
JRAジャパンC(G1)兄の意地か、弟の有終の美か?「3年ぶり」デムーロ兄弟対決が実現!
昨年のジャパンC(G1)はアーモンドアイ、コントレイル、デアリングタクトによる三冠馬同士の豪華対決となった。ここがラストランとなったアーモンドアイが制し、歴史的名勝負を見せてくれたことは記憶に新しい。今年も昨年2着のコントレイルが今回のジャパンCでラストランと表明しており、その走りに注目が集まっている。
その一方で、2018年のホープフルS(G1)以来、3年ぶりとなるデムーロ兄弟のG1直接対決も実現する。今回、弟のC.デムーロ騎手はグランドグローリー(牝5、仏・G.ビエトリーニ厩舎)に、兄のM.デムーロ騎手はユーバーレーベン(牝3、美浦・手塚貴久厩舎)の騎乗を予定している。
フランスから参戦となるグランドグローリーは、今年ジャンロマネ賞(仏G1)で初のG1勝ちを収め、オペラ賞(仏G1)でも2着と勢いのある5歳牝馬だ。早くから参戦を予定していたジャパンCでラストランとなる。
C.デムーロ騎手はグランドグローリーとのコンビは2戦2勝と相性は抜群。日本での騎乗経験も豊富なだけに、1発の怖さが漂う。
対するユーバーレーベンは今年のオークス(G1)をM.デムーロ騎手とのコンビで勝利。夏場は休養にあて、復帰戦に選んだ前走の秋華賞は13着と敗れたものの、エリザベス女王杯(G1)ではなくジャパンCに出走。実績のある東京競馬場で侮れない存在だ。
デムーロ兄弟といえば、13年の桜花賞(G1)でM.デムーロ騎手はレッドオーヴァル、C.デムーロ騎手はアユサンに騎乗し、JRA史上初の「G1兄弟ワンツー」を記録している。
このとき、アユサンに騎乗予定だった主戦の丸山元気騎手が前日の負傷により、急遽C.デムーロ騎手がピンチヒッターとして手綱を任された。単勝7番人気と伏兵扱いだったが、レースでは迫る兄のM.デムーロ騎手騎乗のレッドオーヴァルを退け、見事JRAでのG1初勝利を飾った記憶に残るレースとなった。
ちなみに、今までのG1直接対決の成績はM.デムーロ騎手13勝に対し、C.デムーロ騎手4勝と日本での経験が長い兄M.デムーロ騎手が大きく戦績で上回っている。最後の直接対決となった18年のホープフルSでは、サートゥルナーリア騎乗のM.デムーロ騎手が勝利し、ヴァンドギャルドに騎乗したC.デムーロ騎手を負かした。
しかしながらC.デムーロ騎手も日本でのG1は3勝。フォワ賞(仏G2)でディープボンドを鮮やかな逃げ切り勝ちに導いた手腕は大きな注目を集めた。チャンスがあるからには何かしらの秘策を用意している可能性もありそうだ。
今回のジャパンCはコントレイルのラストランに大きな注目が集まっているが、その陰に隠れて実現する久しぶりのデムーロ兄弟の対決にも目が離せない。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?
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