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JRA 低迷する「ハマの大魔神」に久々の期待馬が登場!? 驚異のキレ味にC.デムーロが「重賞レベル」断言、ヴィクトリアマイル(G1)母子制覇も夢じゃない?

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C.デムーロ騎手 撮影:Ruriko.I

 5日、中京競馬場の8Rに行われた4歳上2勝クラスは、2番人気のディヴィーナ(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)が好位4番手から差し切り勝ち。単勝1.3倍の1番人気ジャスティンカフェとの競り合いを制し、前走から連勝を飾った。

「能力は重賞レベル。楽しみ」

 鞍上のC.デムーロ騎手がそう回顧した通り、まさにこれから一線級へ羽ばたいていく。そんなイメージが思い浮かぶレースだった。

 大外テーオーアマゾンのロケットスタートで幕を開けた、10頭立ての芝のマイル戦。ディヴィーナもまずまずのスタートを切ると、断然人気のライバルジャスティンカフェをマークする形で競馬を進める。

 手応え十分な状態で最後の直線を迎えると、坂の始めで先頭に踊り出て後は独壇場。唯一ジャスティンカフェが追撃するも、差は縮まらないまま、1馬身半差の快勝を収めた。

「前走からマイル戦を使っていますが、この距離が合うのでしょうか。ジャスティンカフェを寄せ付けない完勝でした。同コースで勝ち時計1分35秒3は平凡でしたが、ペースが遅かったため仕方ないでしょう。

ラスト300m過ぎに先頭に立っていますが、ラスト2ハロンのレースラップが『10.7-11.2』であることから、中京の急坂で10秒台半ばの脚を出していることになります。これならC.デムーロ騎手が重賞級と称しているのも頷けますね」(競馬誌ライター)

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佐々木主浩氏

 そんな将来有望な4歳馬を所有しているのが、元プロ野球選手の佐々木主浩氏だ。佐々木氏は現役時代「大魔神」の愛称で親しまれた抑え投手で、引退後は野球解説・評論の傍らで馬主になった。

 すると、第二の才能に目覚めたのか。頭数は決して多くないものの、所有馬のヴィルシーナ・シュヴァルグランらが次々にG1を制するなど、新人馬主としては異例の活躍を見せた。これは、佐々木氏が無類の「相馬眼」を持っていたということだろうか。

 しかし近年の所有馬の活躍は、ブラヴァスが20年の新潟記念(G3)勝利した程度に留まっているように、一時期ほどの勢いは見られない。昨年は頼みの綱のブラヴァスが未勝利に終わる不振や所有馬の相次ぐ故障に見舞われて、自身の成績は12戦2勝。収得賞金の約2359万円は馬主デビュー年の07年に次ぐ2番目に低い数字だった。

 そんな苦しい状況のなかで、覚醒したのが自身に初のG1勝ちをプレゼントしてくれたヴィルシーナ産駒のディヴィーナだ。3歳5月デビューと順調さを欠くこともあったが、無事に3勝クラスまで到達。C.デムーロ騎手の見立てが現実となれば、久々の重賞勝ちも夢ではないかもしれない。

「今回のレースは道中で行きたがるシーンも見られたので、もしかしたら距離はもう少し短くてもいいかもしれません。ただ、能力はお母さん譲りですね。

出世は遅れましたが、父は晩成タイプのモーリスのため、このまま連勝を続けるようならヴィクトリアマイル(G1)に出走も視野に入りそうです。そうなると、母子制覇というロマンも期待できそうですね」(同)

 2着に敗れたが、昨年末にシュヴァルグランの全弟のイヴィステラがデビューするなど、復調の兆しが見えつつある佐々木氏。果たして再びG1の口取り撮影に、かつて対戦打者を恐怖のどん底に突き落とした「大魔神」の姿が現れるだろうか。

(文=坂井豊吉)

<著者プロフィール>
全ての公営ギャンブルを嗜むも競馬が1番好きな編集部所属ライター。競馬好きが転じて学生時代は郊外の乗馬クラブでアルバイト経験も。しかし、乗馬技術は一向に上がらず、お客さんの方が乗れてることもしばしば……

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