
マルシュロレーヌ『特別表彰馬』選定でJRAに再び批判の声!? NARに好意的意見が続出、名伯楽から踏み込んだ発言も
17日、地方競馬全国協会(NAR)は、『NARグランプリ2021』の表彰馬を発表。全会一致で『年度代表馬』に選定されたのは、2021年の地方競馬を象徴するJBCクラシック(G1)の歴史的初制覇が評価されたミューチャリー(牡6歳、船橋・矢野義幸厩舎)だった。
他には、今週末の東海S(G2)にエントリーしているサルサディオーネ(牝8歳、大井・堀千亜樹厩舎)が『4歳以上最優秀牝馬』に選ばれ、国内競馬最多31連勝の記録を持つも、昨年6月に天国に旅立ったホクショウマサルが『ばんえい最優秀馬』に輝いた。この2頭も全会一致での選出だった。
そんななか、最も反響が大きかったのはマルシュロレーヌ(牝6歳、栗東・矢作芳人厩舎)が『特別表彰馬』に選ばれたことだろう。JRA所属馬ながら、21年の6戦中4戦を地方で走り、3勝を挙げたものの、帝王賞(G1)では8着だったが、11月にダートの本場アメリカで開催されたBCディスタフ(G1)を勝利したことが決め手になったのだろう。
マルシュロレーヌがNAR『特別表彰馬』に選ばれたことに対して、ネット上では好意的な意見が大半を占めた。
「当然ですよね!ありがとうNAR!」
「何より全会一致というのが一番嬉しい」
「NARがマルシュロレーヌをちゃんと評価してくれていて泣ける」
「選定理由も分かりやすく書かれているのもいい」
NARが掲載したマルシュロレーヌの選出理由を一部抜粋して紹介すると以下の通りだ。
「様々な競馬場と距離で4勝を上げ、牝馬ダート世界ナンバーワン決定戦ブリーダーズカップディスタフ(G1)で世界制覇の偉業を成し遂げたマルシュロレーヌが、地方競馬のレースで能力を開花させ、世界最高峰のレースを制するに至った同馬の蹄跡や、この快挙が日本で実施されているダート競走の地位を大いに高めてくれたことなど、多くの委員から同馬の活躍を賞賛する声が寄せられ、全会一致で選定された」
マルシュロレーヌ選出の反響が大きかった理由の一つに今月11日に発表された『2021年度JRA賞』でマルシュロレーヌが“受賞なし”だったこともあっただろう。
「本場アメリカで遂げた偉業に対し、JRAが特別賞を与えなかったことに失望したファンは多くいました。ファンだけではありません。
例えば、競馬ジャーナリストの鈴木淑子さんはBS番組で疑問を投げかけていましたし、大久保洋吉元調教師に至っては、番組内で『個人的な意見として』と前置きしたうえで、『最優秀ダート馬は、マルシュロレーヌでも良かったんじゃないですかね』と、かなり踏み込んだ発言をしていました。
競馬関係者にとってBCディスタフ制覇がそれだけ偉業だったということだと思います」(競馬誌ライター)
マルシュロレーヌは15日に発表された米国競馬の年度代表表彰であるエクリプス賞の『ダート古馬牝馬部門』最終候補にもノミネートされた。来月10日に結果が発表されるが、もしエクリプス賞を受賞することになれば、みたびJRAの“受賞なし”という判断がクローズアップされそうだ。
(文=中川大河)
<著者プロフィール>
競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。
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