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JRA「個性派の怪物」リフレイムは何故復活できたのか。「本当に申し訳ない」恥辱にまみれたド派手デビューから約1年半…エイシンヒカリ2世が辿った軌跡

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JRA「個性派の怪物」リフレイムは何故復活できたのか。「本当に申し訳ない」恥辱にまみれたド派手デビューから約1年半…エイシンヒカリ2世が辿った軌跡の画像1
野中悠太郎騎手 撮影:Ruriko.I

 30日、東京競馬場で行われた節分S(3勝クラス)は、1番人気のリフレイム(牝4歳、美浦・黒岩陽一厩舎)が勝利。2勝クラス、3勝クラスを連勝し、再びオープンクラスに帰ってきた。

 芦毛の怪物が、ついに「自分の道」を取り戻した。

 8頭立て芝1600mのレース。最内枠だったこともあってゲートが開くや否や、鞍上の野中悠太郎騎手は迷わずリフレイムをハナへ誘導。1番人気馬の逃げだったが、鈴を付けにいく馬もおらず、あっさりとペースの主導権を握った。

 いや、「ペースの主導権を握った」という言葉はリフレイム、そして野中騎手とのコンビには相応しくないかもしれない。他馬の動向などどこ吹く風、快調に飛ばすリフレイムは先頭のまま最後の直線を迎えると、やはり大きく右側へ斜行した。

 決して、行儀のいいレースとは言えない。だが、主戦騎手が「あれで勝つのですから驚きです」と話した通り、これこそがリフレイムの真骨頂。コースの真ん中を超えても、さらに外へ外へ……斜めに走り続けると物理的に不利なことは明らかだが、それでも最後は2着タガノディアーナに2馬身半差をつけてゴールまで走り抜けた。

「“らしさ”全開でしたね(笑)。もともと『重賞級』と期待される素質馬でしたが、一時の低迷ぶりを思うと、よくぞここまで立て直したと思います。ベストが『左回りのマイル戦』という舞台を選ぶ馬ですが、今後が楽しみになる勝利でした」(競馬記者)

 一昨年の夏にデビューしたリフレイムは、最後の直線で先頭を走っていたものの外側へ大きく斜行してしまう。最終的に外ラチ一杯までたどり着きながらの勝利は、かつて武豊騎手とのコンビで香港C(G1)やフランスのイスパーン賞(G1)を勝ったエイシンヒカリを彷彿とさせるもの。大物感たっぷりのレースは、全国の競馬ファンの度肝を抜いた。

 しかし「怪物」「エイシンヒカリ2世」など派手なフレーズが躍る一方、JRAからは「最後の直線コースで外側に逃避した」として平地調教再審査を命じられる。レース後「大きな課題なので、時間をかけて直したい」「本当に申し訳ない」と話した黒岩調教師ら陣営の課題は明らかだった。

 そこからリフレイム陣営の苦闘の日々が始まる。次走の1勝クラスでは、デビュー戦から一転して後方からの競馬で差し切り勝ちと“進化”を示した。

 だが、同時に「怪物」は平凡な馬に変わっていたのかもしれない。メンバーレベルが上がった次の京王杯2歳S(G2)であっさりと1番人気を裏切ってしまうと、そこからは重賞で惨敗続き……。陣営もダートに矛先を替えるなど手を尽くしたが、5連敗で休養を余儀なくされた。

 諸刃の剣といえる強烈な個性を残しながら、如何に「競馬」を教えていくか。馬は感情のある生き物であり、ましてや若いリフレイムは人間で言えば女子高生くらいのお年頃だ。人が矯正するあまり、本来持っていた“やる気”をなくしてしまったケースは、競馬の世界でも珍しくない。

 そんな中、苦境に追い込まれた陣営に一筋の光を差し込ませたのは、新たに主戦に任命された野中騎手だった。

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