後目に、あっさりと抜け出した。最後は1馬身3/4差をつける完勝だ。
「横山和騎手の第一声が『今日は優等生でした』とのことで、相当気性面に幼さがある馬のようです。レース前から気を遣っている様子で、1頭だけ離れて返し馬をしていましたが、それがよかったようですね。
ただ、横山和騎手も『今日の競馬を鵜呑みにはできない』というほどの気性の持ち主で、『2戦目、3戦目にどうなってくるかが勝負』とまだまだ気を許していないようでした。気性面に課題がありそうですが、今日のレースは完勝。距離も現状は1200mが良さそうで今後、気の悪さがいい方向に向かえば面白い存在になりそうです」(競馬記者)
「俺たちは、強い」というフレーズを見ると、多くのファンが国民的バスケ漫画『SLAM DUNK』の名シーンを想起したのではないだろうか。
神奈川のインターハイ県予選に挑んだ湘北高校が強豪の翔陽高校と当たった際、監督の安西先生の言葉に応えるように「俺たちは強い」と結束を固めて以来、湘北のスローガンとして定着。後にゴールデンルーキーの流川楓が「今日もあれやりましょーよ。オレたちはってやつ」と持ち掛けるなど、数々の名シーンを演出している。
そんな背景があるからか、オレタチハツヨイが優勝後、ネット上の競馬ファンの間では「絶対、スラムダンクファンだろ」「スラムダンクの名台詞ですね」「懐かしい」など、やはりSLAM DUNKの名シーンを思い浮かべたという声が多かった。
しかし、実はオレタチハツヨイの発祥は国民的バスケ漫画ではないのかもしれない。
「オレタチハツヨイの馬主さんは名義がGET NEXTなんですけど、これは先日Jリーグを優勝した川崎フロンターレの2020年のキャッチフレーズと同じ(正確には『GET NEXT 青き意志とともに』)。
そこで調べてみたんですが、トドロキゲキジョウ(等々力劇場)やダミアン(レアンドロ・ダミアン)など、GET NEXTの所有馬から川崎フロンターレを想起できるものが続々……。どうやら『俺たちは、強い』も川崎フロンターレのゲートフラッグではないか」(競馬誌ライター)
そういえばGET NEXTの水色を基調とした勝負服も、どことなく川崎フロンターレのユニフォームを連想させる。
「ダートも試してみたい走りですね」
レース後、そうオレタチハツヨイの可能性を示唆した横山和騎手。同じ栗田厩舎の菊花賞馬タイトルホルダーで挑む年末の有馬記念、そして悲願の初G1制覇へ「俺たちは強い」と高らかに宣言したような勝利だった。
(文=大村克之)
<著者プロフィール>
稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。
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