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JRAホープフルS(G1)横山武史「余裕」の武豊超え! 藤田伸二氏、安藤勝己氏ら先輩元騎手から絶賛の嵐

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JRAホープフルS(G1)横山武史「余裕」の武豊超え! 藤田伸二氏、安藤勝己氏ら先輩元騎手から絶賛の嵐の画像1
キラーアビリティ 撮影:Ruriko.I

 新時代の幕開けは予感から確信へと変わった……。28日に中山競馬場で行われた今年最後のJRA・G1ホープフルSを制したのは、横山武史騎手が騎乗したキラーアビリティ(牡2歳、栗東・斉藤崇史厩舎)だった。

 前走の萩S(L)ではゴール前でダノンスコーピオンの急襲に遭い、クビ差負けを喫していたキラーアビリティ。3戦1勝という戦績ながら2日前に有馬記念(G1)を制した鞍上の勢いをファンも感じ取っていたのか、コマンドラインと競る形で2番人気に推されていた。

 スタートを決めたキラーアビリティは、道中でインの3番手につける絶好位を追走。4角でうまく外目に持ち出すと、直線しぶとく末脚を伸ばしての完勝劇だった。スタート、位置取り、仕掛けのタイミング、直線でのコース取り……。大舞台で5年目、23歳とは思えない完璧な騎乗をまたも披露してくれた。

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横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

 レース後、横山武騎手は「馬も何とかリラックスして走ってくれて」と愛馬を労うと、「エフフォーリアも強かったですがこの馬も強いです」とG1・3勝のパートナーを引き合いに出し、「今年は年間100勝とG1勝利を目標にしていました。自分の想像していた以上に勝たせていただいた」と2つの目標を達成した1年を振り返り、関係者への感謝で締めくくった。

 G1勝利が一つの目標だったという横山武騎手だが、ホープフルSの勝利は今年のG1・5勝目だった。レジェンド武豊騎手がG1年間5勝以上を初めて達成したのは、19年目の2005年(6勝)。横山武騎手はわずか5年目で武豊騎手超えを果たしたことになる。

「昔とはG1レースの数も違うとはいえ、この若さでG1(年間)5勝は驚異的ですね。しかも昨年まではG1未勝利どころか重賞1勝だった騎手ですから、その成長カーブは武騎手が20代前半だった頃と比較しても遜色はないと思います。

来年も続々と有力馬の騎乗依頼が舞い込むでしょう。来年には18、20年にC.ルメール騎手が達成したJRAのG1年間8勝の大記録も塗り替えてくれるかもしれませんよ」(競馬誌ライター)

 先週土曜(25日)には“油断騎乗”で騎乗停止の処分が科されるという出来事もあったが、それを糧に翌26日の有馬記念でしっかり結果を残した。そして、その2日後に再びG1を勝利。もはや勢いの一言で片付けることはできないだろう。そんな横山武騎手に、先輩ジョッキーたちからも称賛の声が次々と上がっている。

 ホープフルSでキラーアビリティを軸にしていたという元騎手の藤田伸二氏はレース後、自身のTwitterに「何、ソツの無い騎乗! 23歳とは思えない落ち着きぶり!」と興奮気味にツイート。

 同じくキラーアビリティを自信の本命に抜擢していたアンカツこと安藤勝己氏は、Twitterに「想像以上に完璧な競馬した。まあタケシが乗れとるわ」と書き込んだ。

 実はこの日の横山武騎手にはさらに続きがあった。最終12R(立志S=3勝クラス)で1番人気のノルカソルカに騎乗し、逃げの手を打つと1番人気に応えて勝利。これは自身通算300勝のおまけ付きで、最高の形で飛躍の1年を締めくくった。

 数年後、2021年は「スーパースター横山武史元年」だったと振り返る日が来るのではないだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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