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JRA今年「45戦未勝利」の絶望……あの中堅騎手が「超新星」ドゥラドーレスのデビュー飾るも無情の乗り替わり

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 30日、東京競馬場で行われたセントポーリア賞は、3歳限定の1勝クラスながら今春のクラシック戦線を揺るがすようなレースだった。

 1:45.7という勝ち時計は、セントポーリア賞が現行の東京・芝1800mで行われるようになった過去7年間で最速。従来の“レコード”だった昨年のグレートマジシャン(日本ダービー4着)の1:46.5を大きく上回り、さらには昨年の東京スポーツ杯2歳S(G2)でイクイノックスが記録した1:46.2より0.5秒も速い。

 そんな超ハイレベルなレースを制したのが、ドゥラドーレスだ。2着ウィズグレイスに騎乗したC.ルメール騎手と、3着デルマグレムリンに騎乗した武豊騎手が「勝ち馬が強すぎた」と口をそろえるほどの逸材は、父ドゥラメンテを超える可能性さえ感じさせる大器と述べても過言ではないだろう。

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丸山元気騎手

 その一方でもしかしたら、そんな「超新星」と共にクラシック制覇を目論んでいたかもしれない騎手がいる、関東の中堅ジョッキー丸山元気だ。

「攻め馬の時から、能力を感じていました」

 ドゥラドーレスがデビュー勝ちを飾った昨年11月、その鞍上には丸山騎手がいた。スタートこそ一息だったが「素晴らしい脚を使ってくれた」という最後の直線では、後方からライバルたちをごぼう抜き。後のセントポーリア賞の勝ちっぷりを見れば朝飯前の芸当だったかもしれないが、丸山騎手も大きな手応えを感じていたに違いない。

 しかし、そこから約3か月後。2戦目となったセントポーリア賞の鞍上に抜擢されたのは、関東のトップジョッキー戸崎圭太だった。

「新馬戦が3番人気と、そこまで大きな評判にはなってなかった馬ですが、デビュー戦の勝ちっぷりが素晴らしかったため2戦目からトップジョッキーに乗り替わるというケースは、ドゥラドーレスに限らずよくあること。

弱肉強食の厳しい世界ですが、降ろされた丸山騎手も、この日は同じ東京で騎乗。セントポーリア賞で代わりに乗る馬もいませんでしたし、やはり騎手として思うところはあるでしょうね」(競馬記者)

 丸山騎手と言えば、デビューイヤーの2009年こそ8勝に終わったものの、2年目に92勝を挙げて大ブレイク。その後、一時は低迷し関東の中堅騎手というイメージが定着したが、2019年に71勝を挙げて再び脚光を浴びている。

 そんな復活劇の背景にあったのが、日本が誇るノーザンファームのバックアップだ。

 5年連続リーディングのルメール騎手や、川田将雅騎手、福永祐一騎手といったリーディング常連の名手たちはもちろん、伸び盛りの横山武史騎手や岩田望来騎手らも含め、今の競馬界で好成績を残すには「如何にノーザンファームの有力馬に騎乗するか」に尽きると述べても過言ではない。

 丸山騎手の復活の背景にも、そんな11年連続リーディングという生産界の絶対王者との関係があった。無論、ルメール騎手や川田騎手を差し置いての序列No.1というわけではなかったものの、有力騎手がいないローカルを中心にノーザンファーム系ホースクラブの所属馬たちで着実な実績を積んでいたからだ。

 しかし、その翌年の2020年に45勝と伸び悩むと、昨年は26勝止まり……まるで潮が引くように“ノーザンファーム系”の馬に騎乗する機会が減少すると、今年に至ってはここまで「勝ち星0」と苦しんでいる。

「今年、ここまで45戦して勝ててない丸山騎手ですが、サンデーレーシングやキャロットファーム、シルクレーシングといった、いわゆるノーザンファーム系ホースクラブに騎乗したのはわずか1度だけ。それも中山金杯(G3)でしたが、17頭中15番人気とほぼ勝ち目のない馬でした。

今回、もしかしたら今年初勝利を飾っていたかもしれないドゥラドーレスは、ノーザンファーム生産で、同代表の吉田勝己氏の所有馬。低迷に喘いでいる丸山騎手ですが、ノーザンファームでの序列は確実に下がっていると言わざるを得ませんね……」(同)

 ここまで極端な乗鞍の減少こそ感じさせないが、東京で騎乗したこの日は、2Rの3歳未勝利戦で13番人気の馬に騎乗しただけという寂しい結果に終わった丸山騎手。

 果たして3度目の復活はあるのか、弱肉強食の競馬界の中でも最難関といえるノーザンファーム“御用達ジョッキー枠”の争いは続く。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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