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JRA川田将雅「嫌われ役」からイメージ激変、近寄りがたい「委員長」が愛されキャラに変身の裏事情

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川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 今年の騎手リーディングトップを独走する川田将雅騎手が絶好調だ。

 19日の中京9Rをレッドバリエンテで制し、史上12人目、現役騎手で6人目となるJRA通算1800勝を達成した。春はスターズオンアースで桜花賞(G1)とダノンスコーピオンでNHKマイルC(G1)を勝利。来月2日に開催される凱旋門賞(仏G1)では、ディープボンドとのコンビで参戦を予定している。

「できることなら昨日の重賞の際に1800勝を決められるとよかったんですけど、酒井学さんより月曜にしてくれと言われましたので、月曜までちょっと待ちました」

 これまでのどこか近寄りがたいイメージを覆す軽妙なトークを披露したのも、充実している状況に精神的な余裕が生まれたからかもしれない。

「本当にただただありがたく、そしてよく馬たちが頑張ってくれたおかげで、ほんとにそれが何よりありがたく思います」

 騎乗依頼をもらった関係者やコンビを組んだ馬たちへの感謝の気持ちを忘れず、「ありがたい」と繰り返したあたりも、日本を代表するトップジョッキーとなった自覚が垣間見えるものだった。

 表彰式に大勢の騎手仲間が駆けつけて祝福していたことも、これまでの印象を大きく変えた。

「嫌われ役」からイメージ激変

 川田騎手といえば、こういったメモリアルの場で閑散としていることも多く、ネットの掲示板やSNSなどでは、一部のファンから「嫌われ者だから」「人望がない」と誤解されることも珍しくなかった。

「マスク警察」「委員長キャラ」と揶揄する声も一部で出ていたが、コロナ禍の開催ということもあって、「不要不急」の集まりを避けたいという意識もあったのだろう。

 その一方で現場の記者からは、周りの騎手たちの川田騎手を見る目も少しずつ変化がでてきているという話も聞こえてきた。

「以前は節目の勝利時でも、後輩や若手騎手を寄せ付けない感じで物々しい雰囲気でしたが、今回は尊敬する先輩の福永祐一騎手をはじめ、今村聖奈騎手や角田大河騎手など、今年デビューした新人の姿もありました。2場開催で多くの騎手がいたとはいえ、本当にお祝いモードでしたね。今までにない光景で微笑ましかったです。

これまでは後輩騎手を怒鳴ったり、当たり散らしているという印象が独り歩きしていましたが、周りの受け取り方も変わってきたようですよ。

何しろ近年の活躍や実績は素晴らしく、競馬に対する考え方や姿勢が後輩に浸透してきた事が大きいと思います。最近は若手や後輩の変化や悩みなどに気づいてアドバイスや忠告をする事が増えていますし、説明なども理路整然としていて丁寧です。故に若手も尊敬するようになりますよね」(競馬記者)

 勿論、レース中のミスや騎乗馬の御し方などを叱責することもあるが、たとえ怒られたとしても理不尽なことではないので、言われた側も納得しているケースが多いという。それも、仕事に対して手を抜かずストイックな姿勢で取り組んでいるから説得力がある。

 川田騎手曰く「高いお金を出して馬主さんに馬を買ってもらい、調教師やスタッフが毎日世話をして送り出してきたのだから納得してもらう競馬をするのは当然。そのためには調教や返し馬で癖や特徴を把握して、レースでは自分がどのように動かしたいか、またイメージした競馬をするにはどういう風に馬に教えるのかが凄く大事。そこを何も考えずにただ乗っているだけの騎手はダメ」とのこと。

 競馬サークル内でも川田騎手の仕事熱心ぶりも浸透してきたため、本人もそれを感じて立ち振る舞いにより気をつけている様子。尊敬する先輩である福永騎手からは「これからはお前が率先して引っ張っていかなくちゃいけないんだから」と言われたそうで、そういった自覚の変化があの表彰式に現れていたのだろう。

「最近は関東で騎乗する際に、関東の若手騎手がアドバイスを貰おうと挨拶に行くみたいですよ。関西と違って関東では中心になる騎手がおらず、先輩が後輩の面倒を見たり、指導する事で騎手全体の底上げを行い、競馬界全体を盛り上げようという意識が弱いです。

そういった事情もあって、川田騎手を慕う関東の騎手も増えたらしい。実際、騎手リーディングを見ても上位を占めるのは、関西所属の騎手が大半。こういった意識の差が成績にも表れているのでしょう」(同)

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角田大河騎手

 そんな川田騎手が若手の有望株として高く評価しているのが角田大河騎手だ。新人なのでまだまだ技術面では未熟だが、真摯に競馬と向き合っていけばいいジョッキーになると評しており、競馬に取り組む姿勢を評価していた。また、福永騎手と共に指導している今村騎手にも期待しているようである。

 リーディング獲得に天敵ともいえるC.ルメール騎手が不振なこともあり、順調なら川田騎手の悲願である初のリーディングジョッキーもほぼ当確。このペースで勝ち星を量産すれば、来年中には大台の2000勝も見えてくる。

 全盛期の武豊騎手に引けを取らない高い勝率、連対率を誇り、日本で最も頼れる騎手という評価も手にした。これから始まる秋のG1戦線でも、目が離せない存在だ。

高城陽

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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